日本の公立美術館の先駆け 栃木県立美術館

アートな場所

栃木県、ラストは県の、いえ、日本の公立美術館の草分け的な存在となった美術館です。以前、山形美術館を掲載しましたが、それ以来の歴史と伝統です(しかもこちらは公立として最初期なのでは)
では、早速みていきましょう。

このブログで紹介する美術館

栃木県立美術館

・開館:1972年 ※開館50年という重み、ズッシリです。すごい。
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県観光協会HPより転載)

・場所
栃木県立美術館 – Google マップ

日本の公立近代美術館の先駆け

・日本における公立の近現代美術館の先駆けとして、1972(昭和47)年に開館。建築は1981(昭和56)年に増築された常設展示室を含めて、川崎清氏の設計。コレクションは栃木県を中心とする国内の近現代美術やフランス、イギリス、ドイツ等西欧の近現代美術作品を要に、版画、挿絵本、写真、工芸を含め9000点近くに及ぶそうです。年4回、企画展およびコレクション展を開催。マイセン磁器展示室では、18世紀から20世紀までの日本有数のコレクション約100点を、年4回の展示替えで紹介。
※ 川崎清(1932年4月28日 – 2018年6月9日)…新潟県出身の建築家。京都大学名誉教授。他、代表作に日本万国博覧会美術館、京都大学文学部博物館など。

→マイセン磁器展示室、これまたユニークそうな部屋ですね。こちらは後ほど。

美術館の基本理念

・社会教育施設である。同時に学校教育に利用されることを目的とする。 利用者の学習に役立つ調査・研究、収集・ 保存、教育・普及活動を行なう。また自由な精神が解放されるよう、美的な環境を整備する。
→「自由な精神」という今やなかなか聞かない言葉に開館50年の重みを感じます。めちゃくちゃ硬い文章ですが、1周通り越して少し可愛げがあるくらいです。

美術館運営方針

栃木県関係の美術資料、美術作家に関する研究調査、資料の収集保存、展示普及活動を運営の基本とする。

①内外の美術史および美術状況に幅広く対応する。
②県民が利用しやすい美術館とするため、地域の美術文化の向上、ならびに地域住民の美術に関する生涯学習等に役立つ事業を行なう。
③学校教育との関連を重視する。
④常に美観を保ち、利用者の心が解放される憩いの場となるよう配慮する。
⑤栃木県立美術館友の会、関係諸機関との連絡協調を密にする。

→文体がカタイですね;でもこの硬派さ、そこがいいんです!そんじょそこらのチャラチャラした美術館とは訳が違うんです。

主なコレクション

・ジョン・コンスタブル 「デダムの谷」(1805年-1811年頃)
・コンスタン・トロワイヨン 「水を渡る牛(帰途)」(1855年-1860年頃)
・クロード・モネ 「サン=タドレスの海岸」(1864年)
・キキ・スミス 「私の青い湖」(1995年)
・田崎早雲「一棹揺山図」(1884年)
・川上澄生「初夏の風」(1926年)
・濱田庄司「柿釉赤絵扁壺」(1971年)
※詳細は美術館検索サイト:http://www.art.pref.tochigi.lg.jp/collection/index.html
(作者名、作品名、制作年、分野などで幅広く、見たいだけ検索かけれます。投げやりでごめんなさい。いっぱいありすぎて…)

(付録)マイセン磁器コレクション

…こんな投げやりで終わると怒られそうなので、本館の特徴の1つ、「マイセン磁器展示室」についてご紹介です。※個人的には開館50年を誇る美術館ですから、その館内老朽化対策なども先駆けてやられているでしょうから、そのあたりも興味があったのですが、調べるもあまりめぼしい情報が出てきませんでした。詳しい方いらっしゃったら教えて下さい。

(以下はマイセンに関し、美術館HPから引用)
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・マイセン磁器は、ロココ芸術の爛熟期にあった18世紀ヨーロッパの宮廷文化を背景に、絵付師ヘロルトや宮廷彫刻家ケンドラーなどの活躍により、華麗な色彩と豊かなフォルムを特徴に発展し黄金期を迎えました。以来300年、現在もなお盛んに製作が続けられ、その作品は人々を魅了してやみません。

栃木県立美術館は2007年に、故・伊東直子氏が蒐集された珠玉のマイセン磁器コレクションを90点ご寄贈いただきました。その内容は、18世紀初頭にドイツ・ザクセンのアウグスト強王の命を受け、錬金術師・ベットガーが発明した「ベットガー炻器」にはじまり、東洋への憧れを物語る「柿右衛門様式」や「シノワズリー(中国趣味)様式」の飲食器、宮廷生活を彩った18世紀ロココ様式の彫像から、20世紀初めのアール・ヌーヴォーに至るまで網羅されています。とくに、マイセンがもっとも隆盛を極め、芸術性を高めた18世紀半ばまでの作品を多数含んでいる点では、質量ともに国内稀に見るマイセン・コレクションといえます。

さらに本コレクションには、優れた描写力で22体の猿の個性を表した「猿のオーケストラ」も含まれています。猿たちのコミカルなまでに高揚した熱気、演奏者の絶妙な動きがあますところなく表され、数々の優品を生み出したケンドラー時代の彫像の特徴をもっともよく伝える名品です。

マイセン磁器展示室では113点の作品の中から、テーマに沿って年4回、一部を展示替えしながら20数点ずつ紹介します。ヨーロッパの宮廷文化により育まれた、華麗なるマイセン磁器の美の世界をお楽しみください。
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金谷ホテルのイザベラ・バード女史にはじまり、マイセンで終わる。
なんか栃木県、ヨーロッパ宮廷の華麗な香りが漂っていますね。私もそんな視点でまた訪れたいと思います。ではでは。

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