イタリアの現代具象彫刻家の作品群と四季折々のクレマチスの花 静岡:クレマチスの丘(ヴァンジ彫刻庭園美術館)

静岡県

こんにちは。先日の福岡市アジア美術館で本ブログは一区切り。
以降は美術館密集エリアとして一旦スキップしていた都府県(東京、神奈川、静岡、長野、京都、香川)をじっくりご紹介していきたいと思います。

順不同ですが、まずは静岡県。こちらYAMAHAや河合などピアノメーカーが昔から立地しているおかげか文化・芸術に力を入れているイメージです。今日は、静岡県駿東郡長泉町の愛鷹山中腹にある文化複合施設、敷地内の庭園は「クレマチスガーデン」と呼ばれ、四季折々さまざまな種類のクレマチスを育て、地区全体のシンボルとされているエリアです。それでは早速。

このブログで紹介する美術館

クレマチスの丘(ヴァンジ彫刻庭園美術館)

・開館:2002年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県・市観光協会HPより転載)

※残念ながら、現在は休館中のようです

・場所
ヴァンジ彫刻庭園美術館 – Google マップ

イタリアの現代具象彫刻家の作品群と四季折々のクレマチスの花

・イタリアの現代具象彫刻家:ジュリアーノ・ヴァンジの、世界で唯一の個人美術館。2002年、富士山に連なる愛鷹山麓の中腹にに開館。

1960年代から最近までのヴァンジの彫刻を常設コレクションとし、それらが展示棟並びに庭園のなかで風景と調和しながら点在。四季折々のクレマチスの花を楽しめるガーデン、現代の作家による企画展、各種文化的イベントなど、芸術表現の時代を超えた普遍性を縦軸に、移り変わる同時代性を横軸に、織りなされた複合的な文化空間です。

ジュリアーノ・ヴァンジとは

・2002年、第14回世界文化賞(彫刻部門、日本)を受章。現代イタリアを代表する具象彫刻作家。

1950年代末から3年間ブラジルで抽象彫刻を手掛ける。帰国後、極限状態におかれた人間像を作り始め、1967年のストロッツィ宮殿の個展で近代社会の人間が抱える閉塞感を鋭く表現.

1970年代の実存主義的な表現を経て、1980年代に入ってからは飄逸味を加えた作品を制作。石、木、ブロンズ、合金など多彩な素材を扱い、人間存在の根源を問う作品で、イタリア具象彫刻界でも特異な作家として知られるようになる。

1995年フィレンツェで回顧展を開催。同時期にベネチア・ビエンナーレ100周年記念展で大作を出品。これらを機に広場や教会など公共空間のための制作が相次ぐようになり、1997年パドヴァ大聖堂新装内陣のための彫刻群、1999年キリスト磔刑像、2001年ピサ大聖堂の祭壇彫刻、2012年アレッツォ大聖堂の内陣彫刻が完成。

2002年、高松宮殿下記念世界文化賞の受賞を皮切りに静岡県・長泉町にヴァンジ彫刻庭園美術館がオープン。2009年来日した。

主な作品群

 
 
 

…いかがでしょうか。現存するひとりの彫刻家の作品を展示するという目的に特化して美術館が建造されるというのは極めて稀です。ヴァンジ彫刻庭園美術館は、世界で唯一ジュリアーノ・ヴァンジの個人美術館として、ヴァンジに関する情報収集・レファレンス活動などを行い、常設彫刻の普及につとめられています。(これだけでも貴重な存在だと言えるかもしれませんね。)

展示棟併設の企画展アートスペースでは、ヴァンジ以外にも、「彫刻とは何か」という問いに基づき、新時代を切り開いていく立体表現の作家たちを中心にご紹介しているそうです。

そんな存在自体が貴重なクレマチスの丘にあるヴァンジ彫刻庭園美術館、これからも地域とともに根付いて欲しいものですね。

(マウス)

コメント

タイトルとURLをコピーしました