太平洋戦争で学徒出陣した画学生の作品群、遺された絵から感じること 長野:戦没画学生慰霊美術館 無言館

長野県

こんにちは、マウスです。
今日ご紹介する美術館…いよいよここまできたか…という感じです。ブログの初期に野見山暁治さんのことを5回にわたって記載しましたが、その中で戦没画学生慰霊美術館の建設に向けて奔走したこと、またそれに至った経緯などをご紹介しました。(100年を生きる画家、野見山暁治 人はどこまでいけるか④他)

そんな野見山さんが尽力された美術館、どんな想いでどんな作品たちが眠っているのでしょう。早速見ていきたいと思います。

このブログで紹介する美術館

無言館

・開館:1997年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県・市、観光協会HPより転載)

・場所
無言館 – Google マップ

太平洋戦争で学徒出陣した画学生の作品群、遺された絵から感じること

・HPには多くを語らず、館長の窪島誠一郎さんが本館に向けたメッセージが記載されてあります。多くを語るよりもこの詩を読めば本館の設立理念がわかるのではないかと思います。
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<あなたを知らない 窪島誠一郎(「無言館」開館の日に)>
遠い見知らぬ異国くにで死んだ画学生よ
私はあなたを知らない
知っているのはあなたが遺のこしたたった一枚の絵だ

あなたの絵は朱い血の色にそまっているが
それは人の身体を流れる血ではなく
あなたが別れた祖国のあのふるさとの夕灼やけ色
あなたの胸をそめている父や母の愛の色だ

どうか恨まないでほしい
どうか咽なかないでほしい
愚かな私たちがあなたがあれほど私たちに告げたかった言葉に
今ようやく五十年も経ってたどりついたことを

どうか許してほしい
五十年を生きた私たちのだれもが
これまで一度として
あなたの絵のせつない叫びに耳を傾けなかったことを

遠い見知らぬ異国で死んだ画学生よ
私はあなたを知らない
知っているのはあなたが遺したたった一枚の絵だ
その絵に刻きざまれたかけがえのないあなたの生命の時間だけだ
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無言館の構成

・無言館、今では以下の通り、
①無言館
②無言館第二展示館
③KAITA EPITAPH 残照館
④槐多庵
の4か所に分けて展示・活動をされているようです。以下、各々の館内の様子を載せておきます。

無言館




無言館第二展示館


KAITA EPITAPH 残照館




槐多庵(休館中)





主な収蔵作品

    

…いかがでしょう。詳しくは館のHP(https://mugonkan.jp/collections/)にのっていますが、20代で亡くなった方々の作品が多いです。

 それと個人的に絵の痛みが気になる方もいらっしゃる方も多いのではないかと思います。それは逆に通常の美術館などで保管されている作品は(学芸員などの専門家が温湿度等を管理して目くばせしていますので)劣化が気にならないということを意味しており、通常、民家での保管(しかも本作品群は戦前~戦中~戦後すぐの雑多な環境…)だとこれくらい痛むのが普通だということだと思います。美術館の業務の中では企画展などに注目が行きがちで、これら保存業務はなかなかスポットライトを当てられないのですが、後世へ文化財を語り継ぐという面で大変重要な役割を担っていることがわかるのではないでしょうか。(それでも無言館という役割を考えるとこういった絵の劣化もその絵がもつ歴史になりますので、併せて鑑賞していく方が良いのかもしれません)

なお、館長の窪島誠一郎さんは著名な作家でもあります。無言館についても多くの著作を残されていますので是非参考にしてみて下さい。絵画をみる前にこのように文字で背景・経緯などを眺めておくと、よりいっそう本館への理解が深まるかもしれません。(いくつかはこちらにもリンク貼っておきます)

戦没画学生 いのちの繪 一〇〇選


決定版 戦没画学生人名録

〇その他無言館 関連書籍:https://shop.mugonkan.jp/

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