今週のPickUp!展覧会

○サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品 @サントリー美術館  会期:6/16(日)まで

<概要>
・「メイヒン」と聞いてまず思い浮かべるのは、国宝や重要文化財に指定され、その芸術的な価値の高さを誰もが認めるような「名品」ではないでしょうか。しかし「メイヒン」とは、それだけにとどまりません。これまでほとんど注目されず、展覧会にもあまり出品されてこなかった、知られざる「迷品」の世界もまた、同時に広がっているのです。そしてたとえ「迷品」とされるようなものであっても、少し視点を変えるだけで、強く心を惹かれる可能性を秘めているかもしれません。そうした時、「名品」と「迷品」を分ける明確な基準はないといえるでしょう。
 
そこで本展では、「生活の中の美」を基本理念とするサントリー美術館コレクションの「メイヒン」たちを一堂に会し、さまざまな角度から多彩な魅力をご紹介します。作品にまつわる逸話や意外な一面を知れば、「迷品」が「名品」になることも、「名品」が「迷品」になることも——目の前にある作品がどちらであるのか、それを決めるのは「あなた次第」。自分だけの「メイヒン」をぜひ探してみてください。

○キース・へリング展 アートをストリートへ @兵庫県立美術館  会期:6/23(日)まで ※全国巡回展

<概要>
・明るく、ポップなイメージで世界中から愛されているキース・ヘリング。
ヘリングは「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークを中心に地下鉄駅構内やストリート、つまり日常にアートを拡散させることで、混沌とする社会への強いメッセージを発信し、人類の未来と希望を子どもたちに託しました。
ヘリングが駆け抜けた31年間の生涯のうちアーティストとしての活動期間は10年程ですが、残された作品に込められたメッセージはいまなお響き続けています。

本展は6メートルに及ぶ大型作品、また日本初公開を含む150点の作品を通してヘリングのアートを体感いただく貴重な機会です。社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見と支援不足に対して最後までアートで闘い続けたヘリングのアートは、時空を超えて現代社会に生きる人々の心を揺さぶることでしょう。

(関連)
中村キース・へリング美術館

○驚異の細密表現展 ―江戸・明治の工芸から現代アートまで― @横須賀美術館 会期:6/23(日)まで

<概要>
・ 本展は、日本の江戸・明治期から現代における細密表現をキーワードにして、工芸、絵画、現代アートという幅広いジャンルから選りすぐった約100点を作品をご紹介、その表現の多様性をご覧いただこうとするもの。

 開港場であり居留地のあった横浜は、明治期には陶磁器の一大生産地であり、真葛焼に代表される「横浜焼」の精巧な細工や意匠は欧米の人々を驚かせ、大変な評判を呼びます。またこの地では洋家具をもとにして龍や松竹梅、鳳凰などの精密な彫刻をほどこした和洋折衷で輸出用の彫刻家具が制作されます。近年、横浜焼が里帰りしつつあり、また日本にほとんど残っていない貴重な彫刻家具の表現にも改めて注目が集まっています。

 時代が変わっても、優れた技術を伴いつつ強烈な個性と芸術性をもつ作品は、人々を魅了してきました。近代においては西洋由来の写実的な表現として、迫真的な力強さを伴った絵画や彫刻が生まれています。今日においても自らの表現を突き詰める現代作家による注目すべき試みを見ることができます。

○シンフォニー・オブ・アート -イメージと素材の饗宴 @群馬県立館林美術館 会期:6/23(日)まで

<概要>
・多くの音で構成される交響曲のように、アート作品も多様な要素が集まることで作られているものがあります。この展覧会は、アート作品の表現や成り立ちを「集める」という視点から注目し、当館コレクションを中心に様々な作品を紹介するものです。

 まずはアート作品の表現に「集められた」要素を探していきます。パターン化した色や形を集積した表現による絵画、同じモチーフを集めて構成した立体などのほか、ストーリーを伝えるために多くのモチーフが集められた物語的な表現を紹介します。また同じ素材を集めたり、異なる素材を積み重ねたりする表現も取り上げます。

 そして繊維素材を集めて制作される「ファイバーアート」作品も紹介します。当館コレクションや、ゲスト・アーティストによる展示に加え、染織作品の紹介を活動方針のひとつとしてファイバーアートを収集してきた群馬県立近代美術館のコレクションから作品を紹介し、開館50周年を迎える同館の活動にも触れます。

 モチーフや素材が集まることで響きあい、個性豊かな表現を見せてくれるアート作品の世界をお楽しみください。

○滋賀県立美術館開館40周年記念
 つくる冒険 日本のアール・ブリュット45人 ―たとえば、「も」を何百回と書く。
 @滋賀県立美術館 会期:6/23(日)まで

<概要>
・日本語では、「生(なま)の芸術」と訳されてきたアール・ブリュット。1940年代、フランスの画家、ジャン・デュビュッフェが、精神障害者や独学のつくり手などの作品に心を打たれ、提唱した美術の概念です。本展では、2023年に日本財団より受贈した、45人の日本のアール・ブリュットのつくり手による作品約450点を展示します。

 たとえば、「も」を何百回と書いたり、他人には読めない文字で毎日同じ内容の日記を記したり、寝る間を惜しんで記号を描き続けたり―冴えたひらめきや、ひたむきなこだわりを形にするため、出どころの謎めいた発想と熱量をもって挑む、そんな冒険的な創作との出会いをお楽しみください。

○ICHIHARA×ART×CONNECTIONS ー交差する世界とわたし @市原湖畔美術館 会期:6/23(日)まで

<概要>
・遥か3万年前、イヴの子孫たちが海を渡りたどり着いて以来、日本列島はさまざまな形で民族の移動、グローバリゼーションを経験してきました。千葉県の中央に位置する市原市もまた、全国・世界から移り住んだ数多くの人々を受け入れ、人口の50人にひとりが海外にルーツを持っています。

 「ICHIHARA×ART×CONNECTIONS-交差する世界とわたし」は、市原に暮らす多様な民族的バックグラウンドをもつ人々が共に生きる社会を希求するプロジェクトです。彼らの母国から招いたアーティストたちが、ワークショップやリサーチ、インタビューを通してうみだす作品は、それぞれの国の歴史・文化・風土、そしてこの地で暮らす人々の人生や思いに光を当て、私たちの想像力をひらいていくことでしょう。

 本展が多文化共生社会に向けて、世界と<わたし>がつながる契機となることを願っています。

出展作家:ディン・Q・レ(ベトナム)、リーロイ・ニュー(フィリピン)、リュウ・イ(中国)、チョ・ウンピル(韓国)

○民藝 MINGEI ―美は暮らしのなかにある @世田谷美術館  会期:6/30(日)まで

<概要>
・日々の暮らしで使われていた手仕事の品の「美」に注目した思想家・柳宗悦(1889-1961)は、無名の職人たちによる民衆的工藝を「民藝」と呼びました。
 本展は、美しい民藝の品々を「衣・食・住」のテーマに沿って展示するほか、今も続く民藝の産地を訪ね、その作り手と、受け継がれている手仕事を紹介します。さらには現代のライフスタイルにおける民藝まで視野を広げ、その拡がりと現在、これからを展望します。
※BEAMSのディレクターとして長く活躍し、現在の民藝ブームに大きな役割を果たしてきたテリー・エリス/北村恵子(MOGI Folk Artディレクター)による、現代のライフスタイルと民藝を融合したインスタレーションも見ることができるそうです。

 柳が説いた生活のなかの美、民藝とは何か─そのひろがりと今、そしてこれからを展望する展覧会です。

(関連)
日本民藝館
アサヒビール大山崎山荘美術館
静岡市立芹沢銈介美術館
河井寛次郎記念館