今週のPickUp!展覧会

○HELLO! コレクション ZOZO×千葉県立美術館 @千葉県立美術館
 会期:5/19(日)まで

※企業と美術館のコレクションコラボ…意外と珍しいかもしれません。

<概要>
・千葉県立美術館は1974年の開館から、本年で50周年を迎えます。
 これを記念し、本展では、千葉市内に本社を構える株式会社ZOZO(以下、ZOZO)と連携し、ZOZOと千葉県立美術館、ふたつのコレクションを展示します。(それぞれのコレクションが出会ったことにより、近代以降に生まれた新しい表現が、各時代において「現代アート」として需要され、熱を帯びて次の時代の表現へと結びついていくさまをご紹介)

 ZOZOのコレクションとしては、井田幸昌(いだ・ゆきまさ)、ロッカクアヤコ、Hi-dutch(はいだっち)、矢入幸一(やいり・こういち)、長場雄(ながば・ゆう)の5人による、これまでにZOZO VILLAのメインビジュアルとなった作品を展示。また、千葉県立美術館のコレクションからは、コローやミレー、クールベといった海外作家による作品や、浅井忠、石井林響などをご紹介。

 さらに、ZOZOのコレクションから、井田幸昌、Hi-dutch、矢入幸一の3人によるワークショップを開催します。作家との創作活動という日常にはない体験を通じて、アートと出会ったり、アートを身近に感じたりするきっかけとなれば幸いです。また、御参加いただいたワークショップの成果は、第7展示室にて展示予定です。

 新しい価値を創造し、これまで時代を切り開いてきた作家たち、そしてこれからの時代を切り開いていく作家たちの作品をお楽しみいただける機会ですので、ぜひ足をお運びください。

○大吉原展 江戸アメイヂング @東京藝術大学大学美術館
 会期:5/19(日)まで

<概要>
・江戸の吉原遊廓は現代では存在せず、今後も出現することはありません。
 本展では、今や失われた吉原遊廓における江戸の文化と芸術について、ワズワース・アテネウム美術館や大英博物館からの里帰り作品を含む国内外の名品の数々で、歴史的に検証し、その全貌に迫る展覧会です。

約10 万平方メートルもの広大な敷地に約250 年もの長きに渡り続いた幕府公認の遊廓・江戸の吉原は、他の遊廓とは一線を画す、公界としての格式と伝統を備えた場所でした。武士であっても刀を預けるしきたりを持ち、洗練された教養や鍛え抜かれた芸事で客をもてなし、夜桜や俄など季節ごとに町をあげて催事を行いました。

 約250 年続いた江戸吉原は、常に文化発信の中心地でもあったのです。3 月にだけ桜を植えるなど、贅沢に非日常が演出され仕掛けられた虚構の世界だったからこそ、多くの江戸庶民に親しまれ、地方から江戸に来た人たちが吉原見物に訪れました。

 そうした吉原への期待と驚きは多くの浮世絵師たちによって描かれ、蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)らの出版人、文化人たちが吉原を舞台に活躍しました。

○版画の青春 小野忠重と版画運動―激動の1930-40年代を版画に刻んだ若者たち―
 @町田市立国際版画美術館 会期:5/19(日)まで

<概要>
・昭和初期にあたる1930年代の東京は関東大震災から復興し、新しい景観と映画やカフェなどの娯楽文化が流行する近代都市へと変貌を遂げています。その一方で、この年代は経済や文化面などへの国家の統制が強化され、戦時体制へと歩みが進んだ時代でした。

こうした時代に、1932年(昭和7)、小野忠重や武藤六郎(むとうろくろう・1907-1995)ら20代はじめの青年たちが「新版画集団」を結成し、「版画の大衆化」を掲げて版画運動を開始します。この後グループは、活動の中で、現代版画には絵画的充実が必要だと実感し、1936年(昭和11)に一旦解散、小野や清水正博(しみずまさひろ・1914-2011)らメンバーの一部が1937年(昭和12)に「造型版画協会」を結成して版画運動を継続・発展させました。

本展覧会では、「新版画集団」と「造型版画協会」のリーダーであった小野忠重の旧蔵品を中心とした約300点の作品によって、これらのグループによる版画運動の諸相を探ります。また、激動の1930-40年代という時代に版画に熱中した青年たちが、如何にこの時代を超えようとしたかを考えます。

○モダン・タイムス・イン・パリ 1925-機械時代のアートとデザイン @ポーラ美術館
会期:5/19(日)まで

<概要>
・本展覧会は、1920-1930年代のパリを中心に、ヨーロッパやアメリカ、日本における機械と人間との関係をめぐる様相を紹介します。

1920年代を迎えたフランスの首都パリでは、第一次世界大戦からの復興によって急速に工業化が進み、「機械時代」(マシン・エイジ)と呼ばれる華やかでダイナミックな時代を迎えました。特にパリ現代産業装飾芸術国際博覧会(アール・デコ博)が開催された1925年は、変容する価値観の分水嶺となり、工業生産品と調和する幾何学的な「アール・デコ」様式の流行が絶頂を迎えました。日本では1923年(大正12)に起きた関東大震災以降、急速に「モダン」な都市へと再構築が進むなど、戦間期という繁栄と閉塞の狭間に、機械や合理性をめぐる人々の価値観は大きく変化していきました。

 コンピューターやインターネットが高度に発達し、AI(人工知能)が生活を大きく変えようとする現在において、約100年前の機械と人間との関係は、私たちが未来をどのように生きるかを問う展覧会です。

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