2010年に開館、地域とともに「しずおか文化」を創造し発信する場所 静岡市美術館

静岡県

こんにちは。静岡県、多くの美術館をご紹介してきました。(もう10館以上…数えていませんが)
そんな静岡県で本ブログにてご紹介する美術館も残り公立館2館となってしまいました。
静岡県は西は浜松、東は熱海と様々なエリアに点在していますが、今日ご紹介する美術館は県庁所在地静岡市、その静岡駅の目の前に建てられている美術館です。それでは早速。

このブログで紹介する美術館

静岡市美術館

・開館:2010年
・美術館内・外観(以下画像は美術館HP、市観光協会HPより転載)
 
→内観が随分と洗練されていますね。面白い空間です。

・場所
静岡市美術館 – Google マップ
→静岡駅前にあるようですね。東海道線、新幹線の静岡駅から雨に濡れずに行けるという、全国的にもあまり例のない「便利な」美術館であることをPRされています。

2010年に開館、地域とともに「しずおか文化」を創造し発信する場所

・JR静岡駅北口の「葵タワー」3階に、静岡市の芸術文化の拠点施設として、2010年に開館。静岡の歴史、風土、伝統的文化を踏まえながら、国内外との交流、連携を目指すという「しずおか文化」の創造、発信を基本理念とされているそうです。展覧会と交流を軸に“街の中の広場”のような美術館を目指しています。

静岡市美術館 基本方針

①しずおかの歴史や風土、伝統的文化を継承しながら、新しい「しずおか文化」を創造し、発信する。
②美術を主軸にデザインや工芸等、幅広いジャンルの展覧会をバランスよく実施する。
③広く市民に向けて多様な事業を展開し、まちにひらかれた「芸術文化の交流拠点」を目指す。
④子どもからお年寄りまで、みんなが集う“いきいきとした美術館”を目指す。

→広さ約1,100m²、天井高4.1〜4.5mと国宝や重要文化財等、国指定文化財も展示できるような広いスペースエリアを持つように設計された展示室に加え、エントランスホールや多目的室、ワークショップ室を「交流ゾーン」と位置づけ、同時代のアートシーンの紹介や、コンサート、講演会、ワークショップ等、様々な交流ゾーン事業を実施されています。

静岡市美術館開館10周年記念ムービー&ソング:「しずびショートムービー」、「ikire『aoi』」

・静岡市美術館では2020年に開館周年を記念し、記念ムービーと記念ソングを制作されたそうです。こういうところもユニークですね。

 

館内の様子

→ホワイトキューブにありがちな「ただ白い」だけでなく、温かみのある洗練された空間演出が印象的ですね。なんとなく群馬県でご紹介した太田市美術館の館内に似ているような気がします。今後はこのような建築スタイルが流行になってくるかもしれません。

美術館のロゴについて

・静岡市美術館、特徴的なロゴを使用されています。こちら市内の親子80人によるワークショップにて出来上がったもののようです。
 

ロゴに込めた想い

・静岡市美術館のロゴマークは、静岡、そして日本を象徴する富士山をモチーフにしています。重ねられた2つの円には、美術館を中心とした人の輪の広がりと、地域と世界を結ぶイメージが表わされています。また、視点と奥行きの変化によって見え方が変わる“視ることの楽しさ”に気付くよう工夫されているそうです。

ロゴデザイナーの言葉

・静岡は、気候も人も、なんだか穏やかな気がします。そんな場に新しくできる美術館のシンボルマークやサインは、親しみやすくいろんな人の気持ちが積もっていくものであることが大切ではないか、と考えました。

最初にイメージしたのは、様々な人がつながる場としての円の重なりです。美術館という円は、まず、静岡の人が暮らす「地域」という円と重ならなくてはなりません。人と人を繋ぐ場として美術館が機能すること。子供たちがワークショップに集ったり、アートボランティアの活動の拠点となったり。市の美術館として重要な使命です。そしてさらに、美術館という円は、もっと広い「世界」という円ともつながります。国内外を通じて価値ある作品を見いだし、展示し、発信し続けることで、「地域」と「世界」が「美術館」を通じてつながっていくのではないか、と思うのです。

そして、富士山!静岡の人は、富士山を見上げるだけでなく、富士山から自分たちの住んでいる町を見下ろす、ということがイメージしやすい贅沢な環境のなかに暮らしているのではないか、と思いました。いろんな視点から、いろんな物事を新鮮な目で見つめること。美術館という場は、そうした様々な視点に気づかせてくれたり、教えてくれたりする場でもあります。

富士山にも見えたり、コップにも見えたりするようなロゴマークは、上から見下ろしているようにも、下から見上げているようにも見えます。「あれっ?これってこういうふうにも見えるんじゃないか」という多様な視点を、多くの人が発見できる場になれば、という思いをこめました。

こうして言葉にすることは、実は簡単です。理想論ではなく、具体的にアイデアを磨き、実行する。このシンボルマークが、そのためのなんらかの助けになってくれれば幸せです。(アートディレクター:柿木原政広)

<ロゴ制作ワークショップの様子とできあがったデザイン>

…いかがでしょうか。静岡市美術館、歴史こそ浅くそんなに豊富なコレクションは有してはいないかもしれませんが、その分身軽に様々な活動を通じて市民や地域と、そして世界を見通しながら取組みを展開されているようです。皆さんも足を運ぶだけでなく、ぜひこのような種々のワークショップなどに参加することで、またより一層美術館が身近なものになるかもしれませんね。

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