500本のバット、ガリレオが探したその放物線はアートを描くか 富山:南砺バットミュージアム

アートな場所

こんにちは。今日は先に言っておきますが、マウスの完全に趣味企画になります。
これまで数多の美術館をご紹介してきましたが、本日ご紹介するところは厳密に言うと「美術館」や「アート施設」ではないかもしれません。その比は先日ご紹介した錦鯉のレベルではないかも。(ということで、今日の回は本当のアート好きの方はスキップいただいても良いかもしれません←弱気)

ただ1つ、皆さんにどうしても美術、絵画の世界では表せないアートをご紹介しようと考えているため本館を載せることにしました。美術、絵画という王道の表現手法においていま時点でも完全に表現できていないもの…そう、それはスポーツなどにおける「放物線の美」です。これはもはやパフォーミング・アーツと言っていいかもしれません。では早速。
※パフォーミング‐アーツ(performing arts)とは…演劇・舞踊など、肉体の行為によって表現する芸術。公演芸術。舞台芸術。

このブログで紹介するアート施設

南砺バットミュージアム

・開館:2012年
・アート施設外観(以下画像はアート施設HP、県・市観光協会HPより転載)

・場所
南砺バットミュージアム – Google マップ
→富山県南砺市、行ったことありますか?バットの生産が盛んなんですね。

500本のバット

・全国一の木製バットの生産地・南砺市福光地域。往年のプロ野球選手らの約500本のバットを展示。地元バット工場と連携した産業観光を推進し、地域活性化を目指しているそうです。

南砺バットミュージアムは、福光地域・中心商店街の空き店舗を利用して開館。そのコレクションは、南砺市野球協会会長の嶋信一さんが集めたもので、2006年に廃業した老舗のバット工場の倉庫に眠っていたバットを嶋さんが引き取り、1本1本丁寧に拭いてきれいにしたそう。バットは半数ほどが福光地域で作られたもので、選手が実際に使用したものが中心。誰のバットなのかを確認し、選手の名前や出身地、生年月日、使用時の所属球団、プロフィールなども調べてラベルを制作、整理するだけで1年半ほどかかったとの事。
(館内には、王貞治氏をはじめ、田淵幸一氏、原辰徳氏、篠塚利夫(篠塚和典)氏、落合博満氏、金本知憲氏らプロ野球OB、現役のバットが所狭しと並び、メジャーリーガーのタイ・カップ、ルー・ゲーリックといった有名選手のものもあるそうです)
<館内の様子>

南砺市福光地域でのバット生産について

・福光地域にバット産業が根付いた理由は何だったのでしょう。実は、元々福光地域は鉄道の要所で、大正時代後期に生糸の集積・輸送基地として機能していたことがはじまりだとか。生糸業の関連として、木のボビンや布を巻く芯棒をつくっていたロクロ師が多数おり、ロクロをつかって木を削り、綺麗に磨く技術が培われていったそうです。その後、1960年代の野球ブームに乗り、全国有数の木製バット生産地に。現在、製造業者は5社。生産量は全国シェアの約6割を占め、年間20万本ほど。素材はかつて日本原産種のトネリコが主流だったが、原木の枯渇が深刻になり、戦後、輸入もののホワイトアッシュ、メープル、アオダモなどが使用されている。

ガリレオが探したその放物線はアートを描くか

・そんなバット、そして野球の醍醐味といえばやはり「ホームラン」でしょう。あの乾いた打球音に美しい放物線、そして現地にいるとあの一瞬観客が息をのんだ後に一気に歓声にかわる世界観は、この一連の流れをもってアートといえると個人的には考えています。(野球を観に行ったことがある人ならわかってくれるはず)

そんなホームラン、バッターによっては非常に美しい弧を描きますよね。(もちろんパワーで弾道のように外野席までもっていく人もいますが)

ところで、ホームランに限らず、サッカーのフリーキック、バスケットボールのスリーポイントシュート、はたまたラグビーの流れるようなパスワークなど、スポーツにおけるあの弧を描く(いわゆる放物線)の美しさはどこから来ているのでしょうか。そんな放物線、実はガリレオ・ガリレイが初めて発見されたとされています。

ガリレオと放物線

・私、ド文系のため、計算式など詳しい話は割愛しますが、以下の動画でガリレオと放物線の話が載っていましたので気になる方はぜひ。

宇宙に行った日本人たちが、地球を見て抱いた「言葉にならない思い」

・だんだんと放物線メインになってきた感がありますが…日本人女性初の宇宙飛行士、向井千秋さんがこの放物線の美しさについて言及していましたので、皆さんにぜひご紹介したく載せておきます。その感動は以下の一節に表現されています。

「帰還時は、名刺すら重く感じた。その重力体験こそが、想定外の驚きだった。そして物が落ちる放物線が美しかった。」

「宇宙だと等速運動で投げたものがまっすぐに飛んでいくわけですが、地球では二人の間で爪切りが綺麗な放物線を描いて落ちていく。当たり前のことなのに、工学系のエンジニアだった彼が言うんです。『放物線というのはこんなに美しい線だったのか』って。私も同じ思いでした。放物線は美しい。なぜいままで、この美しさに気づかなかったんだろう、と」
(参考)KODANSHAブログ(https://gendai.media/articles/-/68514?page=4

(付録)おすすめの放物線

・さて、ここからは放物線フェチ:マウスの完全趣味世界です。バットから放物線の美しさ、その何事にも代えられないアートについて語ってきました。最後は私がお勧めするスポーツ界における様々な放物線のワンシーンをご紹介して終わりたいと思います。

野球選手:小久保裕紀

・まずはバットミュージアムからきましたので、野球史に残るアーチスト(野球では美しい弧を描くホームランバッターのことをアーティストに文字ってアーチストと言います)、小久保裕紀さんの動画です。この方、そもそも私たちがよくホームランバッターと聞いてイメージするプロレスラーみたいな筋骨隆々のバッターではなく、恐らくベンチプレスもホームランバッターの基準である100kgも、ましてや80kgも上がらなかったんじゃないかと記憶しています。それこそバットの持つ力を最大限に利用し、ボールをバットの上に優しく乗せるように、まさに「技」で外野席までかっ飛ばしていた選手でした。(たぶん私と同じような放物線フェチの方はずっと見ていられる動画だと思います…あ、こちら巨人時代の動画ですので、阪神ファンやその他アンチの方がおられましたらゴメンナサイ)

サッカー選手:中村俊輔

・次に、サッカー中村俊輔さんのフリーキック集。

バスケットボールプレイヤー:富永啓生

・次は、いま注目のバスケットボールプレイヤー富永啓生選手のスリーポイントシュートが見られる動画。

ラグビー:日本代表 対南アフリカ戦

・最後に、伝説のラグビーワールドカップ、南アフリカ戦。カーン・ヘスケス選手がトライに至るまでの華麗なパスワークを。

 

いかがだったでしょうか。放物線が描く数々の感動と歴史。恐らくその中には放物線それ自身がもつアート表現に近い美しさが眠っていることは間違いないのではないでしょうか。

そんな空想に浸れる南砺バットミュージアム、ぜひ皆さんとご来館ください!(最後スポーツ特番みたいになった感…でも楽しかった)

(マウス)

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