名古屋の中心から発信する創造的かつ多様な社会の実現について 愛知県美術館

愛知県

こんにちは。フランス美術から江戸の至宝、はたまた最新の現代アートまで、多様な美術館が立地している愛知県いかがだったでしょうか。最後は県立美術館をご紹介して終わりたいと思います。

本稿以降はいよいよ近畿以西(後ほどゆっくりご紹介するすっ飛ばした4県ほどを除いて)です。早いですね。全国の美術館紹介が一巡したら何を発信していこうかと近ごろは考えているマウスです(まあ色々あるのはありますが…)。では早速。

このブログで紹介する美術館

愛知県美術館

・開館:1992年 ※1955年開館の愛知県文化会館美術館が前身です。2019年にリニューアル。
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県観光協会より転載)

・場所
愛知県美術館 – Google マップ

名古屋の中心から発信する創造的かつ多様な社会の実現について

・名古屋市の中心街にある愛知芸術文化センター8階、10階にある美術館。8階は、展示室10室を有し面積は県内最大規模の(計3,113㎡)。10階は、大小8つの性格の異なる展示室を有する。パブロ・ピカソ、アンリ・マティス、グスタフ・クリムトを始め、梅原龍三郎、安井曾太郎、横山大観、菱田春草など、国内外の20世紀美術を中心に収蔵。また、名古屋の著名な美術品コレクターである木村定三から、浦上玉堂や与謝蕪村などの江戸絵画、小川芋銭や熊谷守一などの近代日本絵画、更には陶磁器、仏教彫刻、考古遺物など、重要文化財3件(6点)を含む約3000点を寄贈、20世紀美術に留まらず、古今東西を網羅する総合美術館となっている。

→2019年にリニューアルオープン。
館長メッセージ…準備中になってました。(また更新され次第こちらにもアップしておきます)
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/about/message.html

なお、2022年まで館長はキュレーターの南雄介氏が務められました。愛知県立芸術大学の客員教授としてコメントが載っていましたので、こちらを掲載しておきます。

(略歴)
・1959年生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了(西洋美術史専攻)、東京都美術館学芸員、東京都現代美術館学芸員、国立新美術館主任研究員、学芸課長、副館長を経て、2017年4月から2021年3月まで愛知県美術館館長をつとめる。
(コメント)
・2017年から4年間、愛知県美術館の館長をつとめましたが、その前は東京のいくつかの美術館で長らく学芸員として、日本の現代美術に関わる展覧会、そしてシュルレアリスムを中心とする欧米の20世紀美術を扱った展覧会を、主として企画・担当してきました。

キュレーターの仕事は、批評家、著述家、ドキュメンタリスト、展示デザイナー、編集者など、さまざまな要素を含んでいます。また、作家、所蔵家、観客、スポンサーなど、さまざまな立場の人たちの希望や利害を調整する必要もあります。限られた経験ではありますが、こうした仕事から得たことを、整理してみたいと思っています。

→「さまざまな立場の人たちの希望や利害を調整する必要」…中部圏、大都市:名古屋の中核美術館の館長として色々とご苦労いただいたことがこの一文でわかりました。お疲れさまでした。新館長さんにも期待です。

主なコレクション

<浦上玉堂(木村定三コレクション含)>

※画像はGoogle Arts&Cultureから転載
https://artsandculture.google.com/asset/%E5%B1%B1%E7%B4%85%E6%96%BC%E6%9F%93%E5%9B%B3/HgHxUw0b7jptJw?hl=ja

※文化遺産オンラインHPより転載(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/150678

<与謝蕪村>

※文化遺産オンライン(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/81796)より転載

※以上3点が重要文化財です。

他、国内外の20世紀美術を中心に多種多様なコレクションを収蔵されています。詳しくは以下の公式検索サイトをご利用ください。
〇愛知県美術館コレクション検索サイト:http://jmapps.ne.jp/apmoa/

(付録)木村定三とは

・1913(大正2)年3月1日、名古屋の肥料米殻仲買を生業とする家に生まれる。書画骨董に関心を寄せた父と兄の影響を受けながら育つ。

・1929(昭和4)年、旧制熱田中学校を卒業、第八高等学校文科甲類に入学し、1932年同校を卒業、東京帝国大学法学部に進む。同大学在学中の1935年に官僚への道が約束される高等文官試験行政科に合格するも、翌年法学部政治学科を卒業すると直ちに名古屋に戻り家業に従事。

・1966年には新納屋橋ビルを建設し、大名古屋建物株式会社の社長に就任。美術コレクションの幅は中国北魏の彫刻から現代の作品にまで及んだが、とりわけ38年に名古屋丸善の画廊で開かれた熊谷守一の日本画の個展で強い感銘を受け、以後熊谷の芸術を賞揚し続ける。“法悦感”と“厳粛感”を第一義とする独特の芸術観を持ち、両者を兼ね備えた画家として熊谷を、また前者を代表する画家として小川芋銭、次いで池大雅を、後者の画家として浦上玉堂を第一とし、与謝蕪村がそれに続くとした。晩年には与謝蕪村「富嶽列松図」、浦上玉堂「山紅於染図」等の重要文化財、また熊谷守一、小川芋銭の作品を含む近世・近代の作品140点、北魏石仏等古美術品16点、考古工芸資料177件を愛知県美術館に寄託、さらには寄贈することを決め、これを記念し同館にて2003(平成15)年「時の贈りもの―収蔵記念 木村定三コレクション特別公開」展が行なわれたが、その開催を目前にして逝去。同館では展覧会開催後に木村定三コレクション室を設け、寄贈品を常時公開。享年89歳。

→本ブログでも取り上げました熊谷守一氏、日本を代表するコレクター木村定三さんも感銘を受けていたのですね。そういえば再掲ですが、以下の猫の絵は愛知県美術館の木村定三コレクションにあるのでした。
※愛知県美術館HPより

 

…いかがだったでしょうか。自動車という一大産業が発達した愛知県ですが、豊田市美術館はじめ近年評判や話題性の高い展覧会を開催している館も増えており、文化の面からも日本を代表するエリアになりつつあると感じます。そんな愛知県はじめ、岐阜、三重と中部エリアの美術館、趣向は違えど、各々1本筋の通った館ばかりだと感じました。

次回からはいよいよ関西です。どんな美術館が待っているのでしょうか。引き続き本ブログ「絵本と、アートと。」をよろしくお願いします。

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