作家が最後の22年間を過ごした地に開館、世界で最初の絵本美術館 東京:ちひろ美術館・東京

東京都

こんにちは。今日は長野県でご紹介した安曇野ちひろ美術館の姉妹館です。

 ところでこの安曇野ちひろ美術館、いわさきちひろさんが戦後、両親と開拓農民として暮らした土地に縁があり開館しましたが、このように戦時時の疎開先や戦後の居住地として求めた土地に最終的に縁があって作品を寄贈、最終的に美術館を開設した例というのは先日ご紹介した長野県立美術館(東山魁夷館)もそうでしたね。

 もしかしたら、戦争という不安な状況の中、迎え入れてくれた土地に対しての恩というのを人は一生忘れないのかもしれないなーと感じている今日この頃です。(私たちも東日本大震災やコロナ禍を経験しましたが、もしかしたら似たような経験…第二の故郷に対する想いを持っている人も読者の方の中にはいらっしゃるかもしれませんね)

 それでは、そんないわさきちひろさんの美術館、早速みていきましょう。

このブログで紹介する美術館

ちひろ美術館・東京

・開館:1977年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、都、観光協会HPより転載)

・場所 ちひろ美術館・東京 – Google マップ

作家が最後の22年間を過ごした地に開館、世界で最初の絵本美術館

・東京の練馬区下石神井にある美術館。いわさきちひろ氏が最後の22年間を過ごし、数々の作品を生み出した自宅兼アトリエ跡に建てられました。 1977年、ちひろ氏の死から3年後、世界で最初の絵本美術館としていわさきちひろ絵本美術館(現 ちひろ美術館・東京)が開館。2002年に公開スペースを大幅に増やし、全館バリアフリーの建物に生まれ変わりました。

 ちひろ氏愛用のソファに座って絵を観ることができる展示室、復元されたアトリエ、ちひろ氏が愛し育てた草花や樹木が植えられた「ちひろの庭」など、ちひろ氏を身近に感じながら、ちひろの作品や世界の絵本画家の作品を楽しむことができます。

 ちひろ美術館は、子どもたちが人生で初めて訪れる美術館「ファーストミュージアム」として親しんでいただけるよう、親子で楽しめる展覧会やイベントを随時開催し、あかちゃんや小さいお子さんといっしょに安心して過ごせる館内設備を整えています。

また、安曇野ちひろ美術館同様に「絵本カフェ」を併設し、展覧会を観た後に絵本を楽しんだり、中庭を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができます。

絵本カフェ

 

ファーストミュージアムとは

・子どもたちが人生で初めて訪れる美術館のこと。ちひろ美術館では親子で親しんで安心して過ごせるよう以下のような館内設備を整えています。

1)子どもも見やすい展示 作品の中心は床から135cm。大人と子どもがともに作品を楽しめるよう展示。
2)絵本カフェおいしくて身体にもやさしいメニューと絵本を、季節や展示にあわせて用意。
3)安心の館内設備 全館バリアフリーで、授乳室完備。男性用トイレを含む、すべてのトイレにベビーキープとベビーシートを設置。また、国内外の絵本約3,000冊をそろえた「図書室」や、あかちゃんや小さい子ども向けの絵本を楽しんだり、木や布のおもちゃで遊ぶことのできる「こどものへや」があります。 「こどものへや」の中には授乳室があり、流し台と授乳用のソファ、授乳クッション、ベビーシートを設置。「こどものへや」のトイレには小さい子ども用の補助便座を置いています。トイレ内の洗面台は高さが70センチで、小さいお子さんも手が洗いやすい設計にされています。

こどものへや

図書室

いわさきちひろとは

・1917年生まれの画家、絵本作家。本名は松本知弘。東京府立第六高等女学校在学中に岡田三郎助に師事、のち中谷泰に油絵を学ぶ。1946年日本共産党に入党、松本善明と結婚。初め紙芝居をかき,童画のグループに参加して『花の童話集』 (1966) など若い人向きの絵本をかく。やわらかい線とにじんだ美しい色彩で人気を呼び、その画法が絵本『あめのひのおるすばん』 (1968) に結晶、以後、画面が語り訴える絵本を数多く生む。東京、下石神井の「いわさきちひろ絵本美術館 (1997年,ちひろ美術館に呼称変更) 」や長野県の「安曇野ちひろ美術館」に作品や一般の絵本などが展示されている。

(関連)
佐賀県立博物館・美術館(高等女学校在学中の師:岡田三郎助のコレクション)

主なコレクション

→いかがでしょう。2023年のいま見てもいわさきちひろさんのこの世界観はオリジナル性に溢れ、このような水彩の世界、淡く柔らかなタッチで描きながら独自の世界観を出した作家さんは後にも先にもいわさきちひろさんだけのような気がします。他にも、いわさきちひろさんの絵は「ページをめくるたびに心が洗われていくような美しい表情を持つ挿絵は、子どもたちの感情をすくい取ったよう。」という口コミも多くあります。まさに的確な表現だと思います。

ちひろ美術館・東京は、2ヶ月ごとに展示替えされているようです。現在ではいわさきちひろさん以外にも35の国と地域、211名の画家の作品約27,400点を収蔵しているようですので、いつ行っても新しい原画や絵本に出会える美術館です。ぜひ親子で来館されてみてはいかがでしょうか。

 

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