東京ミッドタウン内の緑地に立地、日常的なできごとやものごとに改めて目を向け、デザインの視点から発信・提案を行っていく場 東京:21_21 DESIGN SIGHT

東京都

こんにちは、マウスです。
 今日ご紹介する美術館、東京都港区赤坂、東京ミッドタウン内の緑地「ミッドタウン・ガーデン」に位置するデザインを主体とする現代アートの美術館です。

 実は私にとってもこの美術館、非常に所縁ある美術館です。もちろん何度も足を運んだ美術館ということもあるのですが、実は私が大学で卒業展覧会をした場所が「HIGURE17-15cas」という東京都荒川区西日暮里にあるコンテンポラリーアートスタジオだったのですが、そこのオーナーさん、実はこの美術館の施工に関わった方でした。その方から色々と六本木のアート事情、建築談義をしていただいたことは今でも良い思い出です。

(参考:コンテンポラリーアートスタジオ HIGURE17-15cas…今でも積極的に若手アーティスト支援を行っているようですね)
〇サイトURL:http://higure1715cas.com/#top
〇展覧会ブログ:https://hgrnews.exblog.jp/

…そんなマウス的にも思い出深い美術館、早速見ていきましょう。

このブログで紹介する美術館

21_21 DESIGN SIGHT

・開館:2007年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、都、観光協会HPより転載)

・場所:21_21 DESIGN SIGHT – Google マップ

東京ミッドタウン内の緑地に立地、日常的なできごとやものごとに改めて目を向け、デザインの視点から発信・提案を行っていく場

・デザインを通じてさまざまなできごとやものごとについて考え、世界に向けて発信し、提案を行う場として創設。デザイナーをはじめ、エンジニアや職人、企業、一般ユーザーなど、あらゆる人々が参加し、デザインについての理解と関心を育てていくことを目指しています。

 21_21 DESIGN SIGHTでは「日常」をテーマにした展覧会を中心に、トークやワークショップなど多角的なプログラムを通じて、訪れる人がデザインの楽しさに触れ、新鮮な驚きに満ちた体験をすることを狙いにしています。これらの展覧会のディレクターの多くをデザイナーが務めているのも特徴です。

 デザインは生活を楽しく、豊かにし、思考や行動の可能性を広げてくれるものとして捉え、目に見える部分だけでなく人とモノ、人と人との関係性もつくっていっています。21_21 DESIGN SIGHTのHPでは「文化としてのデザインの未来を発見し、つくっていく拠点」と紹介されています。

名称とシンボル

・英語の優れた視力を「20/20 Vision (Sight)」と表現することに由来。21_21 DESIGN SIGHTの名称は、さらにその先を見通す場でありたいという思いからつけられています。SIGHTはデザインの「視力」であり、ものごとの見方、見ることの大切さを表現。読み方は「トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト」だそうです。(←すいません!いま知りました)

 21_21 DESIGN SIGHTでは一枚の鉄板からつくられたプレートをシンボルマークとして、「プロダクトロゴ」という独自の名称で呼んでいます。住居表示板のようなデザインは、この施設がデザインの「場」であることを示しています。また日常生活の中で意識せずに目にするイメージを用いることで、日常に潜む可能性をデザインによって引き出すという21_21 DESIGN SIGHTのコンセプトを表現しているそうです。

 21と21の間は人間の目の幅になっており、21_21 DESIGN SIGHTがデザインの「視点」であり、ものごとを真摯に見つめることの重要性を表しています。

創設のきっかけ

・三宅一生氏が、1980年代から、日本にデザイン文化の拠点となるデザインミュージアムをつくる必要性を強く感じ、イサム・ノグチ氏、田中一光氏、倉俣史朗氏、安藤忠雄氏らさまざまなジャンルのクリエイターとその重要性と可能性について語り合ってきたことが源流。

三宅氏は2003年1月、朝日新聞に「造ろうデザインミュージアム」と題した一文を寄稿し、大きな反響を呼びます。この寄稿がきっかけのひとつとなり、三井不動産ほか多くの賛同者からの協力を得て、2007年3月、東京ミッドタウンに21_21 DESIGN SIGHTが始動します。

以来、3人のディレクター 三宅一生氏、佐藤卓氏、深澤直人氏と、アソシエイトディレクター:川上典李子氏が常に検討を行い、展覧会をはじめとする様々なプログラムを開催しています。

 2017年3月、開館10周年を機に、新たなスペースとなるギャラリー3が誕生。また、佐藤卓氏が館長に就任し、より多角的かつオープンな状況で、デザインと社会の関わりについて探り、問いかける活動を続けています。

(参考:三宅一生氏の新聞投稿…バブル崩壊から10年経過した時点ということを念頭に読んでみて下さい)

→いかがでしょう。良い文章ですね。本当は全文写経したいくらいですが、三宅氏が途中述べられている「独創的なアイデアや技術、それにカタチを与えるデザインに対し、今の日本人はあまりにも無頓着だ。~(中略)~わが国の貧しさは物質的なものではなく、精神的な自身のなさに由来している。」

→2007年、世界を一変させた1つの電子機器が発売されましたね。そう、「iPhone」です。

 三宅氏が懸念していたことが現実になった形です。そして単に「iPhone」が売れただけではなく、それを筆頭に半導体やテクノロジー、そして何よりデザイン(経営戦略・商品戦略も含め)が大事な時代が到来しています。その中で日本が一体どれだけ変われているかは私なんぞでは分かりませんが、三宅氏の懸念は更に奥深い状況をつくり出しそうな気配はありそうです。

また、三宅氏の最後のコメントも印象的でした。
「デザインには悲しみはそぐわない。デザインには希望がある、そして、デザインは驚きと喜びを人々に届ける仕事である。」

(参考)三宅一生とは

・1938年、広島生まれのファッションデザイナー。革新的なコンセプトや素材,造形を導入したデザインで、ファッションのみならずアートの世界にも大きな影響を与えた。7歳のときに広島に投下された原子爆弾により被爆。多摩美術大学でデザインを学んだのち、1965年にパリに渡り、洋裁組合学校を経て、ギ・ラロッシュ、ユベール・ド・ジバンシー、ジェフリー・ビーンのもとで修業を積む。

 1970年、三宅デザイン事務所を設立、翌1971年にニューヨーク、1973年にパリのコレクションに参加。人間の体や動き、布との関係性を追求し、高い機能性と着心地のよさ、美しさを兼ね備えた前衛的なファッションを提案した。

 代表作として、特殊加工による細かなひだが特徴の「プリーツ・プリーズ」(1993)、チューブ状の生地に購入者が自身ではさみを入れて服を仕上げる「A-POC」(1998。A Piece of Clothの略)のシリーズほか、小さな三角形のピースで構成された幾何学模様のバッグ「バオバオ」(2010)、折りたたむと平面になるようプレスし切り込み線の位置を工夫した洋服「132 5.」(同)がある。

 また,フレグランスの部門でもブランド展開。アップル創業者のスティーブ・ジョブズが特注・愛用した黒のモックネックのカットソーでも有名になった。内外の美術展に積極的に作品を出展したり企画に参加したりしたほか、2016年には国立新美術館で全仕事を紹介する回顧展が大々的に開催。1977年毎日デザイン賞、1990年ヒロシマ賞(第1回)、1991年フランス芸術文化勲章コマンドール、1992年朝日賞、1993年フランスのレジオン・ドヌール勲章シュバリエ、1997年紫綬褒章、1998年文化功労者、2005年高松宮殿下記念世界文化賞(彫刻部門)、2010年文化勲章、2016年レジオン・ドヌール勲章コマンドールなど受賞・受章多数。

プリーツ・プリーズ

A-POC

バオバオ

132 5.

→いかがでしょう。「デザインには希望がある、そして、デザインは驚きと喜びを人々に届ける」と語った三宅氏。サンダル、ジャージでコンビニに行く私:マウスとしては、「明日外出の時に着てみよ♩」と決して言える服ではありませんが、希望・驚き・喜びを十分に感じ取りました。

 そんなデザインの素晴らしさに出会える「21_21 DESIGN SIGHT」、おすすめです。ぜひ一度足を運んでみて下さい。(なお、いま開催している展覧会などは以下のURLから覗くことができます)
・GALLERY1&2:https://www.2121designsight.jp/program/
・GALLERY3   :https://www.2121designsight.jp/gallery3/
・DOCUMENTS  :https://www.2121designsight.jp/documents/

 

(マウス)

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