こんにちは、マウスです。現在香川県をご紹介しています…と言っても直島を連続でご紹介している昨今です。国内でも香川県はアート施設が多い県だと既にお伝えしました。恐らくそのうち半数は直島が占めており、今や香川県や瀬戸内のみならず日本や世界において直島は現代アートにおいて重要な地位をしめようとしていると言っても過言ではないでしょう。
そんな直島、世界的な日本人建築家のミュージアムもちょうど10年ほど前に完成しました。(2013年頃、結構多くの施設が直島中心にオープンしています)
安藤忠雄…たぶん美術や建築に詳しくない人でも一度は聞いたことがある名前だと思います。それでは早速。
このブログで紹介するアート施設
ANDO MUSEUM
・開館:2013年
・美術館外観(以下画像は施設HP、県・観光協会HPより転載)
→一見は普通の民家に見えますが…
築100年の木造古民家に打ちっぱなしのコンクリート展示空間
・本村地区に残る築約100年の木造民家の中に新しい命を吹き込んだ安藤忠雄の設計による打ち放しコンクリート空間。過去と現在、木とコンクリート、光と闇。対立した要素が重なり合う、小さいながらも安藤建築が凝縮された空間となっています。安藤忠雄の活動や直島の歴史を伝える写真、スケッチ、模型だけではなく新たに生まれ変わった建物と空間そのものを楽しむことができるミュージアムです。
安藤忠雄とは
(一応詳しく知らない方のために説明しておきます)
・大阪府生まれの建築家。工業高校を卒業後、プロボクサーを経て独学で建築を学ぶ。1960年代に日本一周の旅行と二度のヨーロッパへの旅を行い、さまざまな建築を体験する。1969年(昭和44)安藤忠雄建築研究所を設立。1976年、住吉の長屋を発表し、注目を浴びる。この住宅の特徴は、外部に対して閉ざされた箱を思わせるコンクリート打放しの壁や、部屋を移動する際に屋根のない中庭を通らないといけない平面の構成である。基本的なデザインは、ル・コルビュジエやルイス・カーンLouis I. Kahn(1901―1974)に代表される良質なモダニズムを継承したものと評されている。一方、この住宅では雨の日には傘をさしてトイレに行かなければならないことが大きな話題となり、近代的な素材に明快な幾何学的秩序を与えながら、必ずしも機能的とはいえない動線は、近代を乗り越える試みとして考えられている。
1980年代には、傾斜した地形を生かした六甲(ろっこう)の集合住宅(1期:1983、2期:1993、3期:1999)や川と連続させたタイムズ(1期:1984、2期:1991)など、自然と建築を巧みに調和させた作品によって、建築界において不動の地位を確立。当初の仕事は、住宅と商業施設を中心にしていたが、1980年代末から兵庫県立こどもの館(1989)や姫路文学館(1991)などの公共施設を手がける。その結果、作品のスケールが大きくなり、小規模の住宅で行っていたデザインがバロック的に展開。大胆な開口、劇的な光と水の効果、大階段、地下に掘り下げられた空間などが洗練される。壮大な規模の淡路(あわじ)夢舞台(1999)は、安藤の建築手法の集大成として位置づけられる。
一般的にコンクリートの壁の建築家として理解されているが、1990年代から木を積極的に使う建築も始める。最初の本格的な木造は、セビリア万博の日本館(1992)で、これは間口60メートル、奥行き40メートル、高さ25メートルの世界最大級の木造となった。集成材を使いながら、日本の伝統建築がもつ木組の構成美を感じさせ、規格化された材料により合理的なプレハブ化を行い、日本の伝統を現代の技術で再構成している。その後、豪快な木の殿堂(1994)や繊細な南岳山光明寺(2000)などを実現し、木によるさまざまな表現の可能性も追求。
世界的な建築家として認知されるが、海外から評価される場合、装飾を排した禁欲的なミニマリズムや自然との関係から、禅の庭や茶室など、日本の伝統に言及されることも多い。1990年代後半からは、フォートワース現代美術館やピノー現代美術館などのコンペに勝ち、海外のプロジェクトが増え、実作も手がける。また、エール大学、コロンビア大学、ハーバード大学にて客員教授をつとめ、1997年(平成9)には東京大学教授となった(2003年退官)。兵庫県立美術館(2002)は、大きく張りだした庇(ひさし)とガラスに包まれたコンクリートの箱をもち、新しいデザインの方向性を示す作品。
建築界にとどまらず、社会的な影響力をもつ数少ない建築家で、メディアを通じて積極的に発言も行い、1995年の阪神・淡路大震災の後、緑を増やすグリーンネットワークの植樹運動を開始、その輪を広げている。建物を設計するのではなく、社会改良家としての側面もみせており、2001年9月のアメリカ同時多発テロによって破壊された世界貿易センタービルの跡地についてはビルを再建せず、球体の一部から構成されるランドスケープをつくり、記憶を継承するモニュメントを提案。日本建築学会賞、日本芸術院賞、吉田五十八(いそや)賞、プリツカー賞、イギリス王立建築家協会ゴールドメダル、アルバ・アールト賞などを受賞。アメリカ建築家協会名誉会員、イギリス王立建築家協会名誉会員、フランス建築アカデミー名誉会員。2003年(平成15)文化功労者。そのほかのおもな建築作品に光の教会(1989)、大阪府立近(ちか)つ飛鳥博物館(1994)、直島コンテンポラリーアートミュージアム(1995)など。著書に『安藤忠雄の都市彷徨』(1992)、『建築を語る』(1999)、『連戦連敗』(2001)、『建築に夢を見た』(2002)などがある。
安藤忠雄の都市彷徨
建築を語る
連戦連敗
建築に夢を見た (NHK人間講座)
※少し古いですが、このあたりはまだ購入可能のようです。
館内の様子
・百聞は一見に如かずですが、外観から見た雰囲気とは全く違うところが面白い点です。
(マウス)
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