Art✕Human、あらゆるアートをあらゆる人に 大阪:あべのハルカス美術館

大阪府

メリークリスマス!…と言ってもこの投稿は1ヶ月以上前に書いているマウスですので、まだまだ実感わいていないのですが、これが発信される頃にはこの超高層複合ビルで過ごしている人たちもいるかもしれませんね。通称「ハルカス」。高さは300mで、2022年時点では日本で最も高いビルです。2010年に開業し今でも何かと観光や話題にあがることも多いこのエリアに新しく美術館ができたのは2014年、駅に直結し夜8時まで開いていることでも知られています。そんなナイトミュージアムも楽しめる空間、それでは早速。

このブログで紹介する美術館

あべのハルカス美術館

・開館:2014年
・美術館内・外観(以下画像は美術館HP、府・市観光協会より転載)


・場所
あべのハルカス美術館 – Google マップ
→天王寺駅直結、あべのハルカス16階に位置しています。

Art✕Human、あらゆるアートをあらゆる人に

・人とアートが気軽に、かつ深くふれあえる拠点となるような美術館を目標に運営されています。所蔵品はもっていませんが、駅直上、さらには百貨店、オフィス、ホテルや展望台などを擁する複合ビル内に位置するメリットを最大限に活かし、幅広いライフスタイルや感性をもつ人々と、幅広い時代やジャンルのアートをつないでいく役割を担います。あらゆる人とあらゆるアートが集結、交差し、そこから新たな美と創造力が起ちあがるミュージアムを目指す姿としています。

コンセプト

①ターミナル立地にふさわしい誰もが気軽に芸術・文化を体験し、楽しめる「都市型美術館」をめざします。
②国宝や重要文化財の展示も可能な本格的な施設として、上質で快適な鑑賞の場を提供します。
③近鉄沿線の文化財をはじめ、日本・東洋美術、西洋美術、現代アートまで、多彩な展覧会を開催します。

ロゴマーク

・モチーフはABENOおよびARTの“A”と、HARUKASおよびHUMANの“H”。丸みのある親しみやすいかたちには、「あらゆるアートをあらゆる人に楽しんでいただけるミュージアムでありたい」という願いをこめているそうです。“A”と“H”が寄り添っているようにも見えるデザインは、“ArtとHumanが交わるところにこそ、Museumは生まれる”といったあべのハルカス美術館のコンセプトも表しています。

展覧会情報

・新国立美術館のように(まだご紹介していないですが)、所蔵品を持たず展覧会に特化した美術館のようです。そんな美術館も今後は増えてくるかもしれません。いかはあべのハルカス美術館の展覧会情報URLです。
〇あべのハルカス美術館 展覧会情報:https://www.aham.jp/exhibition/future/

(付録)あべのハルカスとは

・関西のランドマーク的な存在ですのでそのエリアの方はもう散々聞いたかもしれませんが、この「あべのハルカス」の由来ご存知でしょうか。まず「あべの」はこの高層ビルが建っている場所「大阪市阿倍野区」からきています。(よく当時の総裁の名前からではないかとどよめきが起きたものですが違います)

そして「ハルカス」、これは日本のいにしえから伝わる言葉「晴るかす」からとられました。これは伊勢物語の第九十五段に登場します。

「いかで物ごしに対面して、おぼつかなく思ひつめたることすこしはるかさん」
(現代語訳:おぼつかなく思ひつめたること、すこしはるかさむ 気が気でなく思い思いしてきたこの胸の思いをあなたに打ち明けて晴らしたいと思います。角川文庫「新版伊勢物語」)

つまり、晴るかすは「人の心を晴らす、晴れ晴れとさせる」という意味で使われ、「あべのハルカス」は私たち日本人が持っている感性とことばをヒントに、来訪者に超高層建築ならではの爽快感や多彩で充実した施設による晴れ晴れとした心地よさを味わっていただきたいというコンセプトで建てられたそうです。

(付録)超高層ビル 一覧

・少し楽しくなってきたので付録の付録で、超高層ビルのランキングを一部ご紹介。高さ300mで日本一高いあべのハルカスですが、他、国内のビルの高さランキングは以下の通りとなっています。
1.あべのハルカス 高さ:300m(大阪)
2.横浜ランドマークタワー 高さ:296m(横浜)
3.SiSりんくうタワー 256.1m(大阪)
4.大阪府咲洲庁舎(さきしまコスモタワー) 高さ:256m(大阪)
5.虎ノ門ヒルズ 森タワー 高さ:255.5m(東京)

なんとトップ5に大阪が3つも入っています;
これもお国柄…ある意味でビジネスの象徴としての高いもの好きな大阪の県民性を表しているのかもしれませんね。(注:Tokyo Station Building Bが2027年に390mの高さで日本一になるとも言われています)

ちなみに、これを東南アジアにまで広げると結構驚きのランキングになります。
1.China Gate 高さ739m(中国)
2.Suzhou Zhongnan Center 高さ729m(中国)
3.CTF Wuhan 高さ648m(中国)
4.Wuhan Greenland Center 高さ636m(中国)
5.Shanghai Tower 高さ632m(中国)
6.Merdeka PNB118 高さ630m(マレーシア)
7.Rama IX Super Tower 高さ615m(タイ)
8.Tradewinds Square Tower A 高さ608m(マレーシア)
9.Lanco Hills Signature Tower 高さ604m(インド)
10.Ping An Finance Center 高さ599m(中国)

もはや時代は600m台に突入しているようです。トップ10のうち中国が6つも入っているのに驚きです。(もちろんお国柄、地震多い少ないの影響が大きいとは思いますが、日本の300mって実は世界の高層ビルランキングではトップ100にも入りません)

ただこういう高層ビルは周囲の建築環境(他に同じくらいの高さの建造物がないか、山や川など自然の情景が見えるか、空気の透明度など)によって展望ブースからの眺望は変わるかと思いますので、あべのハルカスが持つ「人の心を晴らす、晴れ晴れとさせる」コンセプトは今後も生き続けるのではないかと個人的には思います。

ということでクリスマスの日の投稿、皆さんもそんな想いをめぐらせながら大阪のランドマークを見つめてみて下さい。

追記
実は、このあべのハルカス、天王寺という場所に近いこともあって、「平成の通天閣」とも言われています。明治45(1912)年に開業した初代通天閣、(1943年に火災で焼失して現在は2代目となっていますが)当時日本一の高さ75mを誇りました。僅か100年でその高さを500m以上も引き上げてきた人類の文明の進化、人間の欲望というのは良くも悪くもなかなかのパワーがありますね。。

そんな高さ競争ではなく、それこそ「人の心を晴らす、晴れ晴れとさせる」というコンセプトを打ち出したこれまた近鉄所有のあべのハルカス。設計者の竹中工務店も含め、先見の明があるなと感じました。

(マウス)

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