国宝:姫路城下に立地、姫路陸軍兵器支廠の西倉庫として建てられた明治期煉瓦造りの傑作 兵庫:姫路市立美術館

兵庫県

兵庫県姫路市、県内第二位の人口を擁し、国宝姫路城を持つ県西観光の玄関口です。そんな姫路市、かつては城下周辺に軍関係の拠点が立地する軍都だったのはご存知でしょうか。その中でも美しい赤煉瓦造りで120年以上の歴史を持つ建物が今日の舞台です。それでは早速。

このブログで紹介する美術館

愛媛県美術館

・開館:1983年
※但し、建物は1905年に姫路陸軍兵器支廠の西倉庫として建設されたものです。

・美術館外観(以下画像は美術館HP、県・市観光協会より転載)

→背景に姫路城が見える…

・場所
姫路市立美術館 – Google マップ

国宝:姫路城下に立地、姫路陸軍兵器支廠の西倉庫として建てられた明治期煉瓦造りの傑作

・昭和58年(1983年)、「市民の美術文化の高揚を図る」ことを目的に開館。国の登録有形文化財である煉瓦造りの建物を器に、郷土ゆかりの美術をはじめ、国内外の近現代美術の名品を収集しています。絵画、彫刻、写真、ポスター、工芸、刀剣など3700点余りの作品を所蔵。また、コレクションギャラリーでは無料で多様な所蔵品を紹介しているほか、庭園には13点の屋外彫刻、また國富奎三コレクション室ではコロー、ピサロ、モネ、ルオー、ユトリロ、マティスなどのフランス近代美術の名品を常設展示。

※國富奎三とは…昭和13(1938年)、岡山県総社市生まれ。朝日高校、日本医科大学卒。岡山大学医学部講師などを経て昭和47(1972年)、姫路市に國富病院(現・國富胃腸病院)を開設。

建物は、明治38年(1905年)に陸軍省技官の宮本平治・井田熊吉氏の設計により、姫路陸軍兵器支廠(後、第10師団兵器部)の西倉庫として建てられ、大正5年(1916年)被服倉庫が増築されたもの。戦後は、姫路市役所として運用され、昭和55年(1980年)に市庁舎の移転に伴い美術館に転用。昭和58年(1983年)、博物館としてリニューアル開館し、「第1回兵庫県緑の建築賞」、「環境色彩10選、公共の色彩賞」を受賞。平成15年(2003年)には国の登録有形文化財に登録。国宝・世界遺産姫路城の特別史跡地内にある姫路市立美術館は、城を背景とする赤レンガの館と彫刻のある庭園との美しい景観が特徴です。

→姫路って明治時代からお城の周辺に第10師団がおかれるなど軍都だったのですね。知らなかったです。ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、第10師団というのは戦前の大日本帝国陸軍師団の一つで、主な戦役にはほぼすべて参加した部隊です。そんな師団の拠点が今や美しい白鷺:姫路城下の文化施設になっているというのは不思議な縁に感じます。なお、姫路市は関東大震災で東京が甚大な被害を受けた際も、首都移転の候補地に挙がったほどで、昔から重要な拠点として発達したのですね。もしかすると姫路城、1580年に羽柴秀吉が姫路城の城主となって以降、天下統一を成し遂げる礎となったお城ですからそういったことにもあやかって姫路が軍都になったのかもしれませんね。

収集方針

①郷土ゆかりの美術家の優れた作品および郷土の歴史・風物等に関する美術作品
②日本の近現代美術
③ベルギーなど海外の近現代美術

→ベルギーの近現代美術というのはユニークですね。美術館PICK UPアーティストも含めコレクションの総覧はこちらからご覧いただけます(→http://jmapps.ne.jp/hmgsbj/

そんな姫路城の歴史を解りやすく解説しているブログもありました。(https://tanosu.com/trip/41974/

国宝:姫路城、他は彦根城(滋賀県)・松本城(長野県)・松江城(島根県)・犬山城(愛知県)の計5基がお城では国宝に指定されていますが、姫路城はそれらに先駆けて、1993年(平成5年)に奈良の法隆寺とともに、日本で初の世界文化遺産となっています。それくらい、恐らく日本で知らない人はいないというくらい有名なお城ですが、足を運ばれた際はその同じ姫路公園内に歴史ある美しい赤煉瓦の美術館があることをぜひ覚えておいていただけたらと思います。

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