竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージした建築を有する中之島のアート基地 大阪:国立国際美術館

大阪府

こんにちは。大阪は美術館が少ない(事実、都道府県立美術館がないのは大阪だけです)と言いながらも、個性ある魅力的な美術館をいくつもご紹介してきました。今日ご紹介する美術館もこれまた中之島(そういえば大阪って天王寺か中之島ばかりですね…)に位置し、恐らく府内外の人にとって最も訪れたことがある国立の美術館だと思います。こちらコレクションを有する国立館としては唯一現代美術を取扱う館です。それでは早速。

このブログで紹介する美術館

国立国際美術館

・開館:1977年 ※2004年に移転、リニューアルオープン
・美術館外観(以下画像は美術館HP、府・市観光協会より転載)

→2004年にリニューアル、アルゼンチンの建築家:シーザー・ペリが設計。代表作にワールドフィナンシャルセンター、ワン・カナダ・スクウェア、ペトロナスツインタワー、国内ではヒルトン福岡シーホーク(福岡市)、あべのハルカス(大阪市)など。[←あべのハルカスと同じ建築家だったんですね]

・途中記事から有料ですが、日経クロステックさんで過去の作品や特集がくまれていました:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00154/00620/

・場所
国立国際美術館 – Google マップ

竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージした建築を有する中之島のアート基地

・1977年、国内外の現代美術を中心とした作品を収集・保管・展示し、関連する調査研究及び事業を行うことを目的として開館。当時の建物は、1970年の日本万国博覧会開催に際して建設された万国博美術館を活用。
※当時の国立国際美術館

施設老朽化などに問題が生じてきたため、大阪・中之島西部地区に、完全地下型の美術館として新築、移転。現代美術を発信する美術館として従来の活動を継承しながら、よりいっそう国内外の美術の動向を幅広く紹介されています。建物は、竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージした外観デザイン。また、人と美術との交流を生み出すパブリック・ゾーンを設けるなど、より快適な鑑賞の場を提供できるよう工夫。歴史と文化を継承する中之島における新たな文化の拠点として、親しまれる施設となることを目指しているそうです。

主なコレクション

・日本国内での美術の展開と、世界の美術の動向の関連を明らかにすべく、1945年以後の国内外の現代美術を中心に収集。収蔵作品数は約8,200点超。なお、美術館が開館した1977年当時のコレクションはジョアン・ミロの陶板壁画などわずか14点からの船出だったとの事。(←国立館なのにこの事実は驚きでした)

その翌年、現代美術コレクターとして知られた化学者・実業家の大橋嘉一氏※1のコレクションの一部である828点が遺族から寄贈、関西を中心とした戦後美術の動向を捉えるコレクションの核となったそうです。

その後、国内外の戦後美術、特に現代美術の動向を意識した収集を積極的に行い、約400点を数える浜口陽三氏※2の版画と素描、900点を越える横尾忠則氏※3のポスター作品などをコレクションに加える。近年では、映像、パフォーマンスといった、戦後目覚ましく変化を続ける新しいジャンルの作品収集にも取り組んでいます。所蔵品は、地下2階展示室で開催するコレクション展を中心に公開。

(参考)国立国際美術館所蔵品検索:https://www.nmao.go.jp/collection/collection_search/

※1 大橋嘉一とは…滋賀県大津市出身の大橋嘉一氏は、京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)色染科を卒業し、昭和初期に大橋焼付漆工業所(現・大橋化学工業株式会社、大阪府)を創立、実業家・化学者として関西の財界で活躍した人物。

※2 浜口陽三とは…明治42年(1909年)、和歌山県有田郡広川町生まれ、千葉県銚子市育ちの版画家。ヤマサ醬油の11代浜口儀兵衛の三弟。東京美術学校彫刻科に入学するも、卒業を待たずに中退。昭和5年(1930年)渡仏、パリに長く滞在。第二次世界大戦のため一時帰国するが、1953年再びパリへ。1981年サンフランシスコに移住。独特のカラー・メゾチント技法のエッチングは国際的評価を受け、作品はニューヨーク近代美術館をはじめ、海外の美術館にも収蔵。1998年末東京に美術館、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションが開館。

※3横尾忠則とは…兵庫県生まれの画家,グラフィック・デザイナー。神戸新聞社、日本デザインセンターを経て独立。唐十郎の状況劇場、寺山修司の天井桟敷、土方巽の暗黒舞踏のポスターや雑誌のイラストなどを手がける。日本の大衆性や土俗性を濃厚に反映した反モダニズム色の強い作風により評価。1968年パリ青年ビエンナーレ展の版画部門大賞を受賞,1970年にはニューヨーク近代美術館で個展を開催。ニュー・ペインティングと呼応するような具象的な形態を通して,近代美術が捨象してきた〈魂〉の問題を追求、独特のコラージュ感覚を発揮した作品を発表している。

(付録)中之島の夜景

コレクション画像があまり載せられなかったので、大阪の最後に、関西の経済・文化における一大拠点、中之島の夜景を載せて終わりたいと思います。(実は中之島を調べる中で結構夜景の画像が多く出てきて、結構夜景スポットとしても人気のようですね)
そんなこんなで大阪を通過しいよいよ兵庫県へ、次はどんな美術館が待っているのでしょうか。(注:京都はまた後日)

※ブログ「夜景撮影記」OMMビル西側スカイガーデンより中之島の望む(https://cities-nightview.org/blog127) 

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