こんにちは。千葉県も見どころ満載の美術館多いですね。超写実絵画からアメリカ美術、銅版画まで幅広く見ることができます。(注:まだご覧いただいていない方は過去3記事見てみてください)
そんな千葉が誇る公立館の1つ、県庁所在地の名にふさわしいコレクションと企画展示を開催している美術館が存在します。今回はその館のご紹介です。では早速。
このブログで紹介する美術館
千葉市美術館
・開館:1995年 ※2020年7月、建物すべてを美術館として拡張リニューアルオープン。
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県・市観光協会HPより転載)
※本画像のみトラベルブックWEBサイトから転載(https://www.travelbook.co.jp/topic/17258)
・場所
千葉市美術館 – Google マップ
→千葉都市モノレール葭川公園駅下車。千葉駅からもすぐですね。ちなみに葭川公園と書いてヨシカワコウエンと読むそうです。
旧:川崎銀行千葉支店を改装、近世~近代日本絵画を特徴とする日本有数の美術館
・1995年11月3日に千葉市中心市街地の一角に中央区役所との複合施設として開館。美術館の建物は、市内に残る数少ない戦前の建物(旧川崎銀行千葉支店)を新しい建物で包み込むように設計され、歴史・文化を保存し、次世代へ繋げる美術館を目指しているそうです。
収蔵方針
①近世から近代の日本絵画と版画
②1945年以降の現代美術
③千葉市を中心とした房総ゆかりの作品
→元々、1985年に、自身も浮世絵研究家で、大阪の和菓子老舗「鶴屋八幡」の生まれであった今中宏氏の浮世絵コレクションを千葉市が購入したことが美術館建設のはじまりです。そのため浮世絵(特に渓斎英泉※)のコレクションは今でも日本で有数の規模を誇ります。
※渓斎英泉とは…江戸後期の浮世絵師。独力で浮世絵を学ぶ。退廃的な雰囲気をもった美人画には定評。著名な作品として、歌川広重とともに描いた『木曽海道六拾九次』シリーズなど。また、浮世絵師としては珍しく幾種かの著述を残しており、江戸時代の浮世絵師の伝記や来歴を記した著作「続浮世絵類考」は現在もなお評価が高い。
主なコレクション
近世から近代の日本絵画と版画
<鳥居 清倍>
<伊藤 若冲>
<喜多川 歌麿>
<歌川 国芳>
<葛飾 北斎>
<鈴木 其一>
<小原 古邨>
<鏑木 清方>
<曾我 蕭白>
<橋口 五葉>
<吉田 博>
<恩地 孝四郎>
1945年以降の現代美術
<吉澤 美香>
<杉本 博司>
<諏訪 直樹>
<宮島 達男>
千葉市を中心とした房総ゆかりの作品
<ジョルジュ・ビゴー>
<石井 林響>
<椿 貞雄>
<浜口 陽三>
千葉市美術館の企画展示
・実は千葉市美術館、コレクションも良いのですが、私のアート界隈の仲間内では企画展がかなり定評で恐らく中におられるスタッフの方々が相当にご尽力されているのではないかと感じます。皆さんもコレクションだけでなく、千葉市美術館の企画展示かなりお勧めなので観覧してみて下さい。(ちなみに過去の企画展示や今後の内容については以下のページから見ることができます。)
・千葉市美術館 展覧会内容:
2022年:https://www.ccma-net.jp/exhibitions/2022/
2021年:https://www.ccma-net.jp/exhibitions/2021/
2020年:https://www.ccma-net.jp/exhibitions/2020/
2019年:https://www.ccma-net.jp/exhibitions/2019/
2018年:https://www.ccma-net.jp/exhibitions/2018/
※1995年の開館当初まで遡ってみることができますが(意外とそんな館ってなかなか無いです)、とりあえず過去5年分を。開館当初まで載せているって相当企画展示も大切にされているという証ですね。
(付録)川崎銀行とは
千葉市美術館をもっと楽しんでもらうために、現在は市指定の有形文化財建造物となった建物を所有していた旧:川崎銀行について少しご紹介しておきます。
<川崎銀行とは>
・水戸藩勘定方であった川崎八右衛門が1872年に東京に進出、川崎組を設立したことがはじまり。この川崎組が1893年に合資会社川崎銀行に発展し、1919年に株式会社川崎銀行となる。その後、昭和金融恐慌からの影響によって川崎銀行は経営不振に。井上準之助(当時:蔵相)の斡旋によって第百銀行と合併、川崎第百銀行となる。1936年、傘下に置く川崎貯蓄銀行と東京貯蔵銀行を吸収合併し、第百銀行に商号変更した。その後、戦時統合によって第百銀行は1943年10月に三菱銀行(現:三菱UFJ銀行)と合併し今に至る。
→銀行の歴史って複雑ですが、今の千葉市の文化拠点になっているものが、水戸市とつながりがあるっていうのは不思議な縁で面白いですよね。そんな千葉市美術館、浮世絵を既に大好きな方もそうでない方も、また建築好きな方もきっと楽しめると思いますのでぜひ足を運んでみて下さい!
※千葉市ホームページより
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