「みる・かたる・つくる」ー文化を愛し地域をつくる 千葉県立美術館

アートな場所

千葉県、最後はこちらも千葉市内にある公立館です。千葉市美術館の浮世絵を筆頭にした近世美術に対してどんな特色があるのでしょうか。では早速。

このブログで紹介する美術館

千葉県立美術館

・開館:1974年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県観光協会HPより転載)

・場所
千葉県立美術館 – Google マップ
→千葉ポートパーク内にありますね。
※昭和61年に500万県民突破記念としてオープン。 「千葉港発祥の地」である千葉中央地区に、港の玄関としての景観を備え、各種の文化施設を含んだ市民との交流の場である臨港公園を造成。

「みる・かたる・つくる」ー文化を愛し地域をつくる

・千葉県ゆかりの美術資料を中心として体系的に収集、保管して後世に継承するとともに、「みる、かたる、つくる」活動により新たな知見を創造し、美術情報を発信することを使命としているそうです。さらに、この美術活動をとおして、美術を愛する人材を育成し、県民の学習および地域づくりを支援することを目標とされています。

美術館のコンセプト

①調査・研究を基に、新たな美術資料の発見と価値を見出し、千葉県の美術・文化に関する資料を収集・保存して、後世に伝える。
②美術資料や調査・研究の成果を知的資産として蓄積し、その情報を発信することによって県民と共有し、美術の振興と発展に寄与する。
③県民に専門性や体験を重視した生涯学習の機会を提供し、美術や文化を愛する人材を育成する。
④美術館は地域の核となって、美術をとおしてまちづくり、地域文化振興、地域おこし、といった地域づくりを支援する。

主なコレクション

・江戸の佐倉藩に生まれ、近代日本洋画の先駆者として活躍した浅井忠及びその師弟や周辺美術家の作品、フランソワ・ミレーをはじめとするバルビゾン派、ルノワールなどの印象派、近代日本工芸の発展に尽力した金工家:真香取秀、津田信夫を中心とした作品など。ここでは特徴的な浅井忠と2人の金工家の作品を一部紹介。
<浅井忠>※1

※1 浅井忠とは…江戸木挽町佐倉藩邸内に生まれ。文久3年(1863)父逝去、家督を相続。佐倉の将門に住む。国沢新九郎(くにさわ しんくろう)の彰技堂に入門し、初めて洋画を学ぶ。日本で初めて創設された官立の工部美術学校に入学し、イタリア人教師フォンタネ-ジに本格的な洋画指導を受ける。同志と我が国最初の洋風美術団体「明治美術会」を設立。その後、東京美術学校教授となり、文部省の命を受け、西洋画研究のため、2年間のフランス留学。帰国後は京都に移住し、京都高等工芸学校図案科教授となる。関西美術院設立に伴い、院長に就任。安井曽太郎、梅原龍三郎らを指導する。京都で逝去。

<真香取秀>※2

→これ、中国古代の文様の近代的なアレンジらしいのですが、妙に気になります。

※2 真香取秀とは…千葉県印西市に生まれ。東京美術学校鋳金科を卒業。正岡子規の門に入る。東京美術学校で鋳金史、彫金史を講じ、1943年(昭和18年)まで在職。同志と東京鋳金会、工芸済々会を設立。帝国美術院会員となる。文化勲章を受章。東京で逝去。

<津田信夫>※3

※3 1875年(明治8)、千葉県印旛郡佐倉藤沢町に佐倉藩医(江戸詰めの漢方医)のもとに生まれる。1895(明治28)年9月、東京美術学校(現:東京芸術大学)に入学。1900年(明治33)年7月に鋳金科を卒業。1919(大正8)年には教授となる。浅草公園(現在は浅草寺のお水舎に移築)や日比谷公園の噴水、日本橋の装飾、国会議事堂の扉装飾など公共施設の金工品を多く手掛け、近代的な都市づくりに貢献。1925年(大正14年)、パリ万国装飾美術工芸博覧会(現代装飾美術・産業美術国際博覧会、通称アール・デコ博)では日本代表として審査員を務める。この博覧会で、日本の著名な工芸家たちの作品がこぞって落選することとなり、日本の意匠の停滞ぶりと欧米各国の新潮流の違いが明らかになる。「工芸」とは、伝統的で精緻な技術の追求のみならず、美しさをも追求し、生活と心を豊かなものにする「美術」であるというのが、当時の欧米での考え方で、帰国後、ヨーロッパでの工芸の状況や自らの考えを日本へ伝え、高村豊周、佐々木象堂、杉田禾堂、北原千鹿、山本安曇などの若手工芸家に大きな影響を与える。東京で逝去。

→収蔵品の数は3000点にのぼります。多種多様なコレクションを含む千葉県立美術館、他のコレクションが気になる方は以下公式HPの検索サイトを載せておきますのでご参考ください。
〇千葉県立美術館 資料検索サイト:http://search.chiba-muse.or.jp/DB/list?tag=0&disp=matrix&secIdx=0&cls=top&pn=1&chkCls=att180_01&chkCls=att010_02&chkCls=att030_02&chkCls=att040_02&chkCls=att050_02&chkCls=att060_02&chkCls=att220_02&chkCls=att010_04&chkCls=att030_04&chkCls=att050_04&chkCls=att220_04&chkCls=att170_09&chkCls=att010_05&chkCls=att030_05&chkCls=att060_05&chkCls=att220_05&chkCls=att220_06&chkCls=att220_10&chkCls=att010_12&chkCls=att030_12&c1_f=01&c1_l=2&c2_f=&c2_a=1&c2_l=1&dispnum=50

浮世絵を含む国内有数の近世日本絵画と近代洋画、そして近代日本工芸に多大な影響を与えた2人の作家を見ることができる千葉市、皆さん少しこれまでとは違ったイメージになったのではないでしょうか。では、今日はここまで。今後とも本ブログ「絵本と、アートと。」をよろしくお願いします。

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