今日ご紹介する美術館、先日秋田県でご紹介したアート施設とぜひセットでご覧ください。(夢二ファンならセットで来館いただくとなお良いかもしれません)
このブログで紹介する美術館
竹久夢二伊香保記念館
・開館:1981年
・場所:竹久夢二伊香保記念館 – Google マップ
美術館外観
建物は大きく3つに分かれるようです。(以下画像は美術館HP、県観光協会HPより転載)
本館 大正ロマンの館
・竹久夢二が挿絵によく描いていた大正ロマン風の建物。大勢の人達から寄せられた夢二の資料が約1万6千点展示されています。
本館 黒船館
・代表作「黒船屋」の寄贈を受けて、その記念に建造。外観は洋風だが、内装は大正期などに作られた和物が中心との事。「黒船屋」の公開は年1回。9月16日を中心に約2週間、黒船館3階の蔵座敷にて完全予約制で特別公開です。
蔵座敷(黒船館3階)
新館 義山館
・竹久夢二の芸術と美術に対する想いを研究し尽くしたその果てに考え出された施設。特徴として、最初から美術館の機能を備えた純日本建築だということが挙げられるそうです。
伊香保と竹久夢二
・1911年(明治44年)、伊香保に住む12歳の少女からのファンレターにより伊香保を知り、その後、竹久夢二は1919年(大正8年)に初めて伊香保榛名の地を訪れます。以来、伊香保の気候・風土・人情に心を寄せ、度々訪問したそう。なお、夢二と伊香保を結んだこの貴重な「往復書簡」は、夢二記念館にて常設展示されているそうです!
※当時、竹久夢二は既に新進気鋭の挿絵画家で、全国にその名をとどろかせていました。おそらく、夢二のもとには毎日沢山のファンレターが届けられていたことと思いますが、そんな中でも夢二はこの少女に丁寧な返事を書いています。思いがけない夢二からの心優しい返事、こんなところが多くの女性ファンを魅了した夢二の所以なのかもしれませんね。
代表作「黒船屋」が眠る場所~ある表具屋との歴史
・この代表作「黒船屋」…彩文堂という表具屋の主入、飯島勝次郎氏が表具展に出品する絵を頼みにきたことがはじまりなのはご存知でしょうか。なんと絵絹まで自分で買ってきた飯島氏の熱意にほだされ、夢二はこころよく制作を引き受けたそうです。
完成した作品を見た飯島氏、その感動を生涯忘れることができず、会う人ごとに語っていたそう。 時に夢二、36歳のことで、画家として筆に脂が乗りきっていたときでした。その後この絵は、表具の展覧会に出品するため飯島氏の手によって念入りに軸装されます。
飯島氏は亡くなる直前まで黒船屋を大切にし、最期、夢二研究の第一人者長田幹雄氏へその絵を譲る決心をされます。その長田幹雄氏も、郵政省の切手や、年を追うごとに高まる名声と、夢二に関心のある美術館や画商から譲ってくれという申込が殺到した経緯もあり、黒船屋を夢二ゆかりの伊香保記念館に預けることを決心されたそうです。
(より詳しく知りたい方は以下URLを参照ください)
http://kurofuneya.chu.jp/byoubu-kurohuneya.htm
なお、最初に黒船屋を描いてもらった飯島氏の表具屋はその後、彩文堂から「画廊 黒船屋」として現在も営業をされています。(そのHPにも当時の様子が書かれていましたので是非。http://www.kurofune-ya.co.jp/episode1.htm)
→そんな裏話が眠っている竹久夢二の黒船屋、今度見るときにはその軸装までじっくりと眺めてみてください。夢二へ絵画制作を依頼し、誰よりも近くで黒船屋とともに過ごした飯島氏の想いが伝わってくるかもしれませんよ。
※写真は上毛新聞社記事より
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