こんにちは。現在、鳥取県をご紹介しています。
実は鳥取県、博物館はあれど美術館というのはこれまで無かったのですね。恐らく全国で「美術館」の呼称を持たない府県は大阪と鳥取だけだったかもしれません。そんな鳥取県にも2025年春に新設の県立美術館がオープンします。既にホームページもできあがっているようですので、どんな美術館になるのか少し覗いてみたいと思います。
このブログで紹介する美術館
鳥取県立美術館
・開館:2025年
・美術館内・外観イメージ(以下画像は美術館HPより転載)
→恐らく設計コンペをやったときの図案だとは思いますが、これを見るだけでもワクワクしますね。
・場所(建設予定地)
鳥取県立美術館(建設予定地) – Google マップ
→鳥取市や県第二位の都市:米子市ではなく、倉吉市に建設されるそうです。美しい日本の歴史的風土100選に選定されている打吹玉川(白壁土蔵群)が有名です。
地域に根ざしお気に入りの「ひろま」が見つかる空間をめざして
・50年にわたる鳥取県立博物館美術部門のコレクションと活動を引き継ぎながら、鳥取県の中央に位置する倉吉市に2025年春(令和6年度末)に開館。(空港のある鳥取市や米子から特急列車で30分ほどの距離との事)
建設予定地は市立図書館や複合文化施敷設・倉吉未来中心などが集まる倉吉パークスクエアの一角で、元々市営ラグビー場であった敷地。大屋根の下には屋外活動も可能とするえんがわや創作テラスなどを配置、館内には木のぬくもりが感じられる居心地の良い「ひろま」を中心に、様々な体験に出会える空間が広がる点が設計の大きな特徴としています。
1階には県民の創作活動の発表の場となる県民ギャラリーと屋外で創作活動ができる創作テラス、カフェレストランやショップに子どもたちや家族がくつろげるキッズスペースを設置。2階~3階は常設展示室・企画展示室に加え、無料で回遊できるエリアや美術館前の大御堂廃寺跡を一望できる展望テラスが建設されます。また、「アートを通じた学び」を支援するアート・ラーニング・ラボ(A.L.L.)等の教育普及部門も設置。
だれもが芸術文化にいつでも触れることができる環境を整備し、美術の展覧会を目的に来館する方はもちろんのこと、気軽な立ち寄りなどを通じて、美術館という空間を、雰囲気を、広く多くの方に楽しんでもらい地域に根ざした美術館になることをめざしているそうです。
基本計画~未来を「つくる」美術館
キャッチフレーズ:いろんな「つくる」で「とっとりのアート」の「むかし」「いま」そして「みらい」をつむぐ。
コンセプト~「とっとりの未来をつくる」美術館
めざすイメージ
毎日来ても楽しい、何かと出会える美術館
・1〜3階まで、無料で⾃由に⼊れる場所を広げ、気軽にアートが楽しめる環境つくり
・見るだけではなく、参加体験できるプログラムを毎日開催
・子どもから大人まで、だれもが展覧会を楽しく学べるプログラム
・創作活動の発表やレセプションパーティなど特別な日の会場としての活用 など。
アートを身近に感じられる、鳥取らしい美術館
・親しみやすいポップカルチャーをテーマにした展覧会を開催。
・いつ来てもポップカルチャーや県内アーティストの作品が楽しめる機会の創造。
具体的には…
・企画展示室で、鳥取県ゆかりの美術をはじめ、デザインや建築、ポップカルチャーなど、時代に即した魅力ある企画展を年4本程度開催、国内外の多彩な芸術文化に触れることをめざすそうです。また、5つの常設展示室では、近世絵画、近現代絵画、彫刻・工芸、版画・写真といった、特色あるコレクションを分野ごとに常時鑑賞できるようにするとの事。
・対話型鑑賞プログラムや創作ワークショップなど、多彩な教育普及プログラムにも参加し、県民ギャラリーは、鳥取県内で活動する制作者の方々の発表の場として貸し出されます。
県民の“あったらいいな”でつくる、アートな日常
・カフェレストランは、意欲のあるシェフや経営者を広く公募、チャレンジ精神を後押し。
・カフェレストランの店づくり、体験や交流の場利用など、様々な参加できる取組みを展開。
・ショップの商品づくりや店づくりに関わる機会の提供。
・大御堂廃寺跡を臨む「ひろま」や「えんがわ」、3階の展望テラス、キッズルームやレストランカフェなど、館内各所のフリースペースを気軽に訪れ、思い思いの時間を過ごすことができる環境つくり。 など
みんなが主役となれる“しくみ”や“機会”を準備段階からつくり育む
・県民皆が担い手となり、活躍できるしくみづくり。
・ボランティアや友の会など、多彩な美術館と協働するプログラムに参加。
・地域と連携した事業展開をし、県内の文化・まちづくりの取組を盛り上げる。 など
収蔵方針
・鳥取県立博物館が収集してきた美術分野のコレクション約10,000点を引き継ぎ、鳥取県に縁のある優れた美術作品を中心としつつ、国内外の優れた美術・文化にも枠組みを広げ、同時代の美術の動向を示す作品やコミッションワークとあわせ、継続的にコレクションの充実を図る予定です。(なお、主な収蔵品検索はコチラから検索:https://digital-collection.pref.tottori.lg.jp/)
鳥取県の美術
鳥取県に関係した近世以前の美術作品
鳥取県にゆかりのある近代作家の美術作品
鳥取県にゆかりのある現代作家の美術作品
鳥取県の自然や風物などを題材にした美術作品
郷土作家とつながりをもつ国内外の作家の優れた美術作品
国内外の優れた美術
江戸絵画の多様性を示す優れた作品
○琳派
○江戸後期の京都画壇
○「奇想の画家」たちの優品
○海外との交流の中で生まれた作品
近代(明治~戦前)における各分野の参照点となる優れた作品
戦後の美術・文化の流れを示す優れた作品
○前衛精神を示す作品
○もの派とそれ以後の立体表現
○ニューペインティング以後の絵画表現
○ポストモダンの多様な表現
○日本の工芸・デザインの特質を示す作品
○豊かな自然環境を背景とする海外の工芸・デザイン
○優れた写真表現
○国内外のポップ・カルチャーの起点となった優れた作品
○世界の多様な文化と社会の理解に資する作品
○サウンド・アートおよびパフォーマンス・アート
○言葉を素材とした多様な表現
館の内外に半恒久的に設置する作品
○自然・環境と人の営みの関係性を想起させる作品
○鳥取の風景や風土に根ざした作品
○県民との協働を通じて制作される作品(プロジェクトを含む)
同時代の美術の動向を示す作品 ※新方針
過去20年間でめざましい活動を行った作家の作品
鳥取県立美術館の企画展およびスタジオ・プログラムに参加した作家の作品
国内外の公立美術館での発表または重要な展覧会に参加した作家の作品
運営主体~鳥取県立美術館パートナーズ株式会社
・県内企業を含む10社で構成する“鳥取県立美術館パートナーズ株式会社”(特別目的会社:SPC)と県が一体となって、設計・建設・運営維持管理・開館準備を進めているそうです。
(参考:鳥取県立美術館パートナーズ企業)
・大和リース株式会社
・株式会社槇総合計画事務所
・株式会社竹中工務店
・株式会社懸樋工務店
・三菱電機ビルソリューションズ株式会社
・山陰リネンサプライ株式会社
・富士綜合警備保障株式会社
・セコム株式会社
・アクティオ株式会社
・株式会社丹青社
いかがでしょう。県民、県内企業各々が待ちに待った鳥取県初の県立美術館。恐らく開館前後は多くのセレモニーも催されるかと思います。皆さんもぜひ、鳥取県へ足を運んでいただき、お気に入りの「ひろま」を見つけていただけたらと思います。
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