こんにちは。先日約15年以上ぶりに本格的な肉体労働をしてきたマウスです。
普段のお仕事はデスクワークなのでこうやってカチャカチャPC片手にタイピングしていることが主なのですが、急遽人手不足で人力の応援に担ぎ出されました。
…まあ、やった仕事はただただひたすら10㎏ぐらいある岩石(?)を一日中場所から場所へ移動させるだけだったのですが、まあ終わった後はズッシリ…完全に筋肉痛です。帰るとすぐ湯船に飛び込み、消炎鎮痛剤(要はサロンパス®」を貼りたくりました。
ここまでの筋肉痛、スポーツやっている人なら何度も経験しているのかもしれませんが、今日はそんなスポーツとアートの両分野において活躍されているコレクターとその美術館のお話です。では早速。
このブログで紹介する美術館
諸橋近代美術館
・開館:1999年
・美術館外観(以下、画像は美術館HP及び県観光協会HPより転載)
→先日ご紹介した「やないづ町立斎藤清美術館」と同じ福島を代表する建築家、清水公夫さんの設計です。
・場所
諸橋近代美術館 – Google マップ
→猪苗代駅からバスで30分ほどでしょうか。車の方がよさそうです。建物は“中世の馬小屋”というイメージで建築されたそう。(創設者の諸橋廷蔵さんのご出身、福島県いわき市エリアの景勝地・会津磐梯高原に建っています)
スポーツ用品店「ゼビオ」が贈る夢と幻覚の絵画
・公益財団法人諸橋近代美術館は、ゼビオ株式会社(本社:福島県郡山市 東証一部上場 スポーツ用品小売業)の創立者:諸橋廷蔵(1934年~2003年)が約10年に亘り蒐集した美術作品を展示するため1999年に故郷である福島県の景勝地、会津磐梯高原に開館。
・諸橋さんは青年期よりシュルレアリスムの作品に興味を持ち、とりわけスペインが生んだ巨匠サルバドール・ダリの緻密絵画に強い憧れと魅力を感じていたそう。シュルレアリスム:ダリのコレクションにおいては、ダリ美術館(アメリカ・フロリダ)、ダリ劇場美術館(スペイン・フィゲラス)、ソフィア王妃芸術センター(スペイン・マドリード)に次ぐ規模で、アジアで随一のダリ所蔵美術館。
諸橋廷蔵さんの言葉
・以下、HPに創始者である諸橋廷蔵のこの美術館によせる想いが載っていましたので掲載しておきます。
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・昭和50年、スペインのフィゲラスにあるダリ美術館で、サルバドール・ダリの作品に出会いました。絵画鑑賞が趣味の私でしたが、ダリの作品を一堂に数百点規模で目前にしたのは初めてでした。その作品は印象派等のリアリズムではなく、夢と幻覚を絵画にした、従来の常識を打ち破るものでした。
以来ダリ・シュルレアリスムに興味を抱き、版画・画集等の収集をしておりました。
そして平成3年、NHK主催のダリ展が東京で催されました。その中にパリ・ストラットン財団所有の彫刻37点が出品されました。それは油絵・版画より迫力と夢があり感動でした。その彫刻を展示終了後、ある事情から一括して譲り受けることが出来たのです。まさに偶然の出会いでした。その瞬間ダリ美術館建設の夢が、私の頭の中に忽然と現れたのです。
以来、作品収集、土地、建物の3つの具体的課題を負うことになります。この10年、世界2大オークションの「サザビーズ」「クリスティーズ」への10数回の参加、欧米の美術館視察、土地探し、建設の構想・・・・・と瞬間の10年でした。夢を追い、夢を実現する労は時間を忘れさせました。思い込み、念じ続けると重大な課題が次々と解決していくのです。多くの協力して下さる方々とめぐり会い、そこから貴重な教えを得ることが出来ました。
ロンドン、ニューヨークのオークションでは、ダリ生涯の大作「テトゥアンの戦い」、ユトリロの白の時代の名作「モンマルトルのサン・ヴァンサン通り」、セザンヌ30歳の力作「林間の空地」を落札した時は会場から大きな拍手をいただいたのが感動の想い出でもあります。
当館の作品構成はダリがメインですが、ダリ以外にもルノワール、マチス、ピカソ、シャガール等19・20世紀巨匠20数人の作品を収蔵しております。これから10年、20年かけて、1点1点良い作品を集め、諸橋近代美術館の充実を図ることが責務であります。
うるおいのある県の文化に貢献出来ればと念じております。(1999年10月文化福島《随想》掲載より)
→「夢と幻覚を絵画にした、従来の常識を打ち破るもの」―まさにシュルレアリスムの良さを一言で示した表現ですね。
サルバドール・ダリとは
・ダリってだれ?(ギャグではありません!)って方のために、美術館HPに紹介が載っていますのでURL貼っておきます。(https://dali.jp/collection/dali.php)
→上のURLにも載っていますが、ダリはこの言葉が有名ですね。
「天才を演じきると天才になれる。」
つまり、一流になるには、その道の先人の模倣が最も効果的ということ。また、そういったひとたちと接する機会があり、長い時間を共できれば最高だ、とも述べています。
・一流の傍にいれば、どういう生活をしているのか分かる。
・一流の傍にいれば、どういう考え方をしているのか分かる。
・一流の傍にいれば、ナゼそう考えるようになったか分かる。
・一流の傍にいれば、どういうものに興味を持っているか分かる。
・一流の傍にいれば、その人に影響される。
など天才(一流)の傍にいるだけでも多くのメリットがあると言うのですね。
個人的にはダリは先人誰もが表現できなかった画面をつくり出したのですから大変な天才だと思うのですが、かの有名な10時10分を指したような逆向きに曲がった口ひげももしかしたら「天才を演じきっている」だけなのかもしれませんね。
←この人がサルバドール・ダリです
主なコレクション
<サルバドール・ダリ>
<ポール・セザンヌ>
※写真は美術館HPまたは絵画・アートを解説するオンライン・ミュージアム「MUSEY」HP(https://www.musey.net/)より転載
(付録)ゼビオグループとは
・ダリなど本美術館のコレクションを収集した諸橋さん、本ブログでは彼が設立した「ゼビオグループ」について最後に触れて終わりたいと思います。
[商品コンセプト(ゼビオグループステートメント)]※以下HPより転載
・人種や言語、宗教、国籍さらには年齢や性別を超えて、スポーツがもたらす感動は、あらゆるスポーツが持っている素晴らしい可能性であり、それはいわば私たち人類の財産だと言っても過言ではありません。そんなスポーツの可能性を最大限に引き出し、それをビジネスとして価値に変えていくこと。それが私たちゼビオグループの今後の使命だと考えています。
1. こころを動かすスポーツ。
2. スポーツの国をつくろう。
3. スポーツで叶える。
参考URL:https://www.xebio.co.jp/ja/vision/statement.html
・また、スポーツが持つ「夢」や「感動」を次世代に伝えていくため、広告やポスターなどにも力を入れているそう。
(https://www.xebio.co.jp/ja/vision/think.html)
[経営理念]
1. 量的指標ではなく、質的指標としての数値目標を設定します。
2. ナンバーワンではなく、オンリーワン企業として事業の質的拡大を図ります。
3. 株主様、お客様、お取引先様、従業員、地域社会それぞれにオンリーワンとして認識していただける企業を目指します。
→何となく、全体的にスポーツ商品の企業さんですが、「アート」の考え方を経営理念にも取り入れられているような気がしますね。
・最後にゼビオグループのブランド一覧を載せて。
https://www.xebio.co.jp/ja/group
「XEBIO」やゴルフ好きの方なら「Victoria Golf」は聞かれたことあるのではないでしょうか。
そんなスポーツ用品の全国的な会社の創設者が有名な美術コレクターだというのは面白い話ですね。どんな分野でもどこか根底のところで繋がっているのだなーと今日も勉強になりました。
(マウス)
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