奈良:室生寺。私も奈良に住む知人から勧められて何度か足を運びました。
真言宗の拠点である高野山は女人禁制でしたが、女性の参詣が許されていた室生寺には「女人高野」の別名があります。里山の自然が美しい場所で、もしかしたら女性の参拝があったからこそ、そのセンスをうまく捉えて成しえた風景美なのかもしれないなと当時訪れた時に感じました。そんな室生寺の山の更に奥に…芸術の森があることはご存知でしょうか。恐らく室生寺を訪れた人もここまで登っていったことは稀なのではないかと思います。それでは早速。
このブログで紹介するアート施設
室生山上公園 芸術の森
・開館:2006年
・アート施設外観(以下画像は公式HP、県・市観光協会より転載)
→イスラエルの彫刻家:ダニ・カラヴァンの野外作品です。他、代表作に イスラエルの南部の砂漠に立つ「ネゲヴ記念碑」、パリ近郊の都市セルジ=ポントワーズを貫く全長3キロの「大都市軸」など、周囲の環境と一体になった壮大な彫刻が特徴。
里山の自然と美しい自然の景観、未来へ伝える現代の理想郷をめざして
・アートアルカディア計画※のシンボル事業として整備された芸術公園。(対面にある道の駅が「地」をイメージして創られているのに対し、本公園は「天」をイメージして創られているのだとか)
彫刻家井上武吉氏(平成9年逝去)の構想を、ダニ・カラヴァンの手によって建造。空間全体が1つの彫刻作品です。地すべり対策後の跡地を活用し、地すべり対策の視点と地域振興(山の上のモニュメント構想)の視点から、彫刻家ダニ・カラヴァンがデザイン監修。このため、整備にあたっては、公園(カントリーパーク)の事業手法を取り入れたため、やむを得ず「山上公園」の名称を使っているが、通常の公園とは性質が異なり、完成したものはダニ・カラヴァンの芸術作品となっています。このため、「芸術の森(ArtForest)」としてのコンセプトを明確にしているそうです。
※アートアルカディア計画とは…室生らしい風景づくりの計画。経済効果最優先で自然を置き換えていくような都市的な発想ではなく、自然・文化環境の保全及び利活用を重視しながら公共工事を進めていくというコンセプト。長い間をかけて育んできた美しい里山の景観という原点に立ち返り、周囲の自然・歴史と調和し共生してゆく環境とは何か、現代の視点からとらえ直す活動。長期的には未来へ文化遺産として伝えることができるような現代の理想郷をめざされています。
(参考)むろおアートアルカディア計画
→これ奈良県宇陀市の紹介ページを参考にしましたが、「やむを得ず『公園』の名称を使っているが…」という説明、なかなか直球な想いを吐露されていてウケましたw
同じく宇陀市のHPに本アート施設で撮影した大阪天王寺発のポップアーティストユニットのPVが載っていましたので、これも載せておきます。(なんかこういうの好きですよね、地方のアート施設…)
なお、本アート施設はライブカメラの映像も随時ご覧いただくことができます。
〇宇陀市 室生山上公園芸術の森ライブカメラ:
https://www.komadori.ne.jp/nara-livecamera/area/udagei.html
屋外作品 展示風景
確か私が行ったときは、新緑、紅葉ともに大変美しい場所で、やはり普通の森や山と違って、どこか美しさが計算されつくしているような気配がしました。女人高野:室生寺と併せてぜひ訪れていただきたいアートスポットです。皆さんも一度足を運ばれてみて下さい。
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