こんにちは、皆さん工芸はお好きでしょうか。今日ご紹介する美術館そのその作家さん、学芸員の方は「漆という極めて伝統的な素材をまったく新しい現代美術に創出した人」で、「漆芸の細かな手仕事を、大きな画面の中にスケールある作品として描き切る構成力・デザイン力が素晴らしい」と評価されています。
これを聞くだけで気になりますね。漆芸という脈々と受け継がれてきた伝統にどのような現代アートを織り込んでいったのか、そんな相反するものが共存している画面が魅力の作品群、早速見ていきましょう。
このブログで紹介する美術館
安曇野高橋節郎記念美術館
・開館:2003年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県・市、観光協会HPより転載)
・場所
安曇野高橋節郎記念美術館 – Google マップ
黒と金の幻想的な漆芸術の世界、伝統的な漆芸を現代美術に昇華した安曇野出身の文化勲章作家
・現代工芸美術界を代表する漆芸術家:高橋節郎氏の作品を収蔵した美術館。1982(昭和57)年、穂高町(現安曇野市)では、町出身である高橋節郎氏に、名誉町民の称号を贈呈した後、その芸術を顕彰し後世に伝えようとする動きが町内で徐々に高まり、高橋節郎氏の文化勲章受章を経て、2003(平成15)年に生家のある穂高町北穂高(現安曇野市穂高北穂高)の地にオープン。安曇野高橋節郎記念美術館の学芸員の方は、「高橋節郎は、漆という極めて伝統的な素材をまったく新しい現代美術に創出した人」で、「漆芸の細かな手仕事を、大きな画面の中にスケールある作品として描き切る構成力・デザイン力が素晴らしい」とその魅力を語っています。
高橋節郎とは
・1914年、長野県穂高(現:安曇野市)出身の漆芸家。1940年東京美術学校研究科卒業。1941年文部省美術展覧会 (新文展) 特選,以後同展に出品を続ける。1951年日本美術展覧会 (日展) で特選。1960年『蜃気楼』で文部大臣賞受賞。1965年『化石譜』で芸術院賞受賞。1976~82年東京芸術大学教授。1981年芸術院会員。刀で描いた文様の線上に金箔や金粉を埋め込む鎗金 (沈金) 技法に,彩漆 (いろうるし) ,螺鈿,蒔絵などを加味し,黒漆地のなかに花鳥風月のほか化石や星座,古墳などを幻想的に浮かび上がらせる作風で知られる。『二曲屏風 星座創記』 (1975) ,『二曲屏風 古墳群映』(1977) などの代表作のほか,作品集『漆・黒と金の世界』がある。1990年文化功労者に選ばれ,1997年文化勲章を受章。2003年長野県安曇野市に安曇野高橋節郎記念美術館が開館。
主な作品
…いかがでしょう。高橋節郎氏、「漆で一番美しいのは黒と蒔絵の金、それから朱」と考えられていたそうで、その作品の魅力は多くの色彩には頼ることなく、黒・金・朱の三色の漆のみで多様な作品を生み出したことにあると美術館のインタビューには掲載されています。とりわけ、よく作品のモチーフとされたのは、自身が少年期を過ごした安曇野の自然や風景だったそうで、この作家もまた長野県:安曇野に魅せられた芸術家の1人であることは間違いないでしょう。
そんな安曇野高橋節郎記念美術館、気になった方はぜひ足を運んでみて下さい。
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