今週のPickUp!展覧会 2024年9月②

愛知県

○日本画☆動物園 @浜松市秋野不矩美術館 会期:9/16(月・祝)まで

<概要>
・人間にとって身近な存在である動物は、古代から現代にいたるまで人々を魅了してきました。作家もまた例外ではなく、古くは動物を擬人化して表したり、神の化身、あるいは豊穣の象徴としたり、多くの人に親しまれる花鳥画のモチーフとするなど多彩な役割を持って描き出してきました。それらは素朴な表現から詳細に描き込む写実的な描写まで、作家の目を通じて動物の多種多様な姿を目にすることができます。

 この展覧会では20名の現代日本画家が動物に注目し、それぞれの観察眼を活かして描いた作品を展示します。犬、猫、鳥などの身近に見られる小動物から、動物園の人気者の猿、虎、象などさまざまな動物が美術館に大集合します。毛並みや表情、しぐさなどの的確な描写から、どの動物もそこに存在しているかのように感じられることでしょう。動物たちの愛らしい様子や幻想的な風景の中で迫力を持って描き出される動物の姿など、そこには作家が動物に向ける深い敬意と関心が表れています。本展では愛猫家の秋野不矩が描いた作品《猫》や、インドで目にした水牛を描いた《沼》も展示します。日本画だからこそ表現できる動物たちの生命の輝きを、ぜひご鑑賞ください。

○アブソリュート・チェアーズ 現代美術のなかの椅子なるもの @愛知県美術館
 会期:9/23(月・祝)まで

<概要>
・椅子の機能は、座る姿勢を支えるというだけにとどまりません。権威の象徴として表されることもあれば、安楽や拘束のための道具となることもあり、また複数が寄り集まることでコミュニケーションの場を生み出すこともある椅子。椅子は多くのデザイナーや建築家の創造性を喚起する究極のテーマであると同時に、アーティストにとっても魅力的なモチーフとなってきました。

 アーティストたちは椅子と結びつく多様なイメージをとらえ、作品を通じて社会の中の不和や矛盾、個人的な記憶や他者との関係性などを浮かび上がらせてきました。現代美術における椅子は、日常で使う椅子にはない極端なあり方、逸脱したあり方によって、私たちの思考に揺さぶりをかけます。

 本展では、こういった作品を「アブソリュート(絶対的・究極的)」な椅子と呼ぶことにして、主に戦後から現代までの平面・立体・写真・映像・ダンスなど幅広いジャンルの作品約80点における「椅子なるもの」の表現に着目し、椅子という身近な存在から社会や人間の有り様を考察します。

○民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある @富山県美術館 会期:9/23(月・祝)まで

<概要>
・約100年前に思想家・柳宗悦が説いた民衆的工藝、「民藝」。日々の生活のなかにある美を慈しみ、素材や作り手に思いを寄せる、この「民藝」のコンセプトはいま改めて必要とされ、私たちの暮らしに身近なものとなりつつあります。

 本展では、民藝について「衣・食・住」をテーマにひも解き、暮らしで用いられてきた美しい民藝の品々約150件を展示します。また、いまに続く民藝の産地を訪ね、そこで働く作り手と、受け継がれている手仕事も紹介します。さらに、一昨年までセレクトショップBEAMSのディレクターとして長く活躍し、現在の民藝ブームに大きな役割を果たしてきたテリー・エリス/北村恵子(MOGI Folk Art ディレクター)による、現代のライフスタイルと民藝を融合したインスタレーションも見どころのひとつです。

○今森光彦 にっぽんの里山 @東京都写真美術館 会期:9/29(日)まで

<概要>
・東京都写真美術館では、自然写真家・今森光彦の「にっぽんの里山」を開催します。
 世界の熱帯雨林、砂漠から、国内の自然環境まで、自然と人との関わりをテーマに美しい映像と親しみやすい文章で伝えつづける今森光彦。

 幼いころから昆虫の生態と美しさに魅了された今森は、世界中の昆虫を求めて精力的に取材活動をつづけ、既成の生態写真にとらわれない独特な自然観に基づく作品は、内外で高い評価を得ています。また、故郷である琵琶湖周辺を中心とした「里山」と呼ばれる空間を見つめつづけ、自然と人との絶妙なバランスで生み出される里山を映像化してきました。本展覧会は今森が出会った日本全国200カ所以上の里山の中から、厳選した作品を紹介するシリーズ最新作です。

 里山をめぐる今森の旅は、自然と人が調和する空間を鮮やかに浮かび上がらせ、美しく多様性に富んだこの国の自然に気づかせてくれることでしょう。今森光彦のライフワーク、里山シリーズの全貌が解き明かされる「にっぽんの里山」にご期待ください。

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