こんにちは。現在、日本本土最南端、鹿児島県をご紹介しています。
ところでこの鹿児島県、いわゆる「〇〇県立美術館」や「〇〇県美術館」など、いわゆる冠に「県」や「県立」が付く美術館を有していません。(厳密には今日ご紹介する現代美術館は県が運営主体ですが、県庁所在地の鹿児島市になく、また、そのコレクションや運営方針は他県と大きく異なっています)
「県立」が付く美術館が無い府県…これは山形県、京都府、大阪府、鳥取県、そしてこの鹿児島県の5県のみです。県主体の美術館を持つに至らない理由は各県ともそれぞれ経緯・背景がありますが、例えば、山形県は山形美術館創設者となった山形新聞社の代表が県政含めリードする存在であったこと、京都府は昔から文化の中心地として国立美術館はじめ多数の美術館を有していること、大阪府は大阪市立美術館でご紹介した風土的なものであること、鳥取県は2025年に県立美術館がオープンしますが従来は県立博物館が美術分野を担ってきて財政規模も最小であったことなどが挙げられますね。
一方で今回の鹿児島県、少し趣が異なり、恐らくマウス的には明治維新において薩摩(鹿児島)が果たした役割と本ブログに続いてご紹介予定の鹿児島市立美術館との関係性があるのではないかと考えています。ちなみにこの鹿児島県、長崎県に次いで約600の離島をもつ県です。ひとことで鹿児島といっても多種多様な側面をもつ場所に建つ美術館、早速ご紹介していきましょう。
このブログで紹介する美術館
鹿児島県霧島アートの森
・開館:2000年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県観光協会HPより転載)
・場所
霧島アートの森 – Google マップ
霧島の大自然の中、国内外の造形作家がつくったオリジナルの彫刻作品に触れる
・鹿児島県の芸術交流拠点施設で、霧島地域の自然と調和した芸術性の高い彫刻作品を配置、豊かな自然の中で、優れた芸術作品や自然に触れ親しんでもらうことを目的とした野外美術館です。霧島の雄大な景観の中で四季折々の変化を見せる野外展示空間には、国内外の造形作家がこの地を訪れて、自然や歴史的・文化的な特徴を生かしながら構想したオリジナルの作品を設置。
また、霧島アートの森のゲート的機能を持つアートホールには所蔵作品の展示や企画展などの作品展示室、創作体験活動や講習会などを行う多目的スペース、カフェテリアやミニライブラリーが整備されています。
主なコレクション
屋外作品
〇屋外のマップ図(各№に紐は以下でご紹介する№と紐づいています)
<草間 彌生>
<西川 勝人>
<植松 奎二>
<藤 浩志>
<牛嶋 均>
<西野 康造>
<若林 奮>
<チェ・ジョンファ>
<ウルリッヒ・リュックリーム>
<ジョナサン・ボロフスキー>
<ダン・グレアム>
<フィリップ・キング>
<八田 隆>
<福澤 エミ>
<通畠 義信>
<アントニー・ゴームリー>
<ルチアーノ・ファブロ>
<福元 修一>
<竹 道久>
<ダニ・カラヴァン>
<カサグランデ&リンターラ>
<タン・ダ・ウ>
<椿昇>
屋内作品
<ジャウメ・プレンサ>
<アー・シャン>
<オノ・ヨーコ>
<トニー・クラッグ>
<溝口 守一>
<ジェニー・ホルツァー>
<リチャード・ロング>
<ドナルド・ジャッド>
<宮島 達男>
<楠元 香代子>
<村上 隆>
<篠原 有司男>
<青木 野枝>
<佐藤 忠良>
<チェン・ゼン>
<クレス・オルデンバーグ>
<アニッシュ・カプーア>
<中村 晋也>
<ナムジュン・パイク>
<山口 明子>
<ジェームズ・タレル>
<ラヴィンダル・G・レッディ>
<井上涼>
<ニキ・ド・サンファル>
<マリソル>
<イサム・ノグチ>
<重村 三雄>
<高柳 恵理>
<草間 彌生>
<奥 傳三郎>
<池川 直>
<ソル・ルウィット>
<黒蕨 壮>
<舟越 桂>
<野間口 泉>
<長沢 英俊>
<ヘリ・ドノ>
<イヴィッド・ナッシュ>
<遠藤 利克>
→いかがでしょう。詳細な作品解説は美術館に任せるとして、霧島アートの森がいかに多種多様な現代アート作品をコレクションしているかが分かるかと思います。繰り返しになりますが、野外に展示されている作品は、国内外で活躍されている作家たちが実際にこの地を訪れ、自然や歴史的・文化的な特徴を生かしながら制作したオリジナル作品群です。そんな公立館は国内にもなかなか無いので、皆さん鹿児島県を訪れた際はぜひ、この霧島エリアを観光ポイントの1つに選んでみてください。
それでは、前文でも述べましたが次回はこの霧島アートの森という県立でありながら現代美術に特化するという方針をうながした鹿児島文化の本流「鹿児島市立美術館」のご紹介です。
引き続き、本ブログ「絵本とアートと。」をよろしくお願いします。
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