企画・展示主体の美術館—19~20世紀の西洋絵画展、海外美術館の名品展、女性芸術家の作品展、写真展など 東京:Bunkamura ザ・ミュージアム

東京都
2027年度中まで休館中

こんにちは。今日は先日の松濤美術館と目と鼻の先にある大型の複合文化施設の中にある美術館です。松濤美術館からほんの僅かな距離なのですが、街の喧噪がずいぶんと違うのを覚えています。

 こちらは、コンサートホール(音楽)、劇場(演劇)、美術館(美術)、映画館(映像)の各施設やカフェ、アート関連ショップなどからなるクリエイティブな空間で、若者たちで賑わう年間300万人の来訪者を集める渋谷の人気スポットです。

 残念ながらオーチャードホールを除き2027年頃まで休館中なのですが、(覚えていれば)またその頃に情報更新したいと思います。これまでの美術館の取組みを少し振り返っておきましょう。

このブログで紹介する美術館

Bunkamura ザ・ミュージアム

・開館:1989年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、都、観光協会HPより転載)

・場所:bunkamura ザ・ミュージアム – Google マップ

企画・展示主体の美術館—19~20世紀の西洋絵画展、海外美術館の名品展、女性芸術家の作品展、写真展など

・映画館、コンサートホール、レストランなどのある大型複合文化施設「Bunkamura」内にある美術館。1989年(平成元年)、東京都渋谷区に開館。いつでも気軽にアートを楽しめる自由形美術館として、総床面積837㎡、天井高4mの無柱の展示室、可動壁面パネルを自由に構成するなどして様々な空間を作り出しています。

 これまで、ダ・ヴィンチ、ルーベンス、印象派など、主に19-20世紀の西洋絵画展、海外美術館の名品展、女性芸術家の作品展などの企画展を開催。企画・展示を運営の主体とし、近代美術の流れに焦点をあてた展覧会が開催されています。

過去の展覧会など

・過去の展覧会は以下のURLから検索可能です。「マリー・ローランサンとモード」、「イッタラ展」、「かこさとし展」などの目を引く展示や南米コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロの展覧会など、確かに国内ではなかなか紹介されていなかったようなユニークな展示を開催されていたようです。

〇Bunkamura ザ・ミュージアム 過去の展覧会:https://www.bunkamura.co.jp/archive/?hall=museum

 いかがでしょう。2027年まで待ち遠しいですが、リニューアルオープンの際はぜひ足を運んでみて下さい。 それでは最後にこの美術館が入る複合文化施設Bunkamuraの歴史を少しだけ振り返って終わりとしましょう。

(参考)Bunkamuraの歴史

・岡田茂:元東映社長が1975年に開設したテーマパークに東映太秦映画村と命名。その岡田氏が師事した東急グループの総帥:五島昇氏がそれを気に入り本プロジェクトの発案時に同じように「〇〇村」という名前を付けたと言われています。このような流れを受け、Bunkamuraは1980年代の東急グループ全体の戦略であった「3C戦略」に基づき設立されました。

※ 「3C」とは「culture(文化)」、「CATV(東急有線テレビ 現:イッツ・コミュニケーションズ)」、card(クレジット・イチマルキュウ 現:東急カード)の頭文字をとったもの。

 Bunkamuraは東急グループの「文化戦略」の中核を担うものとして、良質の文化を創造し提供する「発表の場」、新しい文化の育成のための「創造の場」、人・芸術・物の交流を促進する「出会いの場」の3つをコンセプトに、コンサートホール(音楽)、劇場(演劇)、美術館(美術)、ミニシアター(映画)の各施設をはじめ、カフェやアート関連ショップを設置。

 2023年春以降に、隣接する東急百貨店本店が建物の老朽化に伴う閉店・建て替えにより、Bunkamuraも大規模改修工事を行い、同年4月よりオーチャードホールを除き長期休館。なお、休館中の自主制作公演は、横浜みなとみらいホール、東急シアターオーブ、THEATER MILANO-Za(2023年4月開業)など東急グループの代替施設で開催。美術館のザ・ミュージアムは渋谷ヒカリエ9階の「ヒカリエホール」などで展覧会を開催、ギャラリーは渋谷ヒカリエ8階の「クリエイティブスペース 8/(はち)」に「Bunkamura Gallery 8/」として移転、ミニシアターのル・シネマは閉館した渋谷TOEI跡に「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」として移転し営業を継続しています。

Bunkamura 年表

・1964年- 渋谷区立大向小学校の土地を東急が購入。
・1967年- 同地に東急百貨店本店(東急本店)が開店。
・1982年 – 渋谷の商業再開発における東急の戦略を確立するため、渋谷商業開発のマスタープラン「渋谷計画1985」の作成を日本都市総合研究所に依頼。
・1984年 – 東急グループ経営会議常務会において、「東急文化村」の設立が決定。
・1984年 – 「渋谷計画1985」を基に東急百貨店内に「文化事業開発室」が創設。
・1984年 – 東京急行電鉄と東急百貨店の出資(約240億円)で、東急百貨店本店の隣の余剰地(同じく大向小学校跡地)にて「東急文化村」の建設が始まる。
・1988年 – 「Bunkamura」の管理・運営を目的として、株式会社東急文化村設立。
・1989年 – ファンハウスが東急グループ入りしたのと同時に、共同で東急ファン事業を展開する。
・1989年 – 東京フィルハーモニー交響楽団がオーチャードホールと日本で初めてフランチャイズ契約を結び本拠地とする。
・1989年 – 日本初の大型の複合文化施設として「Bunkamura」開業。 1990年 – 「Bunkamura ドゥ マゴ 文学賞」を創設。
・1992年 – 「創造と才能への支援」の一環から、「シアターコクーン戯曲賞」を創設。
・1994年 – 「シアターコクーン戯曲賞の運営」で、1994年度の「メセナ育成賞」(社団法人企業 メセナ協議会主催)を受賞。
・1995年 – 第一回「東急ジルベスターコンサート」開催。
・1999年 – 「複合文化施設Bunkamuraの運営」で、1999年度「メセナ大賞」(社団法人企業 メセナ協議会主催)を受賞。同年、東急ファン事業が終了。ファンハウスはBMGジャパンと合併しBMGファンハウス(→BMG JAPAN→アリオラジャパン)となる。レコーディングスタジオ「TOKYU FUN STUDIO」はBunkamuraに売却されBunkamuraスタジオとなる。
・2000年 – 会員組織「フレンズ」発足。
・2002年 – 会員組織「倶楽部B」発足。
・2005年 – それまでの会員組織「Bunkamura Member’s Club」をリニューアルし、「Bunkamura チケットメイト」発足。
・2007年 – インターネットショッピングサイト「Bunkamura オンライン市場」開始。
・2009年 – 開館20周年キャンペーンとして、「Bunkamura POINT CARD」開始。
・2011年 – 改装工事のため休館。
・2011年 – リニューアルオープン。
・2016年 – 松涛カフェがフランネル スタイル コーヒーにリニューアル。
・2023年 – 土地開発計画「Shibuya Upper West Project」に伴い、オーチャードホールを除き2027年度まで長期休館する予定。

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