子どもたちが人生で初めて訪れる美術館をコンセプトに、作家が幼いころに親しんだ心のふるさとに立地 長野:安曇野ちひろ美術館

長野県

こんにちは。今日から長野県です。実はこの長野県、人口当たりの美術館の数では東京を超えてもっとも多い県として知られています。(知られていない?)県として南北に200㎞以上長く、観光地としても上高地 · 松本城公園 · 諏訪大社上社・下社 · 戸隠神社奥社 · 国営アルプスあづみの公園 · 元善光寺 · 昼神温泉郷 · 美ヶ原高原etc…とさまざまなエリアが点在していることも影響しているのかもしれません。

そんな長野県の美術館紹介…1館目は絵本美術館のご紹介です。
いわさきちひろ…恐らくその絵は図書館や学校などで一度は目にしたことがあると思いますが、やわらかい線とにじんだ美しい色彩で数々の童画を描きました。そんなちひろさんの両親の故郷であり信州:安曇野に設立した世界最大規模の絵本美術館です、それでは早速。

このブログで紹介する美術館

安曇野ちひろ美術館

・開館:1997年
・美術館外観(以下画像は施設HP、県・市、観光協会HPより転載)

・場所
安曇野ちひろ美術館 – Google マップ

子どもたちが人生で初めて訪れる美術館をコンセプトに、作家が幼いころに親しんだ心のふるさとに立地

・1997年、ちひろ美術館・東京の開館20周年を記念して開館。安曇野は、信州出身の両親を持つちひろ氏にとって、幼いころから親しんだ心のふるさとで、なかでも美術館のある松川村は、戦後、両親が開拓農民として暮らした土地として、ちひろ氏は折りにふれてこの地を訪れ、多くのスケッチも残しました。 安曇野の自然にとけこむような建物が特徴的で、周囲は北アルプスを望む53,500㎡の安曇野ちひろ公園(松川村営)が広がり、清流、乳川(ちがわ)が脇を流れています。

安曇野ちひろ美術館HPでは、「ちひろの作品や人生に出会う場所であるとともに、世界の絵本画家の作品にも出会える美術館。子どもから大人まで、日常を忘れ、一日ゆっくり過ごしてほしい」と記載されています。

そのためか、「絵本カフェ」と名付け、オリジナルブレンドのコーヒーや、信州のりんごジュース、ちょっとつまめる「ちひろのおやつ」として、松本の老舗の和菓子店・開運堂さんの「りんごの天使」、「木の葉の精」を絵本と一緒に楽しめる野外カフェを準備されています。北アルプスをのぞむロケーションのなか、ちひろ美術館のおすすめ絵本や、展示の絵本などに想いをめぐらせてみてはいかがでしょうか。

いわさきちひろとは

・1917年生まれの画家、絵本作家。本名は松本知弘。東京府立第六高等女学校在学中に岡田三郎助に師事、のち中谷泰に油絵を学ぶ。1946年日本共産党に入党、松本善明と結婚。初め紙芝居をかき,童画のグループに参加して『花の童話集』 (1966) など若い人向きの絵本をかく。やわらかい線とにじんだ美しい色彩で人気を呼び、その画法が絵本『あめのひのおるすばん』 (1968) に結晶、以後、画面が語り訴える絵本を数多く生む。東京、下石神井の「いわさきちひろ絵本美術館 (1997年,ちひろ美術館に呼称変更) 」や長野県の「安曇野ちひろ美術館」に作品や一般の絵本などが展示されている。

→知らなかったのですが、高等学校時代、当初「岡田三郎助」に師事していたのですね。(→佐賀県立博物館・美術館の回でご紹介しましたのでご参照ください)

安曇野ちひろ公園

・美術館のみどころのひとつが、美術館の周囲に広がる53500m2の安曇野ちひろ公園(松川村営)です。蓮華岳をはじめとする北アルプスの山々を望みながら、ちひろが愛した安曇野の光や風、豊かな自然を感じることができます。また、公園内に農業体験や郷土食づくりができる体験交流館や、『窓ぎわのトットちゃん』の世界を再現したトットちゃん広場が誕生しました。(2016年)

→今更ですが、本館の館長は黒柳徹子さんです。黒柳徹子さんがトットちゃん広場を開設するにあたって寄せた言葉がありますのでこちらも掲載しておきます。
「トットちゃん広場」館長メッセージ

また美術館のHPにも以下の通り、本広場への想いが綴られています。
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<世界中の子どもが笑顔でつながる場所に>
・ちひろ美術館は、1977年の設立以来、子どものしあわせと平和を願い、子どもを描き続けた画家・いわさきちひろの思いを受け継ぎ、活動を続けています。『窓ぎわのトットちゃん』(ちひろ美術館館長・黒柳徹子著)に登場するトモエ学園では、ひとりひとりの個性と可能性を大切にする教育方針のもと、トットちゃんたちはのびのびと育っていきました。
私たちは、トモエ学園の精神を未来につなぎ、「トットちゃん広場」が、平和と子どものしあわせのシンボルとして世界中の子どもたちが笑顔で過ごせる場となり、長く愛されていくことを願っています。
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また関連施設として、長野県・信濃町の黒姫高原に、いわさきちひろが建てたアトリエを兼ねた山荘やチェコの絵本画家、クヴィエタ・パツォウスカーがデザインした、2つの池と8つの石のオブジェ、松川村ボランティアの手による約1万株の大花壇などが展示されています。

ちひろの黒姫山荘

パツォウスカーの庭

大花壇

(参考)黒柳徹子さんとは

・(知らない方はいないとは思いますが…)一応最後に本館館長である黒柳徹子さんの略歴をのせて終わりたいと思います。
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・1933年、東京生まれの昭和後期~平成・令和時代のタレント。東京放送劇団にはいり、昭和29年(1954年)ラジオ「ヤン坊ニン坊トン坊」でデビュー。テレビ人形劇「チロリン村とくるみの木」などで人気をあつめる。テレビの「徹子の部屋」「ザ・ベストテン」の司会などで活躍。昭和56年(1981年)刊行の「窓ぎわのトットちゃん」がベストセラーとなる。昭和59年(1984年)ユニセフ親善大使。平成18年(2006年)菊池寛賞。平成23年(2011年)、安曇野ちひろ美術館館長。東洋音楽学校(現・東京音大)卒。

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