文化都心をコンセプトに六本木ヒルズタワー最上階に位置、あらゆる年齢・地域・国々の人びとに開かれた現代美術の聖地 東京:森美術館

東京都

こんにちは。六本木エリアの最後はまさに現代美術の聖地ともいえる場所です。
皆さんも観光雑誌その他諸々でこの美術館一度は聞いた、また足を運んだ方も多いのではないでしょうか。

 日本全国には今では「現代アート」を観覧できる美術館は沢山ありますが、それは過去、専門家含め、誰彼が既に評価したもの(または評価が高まっているもの)であることが多いと思います。
 一方で今日の美術館、ここはまさに一丁目一番地、この美術館の展覧会開催を機に評価を高めていくようなアーティストが多いことも特徴ではないかと感じています。

 まさに「時代をつくっている美術館」と言えるかもしれません。そんな六本木ヒルズタワー最上階に位置する眺望も抜群の美術館、早速見ていきましょう!

                <↓真ん中のビル、最上階部分に位置↓> ※ちなみに私はここからの夜景が国内最高に綺麗だと思っています

このブログで紹介する美術館

森美術館

・開館:2003年
・美術館内・外観(以下画像は美術館HP、都、観光協会HPより転載)

・場所:森美術館 – Google マップ

文化都心をコンセプトに六本木ヒルズタワー最上階に位置、あらゆる年齢・地域・国々の人びとに開かれた現代美術の聖地

・都市再開発「六本木ヒルズ」を構想した当初から最も重要なコンセプトとして「文化都心」と位置付け。人びとが同時代の文化を体験し、検証することができる現代アートの美術館として2003年に森タワー最上層に開館。

 森美術館は来館者がいつでも楽しみ、刺激を受け、そして対話が生まれる場所でありたいと、展覧会開催中は休館日なしで夜遅くまで開館しています。また、あらゆる年齢、地域、国々の人びとに開かれた美術館であることをめざしており、展覧会や様々なラーニングを通じ、文化や社会における新たな問題をオープンに話しあう場所づくりをされています。加えて、日本とアジアの若いアーティストにより良い作品発表の機会を提供、活躍の場を与える取組みも積極的に展開されています。

 テーマ性をもった独自の切り口で多彩な企画展を開催しており、今や東京、日本、アジア、そして世界の文化発信地ともいうべき存在です。

美術館のミッション

※以下は美術館HPからの引用です
・グローバル化が拡がる今日、私たちは、人と情報の活発な交流を通じて、他の地域の文化・歴史から多くのものを学び、より多様性に富んだ新しい生活を享受することが可能になっています。このような状況において、新しい価値創造の豊かな源泉であるアートや、それに隣接する創造活動の意義はますます重要になっています。

 森美術館は世界に開かれた現代美術館として、「現代性」と「国際性」を追求しながら、多様な地域の先鋭的な美術や建築、デザイン等の創造活動を独自の視座で紹介していきます。

 とりわけ、日本とアジア太平洋地域における現代美術の重要な拠点として、この地域の美術に目を向け、それぞれ固有の文化的背景を読み解き、そこから生まれる新たな動向を世界の美術の文脈に位置づけることが、美術館の役割のひとつであると考えます。

 そして、生活の中のあらゆる場面で、より多くの人がアートを楽しめる豊かな社会、すなわち「アート+ライフ」の実現を目指していきます。

館長コメント

・2003年に開館した森美術館は、東京の「文化都心」を掲げる六本木ヒルズのシンボルです。街づくりの一翼を担うことを目指して創設された、大変ユニークな私立美術館であると言えるでしょう。したがって、その活動は美術館の空間に限定されず、街に住む人、働く人、訪れる人など、広くコミュニティへ浸透すべきであると考えています。

 森美術館の多様な展覧会およびラーニング・プログラムでは、体験とストーリーを重視します。

 美術館や地域という現実の空間で、五感を刺激する実体験を提供し、それぞれの作品の背景にあるストーリーや文脈も含めて理解を深めることで、同時代を生きる作家が創り出した現代アートを多くの人々に届けます。

 実際、今日の世界は、政治、経済、社会、文化における異なる価値観や歴史観、急速な気候変動といった課題が複雑に絡み合っています。現代アートはこうした世界を映し出す縮図であり、そのなかでは多様な価値観や思想、アイデンティティに敬意を払うダイバーシティの考え方がますます重要になっています。

 森美術館は未知の世界と出会う場でもあり、差異にも共感し、楽しむ場でありたいと考えます。 森美術館はまた、世界の近現代美術館コミュニティの一員として、とりわけアジア太平洋地域の主要な現代美術の拠点として、各地の美術館、芸術祭、教育機関などとのパートナーシップを築き、現代アート界全体の活性化と成長に貢献していきます。

 現代アートを通して私たちが生きる世界をより深く理解し、多様な考え方が共存できる、より良い未来を共に築いていけると確信しています。(2020年1月 森美術館 館長 片岡真実

※片岡真実氏略歴…日本のキュレーター。森美術館館長、京都芸術大学大学院教授。初代国立美術館国立アートリサーチセンター長。元国際美術館会議(CIMAM)会長。
 1965年に愛知県名古屋市で生まれる。一宮市立向山小学校、一宮市立南部中学校、愛知県立一宮西高等学校を経て、1988年に愛知教育大学教育学部(美術科)を卒業。1992年よりニッセイ基礎研究所に勤務。1997年より東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年に森美術館に入る。2009年にチーフ・キュレーター、2018年10月から副館長を兼任し、南條史生館長の退任を受け、2020年1月から館長を務める。 2012年には第9回光州ビエンナーレ共同芸術監督、2018年にシドニー・ビエンナーレ総合ディレクターを歴任。2020年から2022年まで国際美術館会議(CIMAM)会長を務める。2020年11月11日には、2022年にあいちトリエンナーレから名称を変えて開催予定の新芸術祭「あいち2022」の芸術監督に選任されている。2022年文部科学省日本ユネスコ国内委員会委員。2023年初代国立美術館国立アートリサーチセンター長。これまでに小沢剛、会田誠、アイ・ウェイウェイなどの個展を手がけた。

→なお、森美術館、ユニークな取組みとしてインターナショナル・アドバイザリー・コミッティーという国際ネットワークを構築されています。以下がボードメンバーのようですね。

<森美術館、インターナショナル・アドバイザリー・コミッティーとは>
・1999年9月発足 国際的なネットワーク構築のため、1999年9月に発足。世界を代表する美術館館長をメンバーに迎え、世界各地の現代美術についての情報交換や、時代を反映した現代美術館の役割、美術館相互のパートナーシップの可能性などを議論しています。

〇委員 ※姓のアルファベット順
・ラーナ・デヴェンポート(南オーストラリア州立美術館 館長[アデレード])
・グレン・ラウリィ(ニューヨーク近代美術館 館長)
・フランシス・モリス(テート・モダン 館長[ロンドン])
・高階秀爾(大原美術館 館長[倉敷])
・ユージン・タン(ナショナル・ギャラリー・シンガポール 館長、シンガポール美術館 館長)

〇名誉委員 デヴィッド・エリオット(インディペンデント・キュレーター、森美術館初代館長)
〇館長 片岡真実 〇特別顧問 南條史生

…皆さん行ったことがある美術館はありますでしょうか?コロナ禍もあり、来館された方は少ないかもしれませんね。このような世界の美術館と定期的に情報交換をしてそれを企画として持ってこれる美術館というのは国内でも貴重だと思います。

主なコレクション、収蔵作家一覧

・現代アートで存命の作家も多いので画像を転載できるものは少ないのですが、美術館の以下URLページに作家一覧が掲載されています。ご興味の方は是非。
〇森美術館 収蔵作家一覧:https://www.mori.art.museum/jp/collection/artists/index.html

MAMデジタル

・「MAMデジタル」は、森美術館がデジタルメディアを活用して展開するプログラムおよびそのプラットフォームの総称で、森美術館では、国内外の美術館やアーティストとの共同オンライン企画、リアルな展示との連動、ギャラリーツアーのライブ配信やトーク映像のアーカイブなど、さまざまなプログラムを配信されています。

 館長の片岡さんは「コロナ禍による外出自粛やロックダウン、また美術館も臨時休館と、現実の空間で様々なことが体感できない分、想像力で世界を広げていきたい。こんな時にも、クリエイティブであり続けたい。」と述べられています。
 期間限定オンライン・プログラム「STAY HOME, STAY CREATIVE(家にいながらクリエイティブ)」や「MAMスクリーン013:ムニーラ・アル・ソルフ」の上映作品配信、美術館が地域の方々と時間をかけて進めてきたコミュニティ・プログラム「まちと美術館のプログラム」や子どもたちがアーティストと過ごしたワークショップなどのアーカイブ、そして、 SNSで世界各地のアーティストから送られてきた料理のレシピ、写真、ストーリーなど集めた「アーティスト・クックブック by MAM」などを順次配信するなど精力的に活動を展開しています。

 

スクリーニング

・過去の上映イベントなどで数々のすぐれた映像作品や森美術館のコレクションから作品をセレクトして紹介。 https://www.mori.art.museum/jp/mamdigital/02/index.html

ラーニングONLINE

・過去のプログラム、開催中の展覧会関連プログラム、オンラインの特別プログラムなどを公開。 https://www.mori.art.museum/jp/mamdigital/03/index.html

MAMデジタル・プレミアム

・無料配信では紹介しきれなかったプログラムのフルバージョンやプレミアム限定映像の公開。(有料配信) https://www.mori.art.museum/jp/mamdigital/06/index.html

Others

・特別インタビューの映像など。

<「地球がまわる音を聴く」アーティスト・インタビュー映像>

Others | 森美術館 - MORI ART MUSEUM
現代アートを中心にファッション、建築、デザイン、写真、映像など様々なジャンルの展覧会を開催。

《カオの惑星》参加サイト

・「MAMデジタル」のプログラムを、現代美術の多様性を紹介するシリーズ「MAMプロジェクト030×MAMデジタル:山内祥太」の一環として、リアルな展示空間で開催する初めての試み。※展覧会自体は終了との事

 本展のための新作《カオの惑星》は、リアルタイムに変化していくオンラインゲーム型の映像インスタレーションで、展示会場内のタブレット端末上で参加できるほか、ウェブに特設サイトが公開され、PCやスマートフォンなど、どこからでもアクセスできます。

心理テストのようないくつかの質問に答えていくとアバターのような「自分のカオ(顔)」が粘土のように形を変えながらつくられ、それがサーバーにアップロードされると、さまざまなカオが集まってできた作品上の惑星に「自分のカオ」が加わり、互いに反応し合う仕組みです。

 森美術館の展示空間では、複数のカオでできた変化し続ける惑星の映像に加えて、山内自身の顔が島のようになった3D彫刻も展示。こうして、デジタルかつリアルに存在する本作について、山内氏は「正も悪も美も醜も同居し、時に喜びながら時に悲しみ、時に怒るというような惑星」として会期中、常に変化し続けました。

山内祥太《カオの惑星》

〇MAMプロジェクト030×MAMデジタル:山内祥太、展覧会サイト:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamproject030/index.html

…いかがだったでしょう。コレクション作品が掲載できなかったのは残念ですが、森美術館の魅力が存分に伝わるよう動画をメインにご紹介しました。元々IT企業が多く集まる日本のシリコンバレーのような地であった六本木に、文化の薫りを付加したのはこの森美術館の果たしてきた役割が大きかったからだと個人的には感じています。

 「デジタル都心+文化都心=∞」…そんな常にイノベーションの生まれる予感のする六本木:森美術館、「日本初」の展覧会も多いですので、皆さんもぜひ、よく分からない展覧会であってもどしどし足を運んでみて下さい。きっと思ってもみなかったような新しい発見があるはずです。

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