こんにちは。いよいよ香川県もあと2館になってしまいました。今日ご紹介する美術館は香川県のアートをけん引する県庁所在地に立地する美術館です。1988年、アーケード街(高松中央商店街)に隣接しJR高松駅・琴電瓦町駅からも徒歩圏内に位置する都市型の施設としてオープンしました。2015年1月から2016年3月25日までの間改修工事のため長期休館し、3月26日にリニューアルオープンしました。それでは早速。
このブログで紹介する美術館
高松市美術館
・開館:1988年 ※2016年にリニューアルオープン
・美術館外観(以下画像は施設HP、県・市、観光協会HPより転載)
・場所
高松市美術館 – Google マップ
戦後日本の現代美術、20世紀以降世界の美術・版画、香川の美術・工芸を軸に
・中央商店街に隣接する美術館。利便性がよく、現代的なスタイルと落ち着いた雰囲気を持つアートスポットで、市民のみなさんが行き交い集う「ひろば」を目指しています。
「戦後日本の現代美術」「20世紀以降の世界の美術(版画)」「香川の美術(工芸)」を軸として系統的に収集、コレクション数は現在1,700点あまり。瀬戸内国際芸術祭など芸術の風に沸き立つ高松において文化的なプラットフォームを成す、生きたアート・アーカイブになっています。戦後間もない1949(昭和24)年、名勝栗林公園内に地方の公立美術館として全国に先駆けて誕生し、瀬戸大橋が開通した1988(昭和63)年に、現在の市内中心街へ移転新築されたという歴史をもっています。
戦後日本の現代美術
・第二次世界大戦後の日本の美術の代表的な作家が網羅されており、実験工房、具体美術協会、ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ、ハイレッド・センターといったグループに関する作品が重要な核となっています。特に田中敦子の「電気服」は著名な作品として収蔵。その他、大竹伸朗、奈良美智、村上隆、中原浩大から菅木志雄、小林孝亘、曽谷朝絵、伊藤存、鬼頭健吾、名和晃平など、1990年代から2000年代の作家の作品も継続的に購入し続けています。また、陶彫は戦後日本の現代美術を示す上で特徴あるコレクションであり、イサム・ノグチ、八木一夫、林康夫、柳原睦夫、鯉江良二、秋山陽、田嶋悦子、重松あゆみ、戸田守宣、亀井洋一郎など、戦後の前衛陶芸を開拓した作家の作品から現代の陶芸表現まで幅広く展観できる内容になっています。
<田中敦子(電気服)>
<篠原有司男>
<李禹煥>
<森村泰昌>
<奈良美智>
20世紀以降の世界の美術(版画)
・海外作品のコレクションは20世紀以降をその対象としており、主に版画など複数制作の作品を中心に収集されています。パブロ・ピカソ、アンリ・マチス、ワシリー・カンディンスキー、マックス・エルンスト、アルベルト・ジャコメッティといった巨匠の作品から、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンシュタインなどポップアートの作家の作品、現代美術において大きな影響を与えたマルセル・デュシャンの作品など、そのコレクション内容は質、量ともに特筆すべきものです。
<ワシリー・カンディンスキー>
香川の美術(工芸)
・香川漆器(讃岐漆芸)や彫金・金工など香川の工芸作品に重点を置いており、重要無形文化財保持者に認定された音丸耕堂、磯井如真、太田儔の漆芸作品や、北原千鹿の金工作品などはコレクションの重要な一部になっています。(詳細は讃岐漆芸:https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/collection/sanuki.htmlを参照)
<玉楮象谷>
<磯井正美>
<音丸耕堂>
<北原千鹿>
<鴨政雄>
→その他主なコレクションは以下URLから観覧できます。
〇高松市美術館 収蔵品データベース:https://jmapps.ne.jp/takamatsu_art/
沿革
・昭和 63 年、高松市美術館開館 ( 開館記念展「ベルギー王国リェージュ・美術館名画展」開催 )収蔵品図録Ⅰを刊行
・平成元年、金曜日の夜間開館 (9 時~ 19 時 ) を開始
・平成 2 年、市制 100 周年記念展「松平家所蔵名宝展-明公を偲んで-」開催
・平成6年、開館 5 周年記念展「讃岐漆芸の美展」開催。開館 5 周年記念事業として収蔵品図録Ⅱを刊行。塩江町立美術館開館 ( 開館記念展「熊野俊一ゆかりの作家展」開催 )
・平成 10 年、開館 10 周年記念展「ロダン展」開催。収蔵品図録Ⅲを刊行
・平成 11 年、管理課、学芸課の 2 課を美術課に統合。美術館ボランティア civi( シヴィ ) の活動開始
・平成 12 年、平日夜間開館 ( 火~木曜日:9 時~ 17 時、金曜日:9 時~ 19 時 ) に移行
・平成 13 年、平日 ( 月~金曜日 ) 夜間開館 (9 時 30 分~ 19 時 ) に移行
・平成 14 年、小中学生の常設展完全無料化を実施。「アートで遊ぼう !」事業開始
・平成 15 年、「子どものアトリエ」事業開始。歴史資料館、市民文化センターなどと共同で収蔵品情報システムを導入
・平成 16 年、開館 15 周年記念展「玉楮象谷展」開催
・平成 17 年、塩江町合併により、塩江美術館を組織統合
・平成 19 年、美術館あり方検討委員会発足 ( 平成 20 年 2 月 25 日に提言書を提出)
・平成 20 年、市の機構改革により、市長部局 ( 市民政策部、国際文化・スポーツ局 ) に改組。20 周年記念展「高松市美術館コレクション+ ( プラス ) ひびきあう音・色・形」開催。「美術館学習」事業開始
・平成 21 年、高松市立美術館 ( 高松市美術館・塩江美術館 ) の今後の運営方針を策定。収蔵品図録Ⅳを刊行。「美術館の日」事業開始
・平成 22 年、開館時間の見直しにより、9 時 30 分~ 17 時 ( 但し、特別展開催期間中の火~土曜日 [ 祝日含む ] は 9 時 30 分~ 19 時 )に移行。高校生以下の観覧料無料化を実施。高松市美術館・塩江美術館の共通定期観覧券発行。瀬戸内国際芸術祭 2010 連携企画「森村泰昌モリエンナーレ」「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.01」開催
・平成 24 年 1 月から 3 月まで臨時休館し、空調設備等の省エネ改修工事を実施。「高松市美術館サポートショップ」事業開始
・平成 25 年、高松市美術館改修基本計画を策定。開館 25 周年記念展「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」ほか 4 展を開催。開館 25 周年記念コンサート「坂本龍一 Playing the Piano Tribute to Shinro Ohtake」開催。高松市美術館の改修基本設計・実施設計を行った ( 実施設計は平成 26 年 4 月まで )
・平成 27 年、高松市美術館改修工事着手
美術館のミッション
・系統的な作品収集と保存
・作品鑑賞の機会(展覧会等)の充実
・豊かな感性を開く教育普及活動
・未来を担う子どもの創造性を育む取組
・地域等との連携によるにぎわいや交流の創出
高松市立美術館運営方針
・HPには高松市立美術館運営方針が掲載されていましたので転載しておきます。
→来館者数は15万5千人を目指しているようですね。財政状況が厳しいながらも、質の高い作品収集に努められており、高松市の収蔵品は、東京国立近代美術館、ニューヨーク近代美術館、フランス国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)、ローマ国立近代美術館など、国内外の美術館における展覧会への借用依頼や、教科書を始め各種出版物への掲載依頼が多数あるなど、高い評価を得ていると書かれてありました。どんなコレクションなのか皆さんも是非一度足を運んでみて下さい!
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