こんにちは、マウスです。
今日ご紹介する作家…そう、横山大観さんです。
近代日本画の巨匠で、以前ご紹介した島根県の足立美術館にはその名園とともに「横山大観コレクション」があることをお伝えしました。では、それらの大観さんの作品群、どこで制作されたものかまでご存知の方は案外少ないのではないでしょうか。
今日ご紹介する美術館、そんな横山大観さんが90歳まで住んだ住居を保存し、そのまま美術館としてオープンしたユニークな建物です。どんな美術館なのか…早速みていきましょう。
このブログで紹介する美術館
横山大観記念館
・開館:1976年 ※建物の建築は明治期、1945年に空襲により焼失、その後1954年に再建
・美術館外観(以下画像は美術館HP、都、観光協会HPより転載)
近代日本画の巨匠が90歳まで住んだ住居を保存、日本画を本来の形で楽しめる空間
・横山大観氏が台東区池之端に住み始めたのは1908年(明治41年)のこと。1945年(昭和20年)の空襲で焼失しますが、その土台を生かし1954年(昭和29年)に再建されます。その後、大観氏が90歳で没するまで、ここで多くの作品を制作しました。
京風数寄屋造りの建物と庭園は、現在では横山大観旧宅及び庭園として国の史跡に指定。本美術館は大観が暮らした家の客間、居間、アトリエなどを、そのまま展示スペースとして公開。建物の構造や内装のデザインには、大観の画家ならではの工夫が凝らされており、見どころのひとつとなっています。
また、和風建築の雰囲気を生かし軸装の作品などはそのまま床の間に掛けて展示。日本画本来の楽しみ方を体験できる現代では貴重な空間となっています。
横山大観とは
・1868年、水戸生まれの日本画家。水戸藩士酒井捨彦の長男として生まれ、のち母方の横山家を継いだ。1878年(明治11)一家と上京。東京府立中学校、私立東京英語学校を経て、1889年開校した東京美術学校に入学、橋本雅邦の指導を受け、また岡倉天心に薫陶された。
1893年に同校を卒業。『村童観猿翁(そんどうえんおうをみる)』はその卒業制作。しばらく京都美術工芸学校で教鞭をとったのち、1896年母校:東京美術学校の助教授になる。1898年に美術学校に校長:天心を排斥する騒動が起こると、天心、雅邦らと辞職、日本美術院創立に加わる。
第1回展に出品の『屈原(くつげん)』は初期を代表する作。美術院では菱田春草らと日本画の近代化を企図し、大胆な没線描法を試みたが、朦朧派(もうろうは)と悪評されて苦闘を強いられた。
1903年(明治36)春草とともにインドに赴き、また翌年天心に従って春草らと渡米、1905年ヨーロッパを回って帰国。1906年美術院日本画部の茨城県五浦(いづら)への移転に伴い同地に移った。1907年の第1回文展に審査員として『二百十日』ほかを出品。なお『流燈』『山路』『瀟湘八景』などが初期の文展に出品されている。
1908年五浦の家が火災にあって上野池之端に移転。1914年(大正3)同志と日本美術院を再興した。以後美術院の中心として活躍し、再興第1回展に『游刃有余地』、第3回展に『作右衛門の家』、第6回展に『山窓無月』、第8回展に『老子』、第10回展に『生々流転』などを出品、東洋の伝統に基づく近代日本画の創成を目ざして画壇に重きをなした。
1930年(昭和5)ローマ日本美術展に際し美術使節として渡伊。1931年帝室技芸員、1935年帝国美術院会員にあげられ、1937年第1回の文化勲章を受章。ほかに『無我』『五柳先生』『柳蔭』『野の花』、『或(あ)る日の太平洋』などが著名。昭和33(1958)年、2月26日東京で没。上野池之端の旧邸は横山大観記念館として公開されている。
→黄色マーカー部、以前、茨城県天心記念五浦美術館で詳細述べましたが、横山大観さんは岡倉天心らと東京美術学校を辞職し、日本美術院の創立に尽力されています。池之端に移るのは五浦の家が火災にあったからなのですね…これは知りませんでした;
主なコレクション
→いかがでしょう。大観画ともいうべきこれぞ日本画という現代のお手本となるような作品が多数ですね。これらも発表当初は朦朧体と揶揄されて理解が進まなかった歴史はありますが、今ではザ・日本画という表現になるのですから、いつの時代も革新的なものにチャレンジするというのはなかなか苦労も多いことだと思います。(それだけにこうやって後世においてもその偉業が美術館として語り継がれるのかもしれませんが)
館内の様子
・前述の通り、美術館の建物は和風建築の雰囲気を生かし軸装の作品などはそのまま床の間に掛けて展示されています。空間演出も楽しめる館ですのでこちらに雰囲気だけでも載せておきます。
建物の雰囲気に日本画が自然に溶け込んだ室内空間になっていますね。横山大観の歴史と作品を一堂に観ることができる横山大観記念館、皆さんもぜひ足を運んでみて下さい。
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