国内有数のイギリス近代美術コレクション 福島:郡山市立美術館

アートな場所

こんにちは。全国の美術館紹介、現在は福島県を(勝手に脳内で)旅しています。
…福島県、意外と(と言ったら失礼ですが)美術館の数多いんですね。しかも先日のダリのように日本の近現代だけに限らず海外の作品も多く見ることができる県ということで、なかなか珍しいのではないでしょうか。
福島県、予定ではあと2館ご紹介する予定ですが、いずれもこれまた海外の収蔵品に特徴がある館です。(しかも公立館なのに)では早速いきましょう。

このブログで紹介する美術館

郡山市立美術館

・開館:1992年
・美術館外観(以下、画像は美術館HP及び県観光協会HPより転載)

→屋根、流線形です、カッコイイ…。長野県松本市出身の建築家、柳澤孝彦氏(代表作は本館に加え、東京都現代美術館、新国立劇場など)によって手掛けられました。(1998年:公共建築百選に選出)
・場所
郡山市立美術館 – Google マップ
→何となく前回からの流れから猪苗代湖が見える位置で切り取り…(福島県は北斗七星みたいに猪苗代湖をアート巡回の目印にするとよい⁈)郡山市街から安達太良山までを一望できる丘陵地にあります。

コレクション方針について

①ターナーや、バーン=ジョーンズらのイギリス近代美術
②明治以降の日本近代美術
③佐藤潤四郎のガラス工芸などの郡山市ゆかりの美術
④本(版)の美術

→イギリス近代美術について体系的に収集したコレクションは、国内の美術館において例を見ないものとの事。HPに郡山市立美術館初級者向けの案内誌が載っていましたので貼っておきます。
はじめての郡山市立美術館

→この案内誌の中に気になる写真と記述が…

・これ、NHK連続テレビ小説「マッサン」で一躍有名になった、ニッカウヰスキーの創始者である竹鶴政孝さんが、最愛の妻リタさんが亡くなった翌年に、鎮魂の想いを込めて造ったボトルだとの事。デザインを手がけたのは、郡山市出身のガラス工芸家・佐藤潤四郎さん。一本ずつ手で作られるボトルのため、当時の生産量は大変少なく、幻のウイスキーと言われています。

主なコレクション

→これHPにもある画像なのですがすごくないですか?1枚で主なコレクションの概要が分かるようになっていてこんな工夫がされてある美術館はこれまでで初でした。

1分館で郡山市立美術館

・表題の通り、「1分館で郡山市美」という広報動画を掲載されています。地方の県庁所在地にもない館ということでこういうメディア広報に力を入れられているのかもしれません。

~1分館で郡山市立美術館~
参考URL:https://www.city.koriyama.lg.jp/site/artmuseum/6902.html

動画も数点載せておきます。

 

 

コロナ禍で海外に行きづらくなりましたから…エリザベス女王で近ごろはイギリスもクローズアップされましたし、福島郡山市ならちょっと頑張って足を伸ばせば本国へ行けなくてもターナーを見ることができるこの有難さをあらためて嚙み締めました。

(付録)ターナー色彩株式会社

・「ターナー」と聞くと美術に携わったことある方なら必ず頭に思い浮かぶ会社名・絵具名がありますよね。そう、「アクリル絵具:ターナー」です。
(会社HP:https://www.turner.co.jp/vision/

私は美大生ではないですが、全国のアーティストの卵がどれだけこの絵具にお世話になっていることか…。他にホルベインとかターレンスとかバニーコルなどありますが、恐らくアクリル絵具に限っていえば、ターナーとホルベインがシェアの殆どを占めている気がします。(注:調べてません。個人的感想)

ターナー色彩株式会社…さすがイギリス絵画会の巨人の名前をつけているだけあって素晴らしい品質ですが、1946年に創業されたようですね。(意外と古い。戦後早々ってびっくりです)

以下に社長さんのコメント載せておきます。
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・我社は今、未来の色を求めて絵具メーカーでもなく、塗料メーカーでもなく、色彩のもつ色々な機能や特長を活かして、人々の心を明るく元気に、或いは環境をカラフルに美しくする“色彩メーカー”への変革を目指しております。[代表取締役社長 松村隆]
(まったく調べていませんが、もしかしたらイギリス人画家ターナーの方も上のマーカー部と同じような想いを抱いていたんじゃないかと勝手に推測しています)

アクリル絵具ターナー…気になった方がほんとに良い絵具ですので以下の画像からお買い求め下さい(押売り)…いえ、ほんと普通に良いですから。
※社是は「我々の製品は常に最良であらねばならない」だそうです。悪いわけがない…。

ターナー色彩 アクリルガッシュ 24色スクールセット AG24C 11ml

そんなアクリル絵具市場…実は少子化やCG技術などテクノロジーの進展により全盛期の売上の約半分にまで落ち込んでいるのはご存知でしょうか?ターナー色彩株式会社の紹介動画と落ち込んだ売上を打開する地平会長の企業改革について動画がありましたので気になる方はご覧ください。(バブル崩壊後の不況を打破すべく変革し、20年かけてバブルの頃の売上に戻したそうです)

 

※現在は色から派生した社寺仏閣やホスピタルアートなども事業展開されているそうです。色って奥深い…。(事業案内:https://www.turner.co.jp/business/

(付録)ターナーギャラリー

・これは完全に付録ですが、ターナー色彩株式会社、東京都豊島区にギャラリーも運営されています。学生や若手の発表の場を少しでも提供するということで、過去ギャラリーなどでの未発表者も含めて展示されているそうです。絵具メーカーとしてもそうですが、まさに色んなターニングポイントでの絵描きとしての第一歩を提供しているのですね。
(ターナーギャラリー:http://turnergallery.net/

※Tokyo Art Beatホームページから転載(https://www.tokyoartbeat.com/venues/-/46CA4527

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