こんにちは。能登半島のちょうど中間地点、七尾市。ここに県立の美術館があることは以前ご紹介しました。能登半島にはもう少し奥に行ったところに全国的にも珍しい美術館が立地しています。輪島塗をはじめ美しい漆芸品が集まる美術館、早速ご紹介しましょう。
このブログで紹介する美術館
・開館:1991年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、県・市観光協会より転載)
・場所
石川県輪島漆芸美術館 – Google マップ
全国的にも珍しい、常時漆芸品を展示している漆芸専門の美術館
・常時漆芸品を展示している漆芸専門の公立美術館。1991(平成3)年、日本を代表する伝統工芸「輪島塗」の産地に開館。常設展では輪島塗の技と歴史を、製作道具や映像で紹介。近世から現代にいたる輪島塗、日本芸術院会員・人間国宝をはじめとする漆芸作家の作品や国内各地の名品、世界各地の漆器など漆芸に特化したコレクションにより、総合的な漆文化の発信を目指しているそうです。
漆の里広場
・ウルシと漆器の木地になる樹木が観賞できる広場です。中心は、ウルシと漆器の木地になる樹木とのことでこれだけでもユニークな美術館ですね。
〈ウルシ〉
〈ケヤキ〉
→上質椀皿類の木地に使用されているそうです。
〈ホオノキ〉
→複雑な形をしている輪島塗の御膳の足や片口の注口部分などに使われているそうです。
〈アブラギリ〉
→輪島塗の塗装面を研ぐ、研ぎ炭の材料になルそうです。
(漆芸品はいろんな木が使われているのですね…)
主なコレクション
輪島塗
塗り
沈金
蒔絵
日本近現代の漆芸
塗り
蒔絵
アジアの漆芸
朝鮮
中国
ベトナム
タイ
ミャンマー
ブータン
→アジア諸国の漆芸を見ることができるのは更に稀少ですね。ちなみに漆芸は英語で「Japanese lacquer art」だったり「Japan」と呼ぶこともあるそうです。(確かに各国の漆器もユニークですが…日本の漆器が一番美しく見える気がします。日本人だからかもしれませんが)
そんな日本美の神髄がつまった漆芸専門の美術館、ぜひ足を運んでみて下さい。
※今更ですが、沈金と蒔絵の違いを皆さんはご存知でしょうか。先にご説明しておけばよかったですが、沈金はノミ(刀)で塗面に模様を彫り、彫ったあとに出来た凹部に漆をすり込み、そこへ金・銀の箔や粉などを押し込む技法です。金がへこみの中に沈むことから「沈金」と呼ばれています。日本では江戸時代から作られるようになりました。
一方、蒔絵は「平蒔絵」「研ぎ出し蒔絵」「高蒔絵」などの種類があり、平蒔絵は漆で模様を描き金粉などを塗った後、余分な金粉を落としたあと、加飾部分に漆を塗って乾燥させる「粉固め」を行い、漆をといで金の部分を露出させ、その上に漆を塗る「摺り漆」を行い、再度磨いていく技法です。また、研ぎ出し蒔絵の場合は「粉固め」のあとに全体に漆を塗る「塗込み」を行います。
(マウス)
コメント