こんにちは、マウスです。
今日、明日と京都にある国立の美術館・博物館をご紹介していよいよ京都府のご紹介は最後です。
国立美術館と冠がつくのは全国に5館だけ、博物館にいたっては4館だけです。(そのうち3館はすでにご紹介してきました…国立国際美術館、奈良国立博物館、九州国立博物館)
4・5館目は京都にあるのですね。
東京をのぞくと1道府県に2館の国立美術館・博物館があるのは京都だけです。さすが古都・文化都市という感じがします。早速見ていきましょう。
このブログで紹介する美術館
京都国立近代美術館
・開館:1963年 ※こちらも歴史ありますね
・美術館外観(以下画像は美術館HP、府・市観光協会HPより転載)
・場所
京都国立近代美術館 – Google マップ
→今更ですが、京都市内でもこの岡崎エリアに結構美術館が密集している気がします。
京都、関西、西日本の美術と工芸の豊富なコレクション
・近代から現代につながる美術の歴史を整理・検討しそれを通して美術と社会の将来の発展のためさまざまな活動を計画・実行すること、さらにそのような活動のプラットフォームを提供することを主な役割として活動を展開。国内外の絵画や彫刻のみならず、版画、各種工芸、デザイン、建築、写真から映像にいたるまで幅広く取り組んでいる美術館。国内外の近代美術品のコレクションは約1万3千点にのぼります。
設立の経緯
・少し調べてみるとアートアジェンダさんの記事に以下の設立経緯がのっていましたのでこちらも掲載しておきます。
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・設立の経緯は、国立近代美術館が東京に開館した翌年の1953年、第二次大戦中の在外資産としてフランスに没収されていた川崎造船所(現川崎重工業株式会社)社長・松方幸次郎が、ヨーロッパで集めたコレクションの日本への返還問題が具体化されたことに端を発する。フランスから返還される本コレクションは、特別の美術館に保管されることが条件だという意向もあり、松方ゆかりの兵庫県、そして京都市が名乗りを上げたが、フランス側は、「首都東京」にこの松方コレクションを擁する美術館の創設が不可欠だと主張し、それが現在の国立西洋美術館となった。
しかし、美術館建設を熱望した京都市が、この「松方コレクション誘致の案」を「国立近代美術館の誘致」へと切り替え、ここに「国立近代美術館京都分館構想」がクローズアップされた。東京にあった国立近代美術館も、京都市から提出されたこの「分館構想案」を検討し、1962年に分館設置の法令が施行の運びとなり、翌年、京都国立近代美術館が開館。
京都市は、産業上の要望として、京都の地場産業である陶芸や染織など、伝統工芸の展示に相当の比重を置いてほしいと要望し、京都国立近代美術館はこれにこたえてその後「伝統工芸」のみならず、広く「工芸」を展望する企画展やコレクションの充実につとめている。
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→おもしろいですね。国立近代美術家や松方コレクションとの縁、また工芸に比重をおいた背景などが載っていました。
設立からの歴史(年表)
・1962年(昭和37年)、文部省設置法の一部を改正する法律(昭和37年法律第35号)施行。それにより国立近代美術館に分館を置くことが可能となる。京都市が岡崎公園内の勧業館別館を国に譲渡。
・1963年(昭和38年)、国立近代美術館京都分館設置。分館長に今泉篤男(前国立近代美術館次長)が任命される。開館記念展「現代日本陶芸の展望ならびに現代絵画の動向」開催。
・1967年(昭和42年)、京都国立近代美術館として独立。
・1968年(昭和43年)、文化庁設置により、同庁附属機関となる。
・1969年(昭和44年)、館長今泉篤男が退官、後任として河北倫明(前東京国立近代美術館次長)が任命される。
・1984年(昭和59年)、旧美術館建物の撤去工事及び新館建設工事開始。工事期間中(1984・1985年度)京都市美術館を会場に「バルチュス展」など8回の展覧会を開催。文化庁の施設等機関となる。
・1986年(昭和61年)、館長河北倫明が退官、後任として小倉忠夫(元京都国立近代美術館学芸課長・前国立国際美術館長)が任命される。新館竣工、新館開館記念竣工式挙行。新館開館記念特別展「京都の日本画 1910~1930」開催。常設展示「近代の美術・工芸・写真」を開設。
・1992年(平成4年)、館長小倉忠夫が退官、後任として富山秀男(前東京国立近代美術館次長)が任命される。
・1993年(平成5年)、「創立30周年記念展Ⅰ:世界の工芸―所蔵作品による―」開催。「創立30周年記念展Ⅱ:近代の美術―所蔵作品による―」開催。
・1998年(平成10年)、館長富山秀男が退官、後任として内山武夫(元京都国立近代美術館学芸課長・前東京国立近代美術館次長)が任命される。博物館相当施設に指定される。
・2001年(平成13年)、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館及び国立国際美術館の4館が統合し、独立行政法人国立美術館が発足。
・2005年(平成17年)、館長内山武夫が退官、後任として辻村哲夫(東京国立近代美術館長兼務)が任命される。館長辻村哲夫が退官、後任として岩城見一(前京都大学文学部教授)が任命される。
・2006年(平成18年)、特定独立行政法人(国家公務員型)からそれ以外の独立行政法人(非国家公務員型)に移行。
・2009年(平成21年)、館長岩城見一が退任、後任に尾﨑正明(前東京国立近代美術館副館長)が任命される。
・2013年(平成25年)、開館50周年記念特別展「交差する表現 工芸/デザイン/総合芸術」開催。館長尾﨑正明が退任、後任として柳原正樹(前富山県水墨美術館長)が任命される。
・2021年(令和3年)、館長柳原正樹が逝去。後任として青木早苗(独立行政法人国立美術館理事兼務)が任命される。館長青木早苗が退任、後任として福永治(前広島市現代美術館長)が任命される。
運営方針
①美術館発足時より京都市からの要望に応えつつ、工芸分野に重点を置いてきた伝統を継承する。
②日本の近代美術史について、全体の流れを踏まえつつも、京都さらには関西における芸術活動に注目し、新たな視座の発見・紹介に努める。
③近代を中心として、さまざまな芸術ジャンルを横断的に研究し、その成果を公開することを通して、現代におけるより豊かな芸術のあり方に寄与すること。
④国内外の美術とその相互交流に着目し、芸術に関する広い国際的視野を提供すること。
主なコレクション
日本画
<竹内栖鳳>
<入江波光>
<上村松園>
<土田麦僊>
<村上華岳>
<冨田溪仙>
油彩画
<岸田劉生>
<安井曾太郎>
<長谷川三郎>
<田村宗立>
<オディロン・ルドン>
<ピエト・モンドリアン>
<アンリ・マティス>
水彩・素描
<浅井忠>
<都鳥英喜>
<田中善之助>
<千種掃雲>
<岸田劉生>
版画
<ハンス・アルプ>
→何となくこの作品気になります。。なかなか日本人には書けないデザインです。インベー…いや、やめとこ。
<恩地孝四郎>
<谷中安規>
<竹久夢二>
<長谷川潔>
写真
<野島康三>
<ジャン=ウジェーヌ=オーギュスト・アジェ>
<エドワード・ウェストン>
<ドロシア・ラング>
<アルフレッド・スティーグリッツ>
<ロバート・キャパ>
<ウォーレス・ナッティング>
陶芸
<富本憲吉>
<北大路魯山人>
<五代清水六兵衞>
<楠部彌弌>
<八木一夫>
<加守田章二>
金工
<清水南山>
<北原千鹿>
<豊田勝秋>
<信田洋>
漆工
<赤塚自得>
<松田権六>
<杉林古香/図案:浅井忠>
<神坂祐吉>
<音丸耕堂>
<番浦省吾>
木工
<氷見晃堂>
<黒田辰秋>
竹工
<飯塚琅玕斎>
<飯塚小玕斎>
染織
<稲垣稔次郎>
<小合友之助>
<森口華弘>
<三代田畑喜八>
<木村雨山>
<芹沢銈介>
→静岡市立芹沢銈介美術館でご紹介しましたね。
その他
<トーマス・シュトゥルート>
<クシュトフ・ウディチコ>
<野村仁>
<森村泰昌>
おうちでMoMAK
・さて、京都国立近代美術館(MoMAK)、コロナ禍で直接美術館に足を運べない方のためにおもしろいコンテンツをHP上に用意されていましたので、最後はそれをご紹介して終わりたいと思います。
子どもの目でみた展覧会
鑑賞の扉を開けよう!
対話による鑑賞
テーマ別鑑賞
アートカードと使った鑑賞
→このアートカードを使った鑑賞はもっとこれからも増えればいいなと願っているマウスです。(分野は違えど、以前、Points of Youというイスラエル発祥のコーチングカードゲームを体験した経験がありますが、このカードを使って物事を深く洞察する取り組みは大変有効だと感じました。)
(参考)
〇Points of Youとは…https://points-of-you-japan.com/ja/about/
担当研究員が語る!展覧会の見どころ
展覧会についての講演会・トークイベント
展覧会のVR映像
鑑賞のおとも
マンガで見る!分離派建築会の実録エピソード
河井寬次郎鑑賞ガイド
コレクションで楽しむ・あそぶ
ABCコレクション・データベースVol.1 石黒宗麿陶片集
・陶芸家・石黒宗麿の陶片や当館の所蔵作品の魅力について、音や映像、文章で味わえるデータベースです。
https://www.momak.go.jp/senses/abc/ishiguro/
鑑賞素材BOX
・国立美術館所蔵の名作を、高精細画像で電子黒板へ投影したり、タブレット端末へ配信したり、ワークシートを作成することができます。
https://box.artmuseums.go.jp/
しんさうのぬりゑ
・岡本神草(しんそう)の作品をぬり絵に。
ぬりえ1_拳を打つ
ぬりえ2_花売り
ぬりえ3_朱唇
これであなたもMoMAK博士!
京近美の歴史を知る
京近美の建築を知る
知る人ぞ知る!京都岡崎公園の魅力
…いかがでしょうか。なかなかここまで豊富なコンテンツを準備している館は滅多にないと思います。(予算的にも)
※HPの映像・動画等コンテンツが豊富なのはマウスの記憶的には徳島県立近代美術館以来でしょうか。
京都国立近代美術館、このように様々なコンテンツはもちろん途中で見たように工芸を中心に、日本画・油彩画、そして現代にいたるまで豊富なコレクションを持っています。日本美術の源流をたどることができる館だと思いますので、皆さんもコンテンツで楽しみ、足を運んで楽しみ、帰宅してからも再度HPで振り返って楽しみ…3度おいしい京都国立近代美術館(MoMAK)、ぜひとも体験してみて下さい!
(マウス)
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