こんにちは、マウスです。
突然ですが、「現代美術館」と名の付く公立館…意外と少ない少ないのですが、本ブログではこれまで以下の館をご紹介してきました。
・広島市現代美術館 ※日本で最初の公立現代美術館です
・熊本市現代美術館
・十和田市現代美術館(青森県)
・奈義町現代美術館(岡山県)
・横尾忠則現代美術館(兵庫県)
・猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市)
…意外と都道府県単位で運営しているのは「横尾忠則現代美術館(兵庫県)」くらいでしょうか。ただし、こちらは横尾忠則氏からの寄贈・寄託作品をもとにに1人の作家に焦点を当てた美術館です。一方で、今日ご紹介の公立現代美術館、恐らく「現代アート」を幅広く扱うという意味では日本で唯一の都道府県単位の公立館だと思います。
そんな現代美術館、早速ご紹介していきましょう。
このブログで紹介する美術館
東京都現代美術館(MOT)
・開館:1995年
・美術館外観(以下画像は美術館HP、都、観光協会HPより転載)
日本の戦後美術や内外の現代美術を中心に、特色ある企画展と5,500点を超える収蔵作品
・日本の戦後美術を中心に広く内外の現代美術を体系的に研究、収集、保存、展示するための機関として1995年に開館。5,700点を超える収蔵作品と総冊数にして約27万点を数える図書資料に基づき、多彩な分野を横断する国内外の現代の創造活動を積極的に取り上げることで、美術の現在を捉えるさまざまな活動を展開。
作品や資料の収集、コレクション展示、企画展示、教育普及、さらに美術図書室には新たに「こどもとしょしつ」を設置するなど、各分野において幅広い層の来館者へ向けた工夫を重ね、相互に連携し合いながら、多様な価値観の時代にふさわしい美術の探求と振興、及び現代美術の普及と次世代の担い手を育むこと等をモットーに活動しています。
東京都美術館について
・1995年まで東京には現代美術を総合的に常設で展示する美術館はなく、現代の美術動向を知ることのできる施設の設立が長く望まれていたようです。(→こういう話を聞くだけでもさすが東京、アートにおいても先端をいっているのだなと感じますね)
そのような中、世界の現代美術を視野に入れ、変化の激しい現代の美術動向を広く紹介するものとして、1980年代に東京都により設立が構想されます。その際、核となったのは、1926年に開館以来、日本の同時代美術の発表の場として重要な位置を占めていた東京都美術館※でした。東京都美術館において展覧会等を通して形成された、およそ3,000点の作品と58,000部の貴重な図書資料が現在の東京都現代美術館に引き継がれ、今日においても活動の源泉となっています。
※1926年に上野公園内に東京府美術館として開館、1975年に改築され現在の東京都美術館となって以来、近現代美術の紹介や検証、重要な作家の回顧展等を行ってきた美術館。その活動を通して形成されたコレクションは3,000点以上におよび、日本の近現代美術の流れをたどるための重要な作品群として評価を受けてきました。
主なコレクションと常設展示
・東京都現代美術館は、2019年に3年にわたる休館を経て、より開かれた美術館を目指してリニューアル・オープンされました。その際に、リニューアル・オープン記念として主に2010年代に制作された作品群に焦点を当てながらコレクション展を開催されました。その時の出品作家は以下の通りです。
(リニューアル・オープン記念 MOTコレクション ただいま/はじめまして~出品作家一覧)
今井俊介、荻野僚介、奥村雄樹、オノ・ヨーコ、さかぎしよしおう、末永史尚、鈴木昭男、関根直子、五月女哲平、髙田安規子・政子、棚田康司、手塚愛子、寺内曜子、中園孔二、Nadegata Instant Party (中崎透+山城大督+野田智子)、文谷有佳里、南川史門、宮島達男、アンソニー・カロ、リチャード・ディーコン、サイモン・フジワラ、サレ・フセイン、ヂョン・ヨンドゥ、ロイ・リキテンスタイン、マーク・マンダース、マルタ・パン、ソピアップ・ピッチ、アルナルド・ポモドーロほか
前述した東京都美術館の収蔵品3,000点を引き継ぎ、現在では5,700点を超える収蔵作品群となっている東京都現代美術館、それらはコレクション展示室で「MOTコレクション」展として公開されています。MOTコレクション展では、一年間を3期から4期の会期に分け、会期ごとに設定されたユニークなテーマに沿って毎回100~200点の作品を選んでご紹介しているようです。以下は常設展開催時のチラシ(画像)です。
…何となく東京都現代美術館の収蔵品がイメージできたでしょうか。
収蔵作品検索
・東京都現代美術館の収蔵品をさらに詳しく知りたい方は以下3つのサイトから様々な方法で検索が可能です。
〇東京都立博物館・美術館収蔵作品検索 Tokyo Museum Collection:https://museumcollection.tokyo/
※6つの都立ミュージアムが収蔵する資料・作品の横断検索のようです
〇美術図書室所蔵資料検索:https://motlib.opac.jp/
※本館美術図書室所蔵の資料を検索
〇美術図書室貴重資料デジタルアーカイブ:https://adeac.jp/mot-lib/top/
※本館美術図書室が所蔵する貴重資料の一部をデジタル化し公開
→美術に関する専門図書室として「美術図書室」を開設しているのも特徴です。近現代の美術に関する図書・展覧会カタログや美術雑誌等を収集保存、広く一般に公開しています。しかもこちらは無料で利用可能です。(こども向けの美術の本を集めた「こどもとしょしつ」もあります。)
なお、研究紀要・年報は以下のURLから検索可能でこれら眺めるだけでも十分本館の情報が伝わるのではないかと思います。
〇東京都現代美術館 研究紀要・年報:https://www.mot-art-museum.jp/aboutus/annual/
現美研究紀要・年報2020.indb
現美研究紀要・年報2021.indb
現美研究紀要・年報2022.indb
ロゴについて
・東京都現代美術館、そのロゴマークが素敵です。
これはミュージアムという言葉の頭文字であるMを強調し、略称MOT(モット)という言葉からイメージされる積極性や上昇性(「もっともっと・・」)を、Tの文字を+(プラス)にすることで表しており、さらにTは「東京」の頭文字にも由来しているそうです。デザイナーの仲條正義さんの作品です。
…いかがだったでしょうか、東京都現代美術館(MOT)、これまで行ったことがなかった人でも本ブログにて何となくイメージできたのなら幸いです。本ブログにてご興味を持たれた方はぜひ現地にも足を運んでみて下さい。きっと国内外の「アートのいま」を体験することができると思います。
(マウス)
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