今週のPickUp!展覧会(会期:11月初旬まで)②

奈良県

○ミュージアム・ワークス —みんなの知らない美術館 @諸橋近代美術館
 会期:11/12(日)まで

<概要>
・諸橋近代美術館で所蔵するサルバドール・ダリの作品やセザンヌ、シスレーなどの西洋近代絵画作品を、保存や修復という観点から紹介する展覧会。これまで展示機会が少なかったダリの版画作品である《カサノヴァ》や《シュルレアリスムの24のテーマ》なども一堂に展示。
 美術館の主要な5つの役割として「作品収集」「展示」「調査研究」「教育普及」「保存」があります。その中でも「保存」は美術作品を後世へと守り継ぐための大切な役割です。しかしながら、あまりスポットライトが当たることはありません。普段知られていない美術館の役割に焦点をあて、諸橋近代美術館における修復や保存の事例を紹介します。作品の「保存」と「公開」という、一見相反する要素をどのように両立させているのか、知られざる美術館の努力と工夫をご覧ください。

○日本の巨大ロボット群像 -巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現- @福岡市美術館
 会期:11/12(日)まで

<概要>
・日本のアニメーションにおける巨大ロボットのデザインとその映像表現の歴史を辿り、「巨大ロボットとは何か」を問いかける企画展。

 架空のロボットが登場するアニメーション(ロボットアニメ)は、いまや日本の大衆文化の一角を占めています。横浜に登場した「動くガンダム」をはじめとする架空の「実物大」ロボットが日本の主要都市に存在し、それらは今や日常的な風景となっているほどです。『鉄人28号』(1963年)をロボットアニメの嚆矢として、その後『マジンガーZ』(1972年)の大ヒット、そしてロボットアニメの流れに新風を吹き込んだ『機動戦士ガンダム』(1979年)の影響下、今日に至るまで多数のロボットアニメが制作され、魅力的なロボットがデザインされてきました。他の国のアニメーションには見られない、独自の進化と広がりを見せてきたそのデザインの変遷には、空想上の荒唐無稽なロボットという存在に映像的な「リアリティ」を与えるためのデザイン上、設定上の創意工夫が凝らされ、ファンを魅了してきました。

 本展では、『鉄人28号』から近年のロボットアニメにおけるロボットのデザインと映像表現の歴史を、それらの「リアリティ」形成において重要な役割を果たした設定上の「メカニズム」と「大きさ」を軸に検証していきます。その上で、「巨大ロボットとは何か」を観客の皆さんとともに考えます。

○特別展 いぬねこ彩彩 ―東アジアの犬と猫の絵画― @大和文華館
 会期:11/12(日)まで

<概要>
・中国、朝鮮半島、日本における、12~20世紀に制作された犬図・猫図を通して、東アジアにおける多彩な動物画の一様相を紹介する展覧会。

 人間にとって親しみ深い動物である犬と猫は、東アジアでは古くから絵画のモチーフとしても人気を博しました。それらは、必ずしも心を憩わせる愛らしい姿のみを求められて生まれたのではなく、日々の幸福への祈り、異国への憧れ、権威の象徴、社会風刺などといった、人間の様々な思いを託されることで、しばしば描かれてきたのです。各地域の歴史・文化のもとで育まれた犬と猫のモチーフは、それぞれが独特な趣を備えています。しかしながら、それらを一堂に集めたとき、個々のモチーフや表現などに共通するものがあると気づかされます。それらは、東アジアにおける文物の受容史を物語るとともに、先述したような様々な背景のもと、時に選択的に用いられました。また犬と猫をより活き活きと、魅力的に表したいという画家の創意工夫、あるいはそれを求める鑑賞者の声などにも答えながら、発展していったと考えられるのです。

 重要文化財5件、重要美術品1件を含む、計63件の犬と猫にまつわる絵画作品を通して、東アジアで花開いた豊かな動物画の世界をお楽しみください。

○宗達-物語の風景 源氏・伊勢・西行- @和泉市久保惣記念美術館
 会期:11/12(日)まで

<概要>
・江戸時代初期に京都で活躍し、 近世やまと絵を考える上で土佐派と住吉派とともに重要な位置を占める俵屋宗達を対象とする展覧会。

 戦乱の只中にあった京都で有力な絵師であった土佐派は堺に拠点を移し、狩野派は戦国大名などの御用を務め確固たる基盤を築きました。そのような状況で、扇絵や寺院の杉戸絵などを制作し庶民から貴族にいたるまで広く愛されたのが俵屋宗達とその工房でした。 宗達を中心にして制作された源氏物語と伊勢物語をモチーフとする諸作品は、平安時代から続く貴族の文化として受け継がれてきた二つの物語が、桃山時代から江戸時代初期にかけて扇の製作を生業とした宗達によって庶民に広がることを促した作品群と位置付けることができます。そこには貴族文化としての物語や和歌を庶民が理解しやすくするための工夫や、貴族文化に見られる雅やかな世界を的確に伝えるための工夫が見て取れます。

 和歌が重要な要素となる物語絵と書の下絵を中心として宗達の絵画制作について考えるとともに、同時代の絵師による物語絵の作品とあわせて展示することで、貴族階級だけでなく庶民階級にまで至った当時の物語絵流行の様相を提示し、宗達の創意工夫を展観します。
<俵屋宗達関連>
静嘉堂文庫美術館
出光美術館
京都国立博物館
岡田美術館
群馬県立近代美術館

○揺さぶる絵 変貌する日本画のイメージ @北海道立近代美術館
 会期:11/12(日)まで

<概要>
・戦後、旧来の叙情性ゆたかで繊細優美なイメージの日本画とは一線を画する独自で革新的なアプローチで画境を切り開いた岩橋英遠(1903-99)や片岡球子(1905-2008)をはじめとする北海道立美術館・芸術館コレクションと豊橋市美術博物館のコレクションを中心に紹介する展覧会。

戦後、日本画滅亡論さえ唱えられ、社会や価値観の変革の波にさらされながら、日本画家たちはリアルで強靭さをそなえた絵画表現を求め、赤裸々な生のあり様や時に凶暴な自然を凝視したり、現代美術に刺激を受けつつ伝統的な素材や技法を見直したりしてきました。それらは観るものの心を強く揺さぶり、日本画の枠組みそのものさえ揺さぶるインパクトを放っています。豊橋市美術博物館は、反骨の画家・中村正義(1924-77)をはじめ、三上誠(1919-72)や星野眞吾(1923-97)などの日本画革新の動向に棹さす優れた画家の作品や、既成概念にとらわれない“明日の日本画”を公募する「トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞」(1999〜)の受賞作を数多く所蔵しています。1960年代から今日までつづく日本画創造の歩み―その優れて鮮烈な一端をご紹介します。
<片岡球子関連>
神奈川県立近代美術館(葉山・鎌倉別館)
フジヤマミュージアム

○浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」 @東京国立博物館
 会期:11/12(日)まで

<概要>
・浄瑠璃寺九体阿弥陀の修理完成を記念し、南山城に伝わる数々の仏像を通じて、その歴史や文化の奥深さを辿る展覧会。
 京都府の最南部、木津川流域は南山城(みなみやましろ)と呼ばれます。奈良時代には都が置かれ、その後も大寺院や中央貴族と深く関わるなど、独自の仏教文化が展開したこの地域には多くの貴重な仏像が伝わります。平安時代に九体阿弥陀(くたいあみだ、9段階の極楽往生に関わる9体の阿弥陀如来像)の造像が流行しましたが、九体寺とも呼ばれる浄瑠璃寺のものは現存する唯一の群像です。また、かつて恭仁京(くにきょう)があった瓶原(みかのはら)を山腹から望む海住山寺(かいじゅうせんじ)の檀像、東大寺の僧侶が創建した禅定寺(ぜんじょうじ)の巨大な本尊など、この地域ならではの魅力にあふれています。

○創作において自由なる競創 ―19、20世紀の芸術家とポスター @群馬県立近代美術館
 会期:11/12(日)まで

<概要>
・シェレ、ミュシャ、ビアズリーら19世紀の先駆者たちの試み、20世紀の巨匠たちシャガール、マティス、ピカソ、ミロ、ダリらによるポスター芸術の確立と、戦後の展開をたどる展覧会。

 19世紀に興隆したポスターに新しい表現の可能性をみいだした芸術家たちは、互いに競うように、観る人の印象に残る、想像力豊かで、ときに遊び心のある作品を創り出し、やがては自らの個展や出版物の告知など、自己宣伝にも活用していきます。さらに20世紀半ばには、高い技術と芸術性をあわせ持つ印刷所ムルロ工房が、美術館や画廊の展覧会ポスター制作を担い、芸術と広告の領域をさらに融合させていきました。色鮮やかで心躍るポスターの競演を、どうぞお楽しみください。

○旅する画家 藤田嗣治・斎藤真一 @秋田県立美術館
 会期:11/12(日)まで

<概要>
・藤田嗣治と斎藤真一、その創作の源泉となった「旅」に注目し、それぞれの画業においての「旅」の意味に迫る展覧会。

 「私は死ぬまで旅行者でおわろう」と自ら語るように、藤田嗣治は生涯にわたり、世界各地を旅した画家です。1930年代、藤田はパリを離れ、中南米、北米、日本各地や中国を旅します。各国の文化や風土に触れ、藤田は新たなモティーフや構図などに次々と挑戦していきました。

 1959年にヨーロッパに留学した斎藤真一は、フランスで憧れていた藤田に出会います。そこで斎藤は、藤田から秋田や東北へ行くことを勧められます。帰国した斎藤は、藤田の言葉どおり東北・津軽地方を旅しました。そこで盲目の女性旅芸人・瞽女の存在を知り、強く惹かれるようになったのです。その後、斎藤は越後を訪ね、旅に明け暮れる越後瞽女の足跡を辿りながら、瞽女たちの純粋な心、生き様を描き続けました。

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