○第11回市原湖畔美術館子ども絵画展 「市原じがぞうの国」 @市原湖畔美術館
会期:3/3(日)まで
<概要>
・市原湖畔美術館では 2013 年の開館以来、毎年、市原市内の幼稚園、保育園、小学校から絵を公募し、「市原湖畔美術館子ども絵画展」を開催してきました。第一線のアーティストが審査にあたり、美術館を会場に子どもたちの絵とコラボレーションする、このユニークな展覧会で、第11回目となる「市原湖畔美術館子ども絵画展」。ゲストアーティストに松井えり菜さん※を迎え<じがぞう(自画像)>をテーマに市原市内の子どもたちから募集した作品を展示。美術館を湖畔にたたずむ宮殿に見立て、子どもたちの自画像約300点が宮殿の絵画のように立ち並びます。
今回のゲストアーティスト・松井えり菜さんの自画像作品も展示。松井さんが幼少期に描いた作品もご覧いただけます。地下の展示室には、秘密の地底湖が広がっています。特別賞受賞者の作品とともに、地底湖に潜む大きな生き物が皆さんを待ち構えています。
※ 1984年、岡山県生まれの現代美術家。自画像を描くことで知られる。日常の中で見つけた笑いや感情を、他者と分かち合いたいという想いを描き出している。自画像の表現方法は顔だけではなく、ウーパールーパー、漫画、名画、宇宙など様々な方法で描く。東京都在住。
○春陽会誕生 100年それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ @栃木県立美術館
会期:3/3(日)まで
<概要>
・1922年、再興院展洋画部から脱退した小杉放菴、山本鼎、森田恒友、長谷川昇らと、草土社の岸田劉生や木村荘八らを中心としたメンバーによって発足した春陽会。翌23年に第1回展を開催しました。それぞれの個性を重視する各人主義をうたい、梅原龍三郎や萬鐵五郎などの著名画家を揃え、油彩、水墨画、素描をジャンルの隔てなく紹介するなど、その宣言通り「芸術は形式で差別されない」ものでした。
春陽会では、西洋の最先端の美術動向に眼を向けて精力的に紹介しようとするとともに、自らの内面にある風土的なものや土着的なもの、日本的なものや東洋的なものを表現することを意識する画家が次々に登場します。「日本人の絵画」への志向は、春陽会の大きな特徴の一つといえるでしょう。
結成から100年を迎えた春陽会は、いかにして時代と連動しつつ、発展をとげ、今日に続く足場を築いたのでしょうか。本展では草創期から1950年代頃までに活躍した画家たちの作品を中心に約200点の名品を紹介し、日本近代美術史における春陽会の意義を改めて検証します。
<春陽会:関連(抜粋)>
・小山敬三美術館
・沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)
・ひろしま美術館
・小杉放菴記念日光美術館
○石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 野見山暁治/マリー・ローランサン ―時代をうつす眼
@アーティゾン美術館 会期:3/3(日)まで
<概要ー野見山暁治>
・石橋財団は、19世紀後半の印象派から20世紀の西洋近代絵画、明治以降の日本の近代絵画、第二次世界大戦後の抽象絵画、日本および東洋の近世・近代美術、ギリシア・ローマの美術など現在約3,000点の作品を収蔵しています。5階、4階ではこれらコレクションの中から選りすぐりの作品をご紹介します。
特集コーナー展示 野見山暁治
野見山暁治(1920-2023)は、長い画業のなかで具象と抽象のあいだを漂う独特の画風を確立しました。特集コーナー展示「野見山暁治」では、石橋財団が所蔵している野見山暁治の作品全7点からその魅力に迫ります。近年新たに収蔵した3点は初公開となります。
<野見山暁治:関連>
・100年を生きる画家、野見山暁治 人はどこまでいけるか
・戦没画学生慰霊美術館 無言館
<概要ーマリー・ローランサン >
・マリー・ローランサン(1883-1956)は、20世紀前半に活躍した女性画家です。キュビスムの画家として紹介されることも多くありますが、「前衛的な芸術運動」や「流派(イズム)」を中心に語る美術史の中にうまく収まらない存在です。ローランサン自身は、自分に影響を与えた存在として、同時代の画家マティス、ドラン、ピカソ、ブラックの名前を挙げていますが、彼らの様式を模倣することなく、パステルカラーの独自の画風を生み出しました。彼女は同時代の状況を見つつ、時代の要請を理解して、自らの方向性を模索しました。
本展では石橋財団コレクションや国内外の美術館から、ローランサンの作品約40点、挿絵本等の資料約25点に加えて、ローランサンと同時代に活躍した画家たちの作品約25点、合計約90点を展示します。ローランサンの画業を複数のテーマから紹介し、関連する他の画家たちの作品と比較しつつ、彼女の作品の魅力をご紹介します。
○MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ @東京都現代美術館
会期:3/3(日)まで
<概要>
・「MOTアニュアル」は1999年に始まり、若手作家の作品を中心に現代美術の一側面をとらえ、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展のシリーズです。19回目を迎える本展では、アーティストの想像力や手仕事による「創造」と、近年、社会的に注目を集めるNFTや人工知能、人工生命、生命科学などのありようを反映するかのように自動的に生まれる「生成」とのあいだを考察します。
1990年代頃から一般にも広く認識されはじめたメディアアートやメディア芸術領域は今も拡張を続け、復元やアーカイブ化による再検証や歴史化の過渡期にあります。また、国際的な企画展やコンペティションに集まる作品群の中にも、ビッグデータやAI、機械学習によるもの、A-Life、群知能を思わせる作品が多数見られるようになりました。繊細な手仕事によって成立する作品も確実に存在する一方で、それらの根底にも、現在的な情報処理の概念が存在します。本展では、「創造と生成」の両方を見つめ、テクノロジーを用いながらも造形的な語彙によってアイデアを外在化し、私たちの想像力をこれまで以上に掻き立てようとする作家たちの多様な試みに着目し、11組の作家による約50点の作品・資料を展示します。
2020年以降、プログラミング教育が普及し、次世代に向けて、表現のプラットフォームは変容を続けています。本展では、リアル展示に限らず、デジタル上に拡がるメタバースや空間アーカイブなどを視野に入れた事業やイベントを展開します。本展の試みを通して、これまで対立的に捉えられがちであった「創造と生成」「アナログとデジタル」のありようを見直し、それらを超えて両者のあいだに生まれるシナジー(相乗効果)を見つめ、私たちの知覚の拡がりを問いかける場が生まれれば幸いです。
○AINU ART―モレウのうた @北海道立近代美術館
会期:3/10(日)まで
<概要>
・アイヌ工芸品展は、公益財団法人アイヌ民族文化財団が1997年からアイヌ文化の振興と研究の推進を目的に全国の美術館、博物館で開催している展覧会です。国内外の優れたアイヌコレクションを紹介するほか、「AINU ART −風のかたりべ」(2013年、北海道立近代美術館ほか)をはじめとして、現在活躍する作家の活動を取り上げてきました。
今年度は、アイヌ文様の特徴のひとつであるモレウ(渦巻き文様、カラフトではオシカリカリヘコンパ)をキーワードにして、現代のアイヌアートとともに、先人たちが遺した木彫品や衣服を概観し、多様性とデザイン性に富んだ造形力に注目します。古きものに新しさを発見すると同時に、現代の作品の中にも伝統が息づいていることがわかるでしょう。
本展では、小笠原小夜(イラストレーション)、貝澤幸司(木彫)、貝澤徹(木彫)、川村則子(布アート)、下倉洋之(金工)、関根真紀(デザイン)、西田香代子(刺繍)、藤戸康平(ミクストメディア)、藤戸幸夫(木彫)、結城幸司(版画、映像)の近作、新作約100点によりアイヌアートの今を見つめます。また国立アイヌ民族博物館、アイヌ民族文化財団などが所蔵する19世紀から20世紀のアイヌコレクションを展覧します。トピック展示として、尾張徳川家第19代当主徳川義親の北海道八雲町とのかかわりをご紹介します。
<関連>
・平取町立二風谷アイヌ文化博物館
○回復する @丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
会期:3/10(日)まで
<概要>
・新型コロナウイルス感染症の始まりから約3年、私たちは不安を抱えた長い日々が終わることを待ち望みながら、今日、明日、またその次の日と一歩ずつたゆみなく歩みを進めてきました。以前と変わらないような日々を得た人もいれば、まだその渦中にある人と、一様に復調したとは言えないなか、新たな争いや災害は起こり、平穏な日々を得ることの難しさに直面しています。しかしこれまでを振り返ってみたとき、誰もが小さな凸凹を乗り越えた経験をもち、大きな出来事に遭遇したとしても、それぞれの傷を内包しながら時を重ね進んできた希望をみることができます。
以前と同じに戻ることができないような経験をし、異なる 時間に身を置くことになった後、それでも日々を続けるために取り得る態度にはどういったものがあるでしょうか。社会や自己のあり方の問い直し、他者との関わり、時間の経過など、地道な手段は私たちの推進力になり得ます。本展ではそうした力に目を向け、希望を宿した作品を通して、弱った心身を受容しながら生きる術を考える契機となることを試みます。
○もじ イメージ Graphic 展 @21_21 DESIGN SIGHT
会期:3/10(日)まで
<概要>
・本展では、コンピュータ上で出版物やグラフィック制作の多くの過程を行うことが一般化し、インターネット環境が社会のインフラとなっていった1990年代以降のグラフィックデザインを、日本語の文字とデザインの歴史を前提に紐解いていきます。
展示の中心となるのは国内外54組のグラフィックデザイナーやアーティストによるプロジェクトの数々。漢字や仮名の使い分けや、縦横自在の書字方法、ルビといった独特の表現方法をもち、文字とイメージの混ざり合いのなかで発展してきた日本のグラフィック文化が、グローバルなデジタル情報技術とどう向き合い、何を生み出してきたか、そして今どのような可能性をみせているかを「造形性」「身体性」「メディア」「マテリアル」のような13の現代的テーマに分けて紹介します。
○三栖右嗣「1971年北海道、取材旅行で画家が手にした〈再出発〉」 @ヤオコー川越美術館
会期:3/10(日)まで
<概要>
・1960~1970年まで、制作も発表もしない沈黙の10年を経て、その後、蹶然(けつぜん)と溢れ出た豊富な主題による三栖右嗣※の作品群。作品を支えたスケッチ・デッサン・水彩等と共に、晩年まで及んだ充実期に生まれた作品を展示します。
※ ヤオコー川越美術館がコレクションする作家三栖右嗣は、埼玉県比企郡ときがわ町にアトリエを構え、制作活動をおこなってきた。現代リアリズムの巨匠といわれ、人気作家であった彼の作品は、単に写真のように対象を精緻に写し取るリアリズム絵画ではなく、彼の優しい視点が反映された人間味のあるものである。物を捉える並はずれた技術力と温かみのある描写の作品の数々は、何度でもその前に足を運び、対峙したくなる非常に質の高い、充実したコレクション群となっている。
○雛の世界 @遠山記念館
会期:3/10(日)まで
<概要>
・江戸時代に開花した人形文化は、日本独自の雛人形を母体として、多種多様な人形を生み出してきました。本展では、 雛人形を中心に江戸時代中期から昭和時代中期頃までの様々な種類の人形を展示し、日本の人形の歴史をたどっていきます。
高さが60cm以上もある大型で豪華な「享保雛」をはじめ、丸顔で愛らしい「次郎左衛門雛(立雛)」、 江戸っ子に人気を博し、現代の雛人形のもととなった「古今雛」、高さが2 ~ 3cm程の「芥子雛」、明治天皇、皇后、 儀仗兵、女官を表した「明治天皇御影雛」などの変わり雛の他、近代の名工と呼ばれる作家たちの雛人形などを出品。他にも嵯峨人形、御所人形、衣裳人形、賀茂人形、からくり人形、抱き人形、また厄除けや病除けなど 健康を願って作られた各地の郷土人形も展示します。
併せて、遠山邸の大広間では、十畳の座敷いっぱいに飾られた 「遠山家の雛壇飾り」もご覧いただけます。日本の人形が持つ魅力をご堪能ください。
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