可愛い色彩のベストセラー絵本「こぐまちゃんシリーズ」

絵本

このブログの記念すべき最初の記事では、森比佐志・わだよしおみ・わかやまけん作「こぐまちゃんシリーズ」(1970〜1994、こぐま社)をご紹介します。
言わずと知れた絵本界でもトップのベストセラー・シリーズなので、今さら紹介する間でもないかもしれませんが、それはともかくとして。
(対象年齢:0歳から3歳ごろまで、定価各880円[税込])※こぐま社Webサイト https://www.kogumasha.co.jp より

わかやまけん他作「こぐまちゃんのみずあそび」

こぐまちゃんシリーズは、私が子どもの頃からの大のお気に入りの絵本で、今では私の子どもが愛読してくれています。

シリーズのうち、最も早い時期の「こぐまちゃんおはよう」「こぐまちゃんとぼーる」「こぐまちゃんとどうぶつえん」の三冊は、初版が1970年発行。なんと大阪万国博覧会が開催された年なのです(日本史で習った…)。
当時の5歳の子どもがこぐまちゃんシリーズを読んでいたとすると、その子は今では51歳。家によっては、実に親・子・孫の3世代で読み継がれている計算になります。今でも書店で必ず絵本コーナーに平置きされているこの絵本、その息の長さが知れるというものです。

こぐまちゃんシリーズを手掛けた画家のわかやまけんさん(1930-2015)は、元はグラフィックデザインの世界に身を置かれていたのだとか。
赤、黄色、オレンジなどの原色を大胆に使ったビビッドな色彩、太い輪郭線で縁取られたこぐまちゃんやしろくまちゃんの姿は、一度見たら忘れられなくなるような魅力を備えています。

このような明快な色遣い、輪郭性を使いシンプルな形を象る絵柄は、ヨーロッパ生まれの人気絵本のキャラクター、ミッフィー(母国オランダではnijntjeナインチェ)を連想させます。しかし、ディック・ブルーナのミッフィーが左右対称を基本とするより厳密なデザインシステムで描かれているのとは違い、こぐまちゃんシリーズは、より自由度が高い動きのある画面で構成されています。
その絵の代名詞と言えるのが「楕円」。こぐまちゃんやしろくまちゃんの輪郭は、二つの小さい楕円と一つの大きい楕円の組み合わせから作られており、二人の遊びを彩るこまごまとした道具にも楕円形が多く使われています。卵型にも近いような、温かみのある線で縁取られた楕円の数々は、絵本の雰囲気に柔らかさをプラスし、子どもたちが絵本の世界観にすっと入っていけるような効果をもたらしていると思います。
ストーリーの中でこぐまちゃんたちが遊ぶ様子は、のびのび感に溢れていて、大人でさえも惹き込まれます。徹頭徹尾、子どもの視線になって描かれた絵本だなぁと思わせられます。

写真の「こぐまちゃんのみずあそび」ももちろんですが、我が子は「しろくまちゃんのほっとけーき」が大好き。今でも定期的にホットケーキ作りをせがまれるほどです(笑)
この絵本にも、まろやかな楕円形で美味しそうなホットケーキがたくさん登場しますよ。

「こぐまちゃんシリーズ」はセットにもなっていますので、出産祝いやお誕生日プレゼントにもぴったりです。また、より小さい子向きの「はじめてのこぐまちゃん」シリーズも発売されています。
ぜひお手にとってみてくださいね。

次の記事でも、お気に入りの絵本を紹介します。ぜひお楽しみに。

○可愛い色彩のベストセラー絵本「こぐまちゃんシリーズ」
作:わかやま けん 出版社:こぐま社 定価各880円[税込]




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